Select Language

オーストリア金融市場庁、ESMA新規制策を恒久化させる意向

オーストリア金融市場庁、ESMA新規制策を恒久化させる意向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 13:41
オーストリア金融市場庁、ESMA新規制策を恒久化させる意向

update 2022.01.27 13:41

新たな独自規制策を5月30日から適用する見通し

オーストリアの金融監督当局であるオーストリア金融市場庁(Financial Market Authority)【以下、FMAと称す】が、欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】のバイナリーオプション取引の禁止とFX及びCFD取引のレバレッジ制限などに関する新規制策を恒久化させる意向であることが明らかになった。

FMAは、ESMAが2018年8月に導入した新規制策を一部修正した独自の規制案をESMAに提出しており、2019年5月13日、ESMAが正式にFMAの規制案に賛同する旨の意見書を公表した。[1]これを受け、FMAは5月30日よりESMAの一時的措置を恒久化させる新たな規制策を適用する見通しでいるという。なお、バイナリーオプション及びCFD取引に関して、オーストリアの規制案は欧州の規制措置からの迂回を試みる取引行為を明確に禁止する意向はないものの、それ以外の項目についてはESMAの新規制策と同様の措置を講じるとのことである。更にCFD取引に関しては、ESMAの新規制策の内リスクに関する警告部分を数か所微修正した上で適用させると共に、仮想通貨の定義を加えたという。

FMAによる新たな規制策の導入は、ESMAの一時的な新規制策の恒久化を図る最新の事例ではあるが、既にオランダ金融市場庁(Authority for the Financial Markets)が永続的なCFD取引規制策を導入している他、ドイツ連邦金融監督局(Die Bundesanstalt für Finanzdien Stleistungsaufsicht)やフランス金融市場庁がESMAの新規制策を恒久化させる意向を示している。また、ブレグジット動向を見据える英国行動監視機構(Financial Conduct Authority)は、永続的なCFD取引規制策を導入すべく、2019年夏にFCAはCFD規制策の最終版を発表する見通しだ。なおFCAは基本的にESMAの新規制策を踏襲するものの、ESMAが規制から除外している証券化商品も対象にした新規制策を組み込んだ英国法の導入を検討している模様である。

欧州全域を管轄とするESMAを始め、欧州各国の規制当局がバイナリーオプション及びCFD取引に関する規制策の恒久化を粛々と進めている。今後も規制強化の流れは続くものと予想され、ブローカーにとってはグローバルベースで機動的に事業の再構築を推し進めると共に、レグテック(フィンテックを活用した規制対応に関する課題解決を図る技術)の効率的な活用を図るなど、押し寄せる規制の波に柔軟に対応する必要がありそうだ。

release date 2019.05.14

出典元:

ニュースコメント

規制強化の影響を如実にうけるEU地域のブローカー

ESMAによる永続的なCFD取引に関する規制策の導入要請の後、EUの経済大国であるフランスの監督当局が新規制策の導入を発表したことは、EU各国において規制強化の流れを加速させる要因として注目された。今回FMAがバイナリーオプション及びCFD取引に関する規制策の恒久化を発表したことにも、少なからず影響を与えているといえよう。バイナリーオプションについては、投資詐欺による被害総額が問題視されていることもあり、規制策の強化が顧客保護に繋がることが期待できる。しかし実際にEU各国を拠点とするブローカーにおいては、これまでと同様自由な取引環境を求めて、ESMAによる規制の影響を受けないスイスにトレーダーが押し寄せるなど、顧客の流出が止まらない状況も続いているという。そんな中、ブローカー各社はレグテックの有効活用だけでなく、顧客のコスト削減、利益拡大に繋がるような革新的なサービスの提供が求められており、中には取引手数料を無料化するブローカーもでてきている。欧州の目まぐるしい状況に、今後ブローカーはどのように対処していくのか注目していきたい。


Date

作成日

2019.05.14

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

【要注意】Axi口座から不正出金被害、セキュリティ対策に不安の声

海外FX業者のAxiで、不正出金の被害が海外フォーラムなどで報告されています。国内で同様の被害は確認されていませんが、日本人ユーザーも無関係ではありません。この記事では、報告されている不正出金の事例やセキュリティの問題点のほか、現状でユーザーがとれる対策を説明します。
update2025.09.29 19:00

Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小

海外FX業者のExnessが主要銘柄のスプレッドを縮小しています。BTCUSDは16%、ETHUSDでは23%の縮小が確認されています。本記事では縮小後のExnessスプレッドを主要なブローカーと比較しました。
update2025.10.02 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

【独自】海外FX利用で銀行口座が凍結・解約された一部始終!「自分には関係ない」は危険かも

みんなの銀行の口座を実際に凍結・解約されたトレーダーから当サイトに寄せられた情報をもとに、解約までの流れを一部始終紹介します。海外FXユーザーにとって、銀行口座凍結は決して他人事ではありません。海外FX利用時に注意すべき送金パターンも説明します。
update2025.08.12 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル