作成日
:2019.05.01
2021.08.31 15:26
米国の大手ソフトウエア企業Microsoft Corporation(One Microsoft Way Redmond, WA 98052-6399
)【以下、マイクロソフトと称す】が提供する電子メールサービスのMicrosoft Outlookが、最近、ユーザーの仮想通貨取引所に関する情報を狙うハッカー集団の攻撃対象となっていることが報道により明らかになった。複数のユーザーによる報告から、ハッカー集団がユーザーの利用する取引所の情報を狙っているという事実が発覚した模様だ。報告によると、ハッカー集団は、マイクロソフトでカスタマーサポートを務める従業員の機密情報を盗み出すことにより、ユーザーが受け取ったEメールの件名、受信者、送信者、詳細情報など個人情報へのアクセス権限を不正に入手しているようだ。
被害にあったJevon Ritmeester氏は、今回のハッキングに関して以下のようにコメントしている。
ハッカーは、メールボックスの受信箱にアクセスし、Kraken.comにある私の取引口座のパスワードを変更した後、ビットコイン(Bitcoin)を盗み出しています。マイクロソフトは、この情報漏洩に関して、あまり問題視していない様に見受けられますが、多くのユーザーが何らかの形で被害を受けていることでしょう。私はこの件について、少なくとも警察に報告して、マイクロソフトには損害に対しての責任を負うことを求め、今後も多くの個人情報が漏洩する危険性があることを伝えようと思っています。
Jevon Ritmeester, Microsoft Outlook User - Motherboardより引用
この事件により、Ritmeester氏は、約5,000ドル相当の1BTCを失ったことを伝えているが、SNS上では、他の多くのユーザーが同様の被害にあったことが報告されているという。マイクロソフトは、すでにこのハッキング事件について認識しており、ユーザーに向けて事件に関する通知を行っているが、通知の範囲外の被害を受けたユーザーに対して、サポートチームに連絡するよう促している状況だ。今回、個人のOutlook、Hotmail、MSNアカウントにおいて、不正なアクセスが検出されたものの、一連のマイクロソフトの対応に疑問を抱いているユーザーも多い様子が伺える。これ以上の被害が拡大する前に早急な対応が施されることに期待したい。
release date 2019.05.01
現在、米国のIT業界では、仮想通貨市場への参入がトレンドとなっており、ステーブルコインの開発を進めるFacebookや、iPhoneをプラットフォームとして仮想通貨の利用を模索するAppleなど、大手企業の動向に注目が集まっている。一方、マイクロソフトは、同社の創立者で絶対的な象徴であるビル・ゲイツ氏が、仮想通貨に関して否定的な姿勢を示してきたことから、マイクロソフトは仮想通貨関連広告の掲載禁止を行うを行うなど、仮想通貨市場に対して消極的な動きを見せていた。しかしながら、2018年後半ごろから、ゲイツ氏も、仮想通貨に興味を示す発言を繰り返すようになっており、マイクロソフトの企業向けクラウドサービスであるMicrosoft Azureは、Blockchain as a Service(BaaS)のコンセプトの下、ブロックチェーン環境の提供を開始したという。他にもマイクロソフトには、様々なサービスが存在し、ブロックチェーンや仮想通貨と連携するポテンシャルは高いと言えるため、今後も同社の動向にも注目していきたい。
作成日
:2019.05.01
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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