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FCA、最終版となるCFD規制策の発表を延期

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update 2022.01.27 14:45
FCA、最終版となるCFD規制策の発表を延期

update 2022.01.27 14:45

ブレグジット動向を見据え2019年夏に公表する計画

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は4月26日、当初4月に示す予定であったリテールブローカー向けのCFD取引規制策の最終版の公表を2019年夏まで延期することを発表した。[1]

FCAは2018年8月、欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】が導入したバイナリーオプション取引の禁止と、FX・CFD取引のレバレッジ制限などに関する新規制策を全面的に支持する声明を発表していた。現在はESMAがCFD規制の期間を再延長しているように、新規制策は一時的な措置であるため3か月ごとに延長更新する必要がある。そこで、FCAは永続的なCFD取引規制を導入する意向を示し、ESMAが規制から除外している証券化商品も対象にした新規制策を組み込む英国法の導入を検討している状況だ。オランダやドイツ、フランスが同様の取り組みを計画もしくは既に実行に移しており、各国徹底した個人投資家保護に向けた規制枠組みの構築を進めていると言えよう。

そして、FCAは2019年2月にCFD規制策の最終版の公表を4月に行う旨の通知を発していたが、ブレグジット交渉が10月まで延期されたことを受け、ブレグジット動向を踏まえ向こう数か月後に改めて規制策を発表する形となった。

また、FCAはブレグジット後の規制策に関する諮問書を公表しており、広く集めたフィードバックの検証を引き続き行うとしている。更に、現在はFCA統制下の企業に対してもESMAの一時的な規制措置が適用されていることを鑑み、2019年夏にポリシーステイトメント(金融政策の提案書)と、最終版となるルールハンドブック(手引書)を公表する計画だと言う。なおFCAのCFD規制策の最終版の適用は、ESMAの規制措置の期限が失効してからとなる模様だ。加えて、FCAのCEOであるAndrew Bailey氏は、英国の経済やビジネス環境に適合させるべく、FCAの規制策はEUと幾分異なるものになるであろうとコメントしている。

FCAを始め欧州の監督当局が規制を強化する流れに変わりなく、ブローカー各社は今後打ち出される新たな規制策に対応した社内体制の整備が急務となろう。他方で、ますますレグテック(フィンテックを活用した規制対応に関する課題解決を図る技術)関連のサービスを提供する企業への注目も集まりそうだ。

release date 2019.04.26

出典元:

ニュースコメント

安堵の声が広がるブレグジットの期限延長

英国のEU離脱に関する話題については、当初の離脱予定日となっていた2019年3月29日が差し迫り緊張感が張り巡らされていた2018年末から年明けにかけて、世界中から関心が集まっていた。その中で特に注目が高かったことは、EUが英国の離脱案に合意しなかった場合のハードブレグジット(合意なき離脱)だ。合意なき離脱が行われた場合、英国が貿易や資本、人材の流通に対する権利を失うこととなり、英国の今後にとっても大きな打撃となることは間違いないとされていた。しかし今月初めに、英国とEUはブレグジットの期限を10月31日迄とする「柔軟な延長」で合意したことが発表されたことを受け、この猶予期間で話し合いが進み合意なき離脱を回避できる可能性が高まるのではないかと安堵の声が広がっている。その一方で、企業政府や銀行などの格付け情報を配信する企業フィッチレーティングスは、未だ合意なき離脱のリスクは拭いきれていないとし、英国の信用格付けを引き下げる可能性があることを警告している。規制強化の流れの中、ブレグジットの不安材料も盛り込まれ、欧州の目まぐるしい状況に、ブローカーはどのように対処していくか今後も目が離せない。


Date

作成日

2019.04.26

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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