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フランス政府がEUに仮想通貨規制の導入を提案

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update 2021.08.31 15:26
フランス政府がEUに仮想通貨規制の導入を提案

update 2021.08.31 15:26

投資家保護や税収面でのメリットを訴求

フランス政府は、国内で採用する同様の仮想通貨規制を導入するよう、欧州連合(Europea Union)【以下、EUと称す】に働きかけていることが、フランス財務大臣のBruno Le Maire氏によって明らかになった。[1]

フランスでは、先週、仮想通貨に関する法案が可決されたばかりだが、Maire氏は、同国のフレームワークが最適だとの考えを示しており、共通の規制導入に向け、EUの理事会を説得する構えだという。フランスで承認された法律は、トークン発行や課税スキームの整備など、国内での仮想通貨利用を公認するもので、主要国としては初の試みとなるとのことだ。

このフランスでの動きは、仮想通貨を禁止する中国やインドを始めとした諸外国とは、対照的なものとなるが、適格な規制を導入することで、個人や企業活動の管理や税収面において、政府に利益をもたらすことが予想されている。特にフランスでは、多くの企業が、トークンセールを実施しているため、円滑な資金調達の実施を支援する規制は、仮想通貨市場の発展にも効果的だという。また、仮想通貨市場の規制は、投資家保護の観点からもメリットが多く、更なる投資を呼び込む要因となる可能性を秘めている。

これを受けEUでは、既に委員会を立ち上げ検討を進めているものの、規制の成立は、早くとも2019年末、あるいは2020年頃になると言われている。もし、EUがこの規制に賛同した場合、新しいトークンを発行する事業者やそのプラットフォームへの法的監視が強まり、法律に準拠していない詐欺的または危険性が高いトークンセールは、停止されることになるという。規制の導入により、欧州の仮想通貨市場では、詐欺やマネーロンダリングなど不正に対する耐性を高めていくことができると予想されるが、フランスからのこの申し出をEUは、どのように判断するか注目していきたい。

release date 2019.04.16

出典元:

ニュースコメント

積極的なフランスとEU加盟国に温度差

各国で仮想通貨市場への規制が厳格化する中、これまでフランス政府は、仮想通貨やブロックチェーンを有効なテクノロジーであることを早くから認めており、市場を既存の経済体系に組み込むための支援を積極的に実施してきた。今月11日にも、保険会社がビットコインなどの仮想通貨に投資することを許可する法案が、フランス議会で可決され、今後、保険業界の仮想通貨市場への進出が決定的となったばかりだ。しかしながら、このような動きは、仮想通貨市場の規制にもたつく、欧州諸国との温度差が生じる要因ともなっており、フランス政府は、共同体であるEU加盟国の停滞感にジレンマを感じていることだろう。事実、欧州で最も先進的な仮想通貨市場を抱えるスイスは、EUに加盟しておらず、より自由度の高い政策を打ち出すことで、世界的なテクノロジーハブとしての成功を収めており、 スイス証券取引所がリップル連動のETPを許可するなど国内でも活発な動きがみられる。このような背景もあり、市場の拡大を狙うフランス政府は、今回、EUに規制導入の提案を持ちかけたと考えられるが、異なる見解を示す各国理事の説得が容易で無いことは確かだ。


Date

作成日

2019.04.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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