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スイス証券取引所、リップルに連動したETPの上場を許可

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update 2021.08.31 15:27
スイス証券取引所、リップルに連動したETPの上場を許可

update 2021.08.31 15:27

仮想通貨ETPを手掛けるAmunが今後2ヶ月での実現を目指す

スイス証券取引所(SIX Swiss Exchange)【以下、SIXと称す】は、仮想通貨市場で3番目の時価総額を誇る仮想通貨、リップル(Ripple)の価格に連動した上場投資商品(Exchange Traded Product)【以下、ETPと称す】の取り扱いを開始する可能性があることを明らかにした。[1]

この世界初となるリップルを対象としたETPのリスティングを狙うのは、既にスイス国内でいくつかETPを運用しているAmun AG【以下、Amunと称す】で、同社のCEOであるHany Rashwan氏は、今後2ヶ月間でSIXへの上場を目指すと述べている。Rashwan氏によると、Amunはこれだけではなく、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)、ステラ(Stellar)、イオス(EOS)など4つの仮想通貨に連動した別のETP発行の許可も得ているという。このETPをリスティングする最終的な時期は決定していないものの、Rashwan氏は、今年度末までの実現を目指すとしている。

2018年11月、AmunはHODLという仮想通貨ETPをリリースしており、同年12月と続く1月、HODLは、クルードオイルと連動するETP、XETCの取引量を抜いて、SIXで最も取引された人気の商品となった。しかしながら、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコインの価格に影響を受けるHODLは、仮想通貨市場の不調に引きずられる形で、11月には15ドルの値をつけていた価格が現在は13ドルまで下落している。加えて、先月2月には、市場での売上高が400万ドル減少しており、取引量1位の座も明け渡している。

SIXのリスティング規則に従うと、これらのETPは、積極的な売買を伴わないパッシブ型の投資商品であるため、スイス金融市場監査局(Swiss Financial Market Supervisory Authority)の承認を必要としないという。その代わりに仮想通貨ETPは、SIXが課すデリバティブ商品に対する要件を満たすことがリスティングの条件となっており、例えば、運用会社は、担保として現物の仮想通貨資産を保有することが義務付けられている。Rashwan氏によると、Amunが運用するETPの担保は、米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)にも登録があるKingdom Trustが管理しているという。

また、これらの仮想通貨ETPとは別にAmunは、仮想通貨や金などを対象とした伝統的なETPのトークン化を目的に、ERC(イーサリアムのトークン規格)に準拠したETPのローンチも計画している。Rashwan氏によると、今年度末または来年まで、この計画が大きく進展する見込みはないというが、もし実現すれば、Amunが提供するものを含めて3つから5つ、トークン化されたETPがリリースされるという。一方のSIXは、独自仮想通貨取引所の立ち上げを行っており、ブロックチェーン企業であるR3との協業で、今年度後半までに分散型台帳技術を活用した迅速な取引プラットフォームを構築する計画があるようだ。

release date 2019.03.12

出典元:

ニュースコメント

資産のトークン化を先導するスイス市場

AmunやSIXが推し進めている資産のトークン化は、仮想通貨やブロックチェーン業界で一種のトレンドとなっており、多くの銀行や取引所などの金融機関がその取り組みを進めている。証券やコモディティ、ファンドなどの投資商品を仮想通貨のような形態で取引可能にする資産のトークン化には、多くのメリットがあり、ブロックチェーンをプラットフォームとして利用することで、強固なセキュリティや柔軟な金融システムを実現することができる。しかしながら、今の所、法律上の整理がついていないことや度々発生するハッキング被害など、解決すべき問題が多くあるため、なかなか導入が進まないのが現状だ。その点、世界の仮想通貨市場を先導するスイスでは、政府機関も協力的な姿勢を見せていることから、資産のトークン化に関する構想が実現しつつある。これらの支援を背景に、スイス大手銀行のデューカスコピーやスイスクォートなども仮想通貨分野での取り組みを強化しており、今後のスイス市場ではこの流れに拍車がかかることが予想される。


Date

作成日

2019.03.12

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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