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楽天、6月より仮想通貨ウォレットサービスを開始

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update 2021.08.31 15:26
楽天、6月より仮想通貨ウォレットサービスを開始

update 2021.08.31 15:26

今月15日から新規口座開設の受付がスタート

日本最大のEコマース企業のひとつである楽天株式会社(本社:東京都世田谷区玉川一丁目14番1号[1])【以下、楽天と称す】は、楽天グループの連結子会社で仮想通貨交換業を運営する楽天ウォレット株式会社が、今年6月から仮想通貨ウォレットサービスの楽天ウォレットを開始することを発表した。[2]

プレスリリースによると、サービスの提供開始に先立ち、今月15日より新規口座開設の受付を開始するようだ。楽天ウォレットでは、独自に開発を進めているモバイルアプリの提供を予定している他、AI技術を採用した自動応答のチャットサービスを導入し、カスタマーサポートの自動化を図るという。この楽天の仮想通貨分野での急な事業展開は、今年3月に金融庁(Japan Financial Services Association, JFSA)から、仮想通貨交換業者の登録認定を受けたことが背景にあるようだ。

楽天の仮想通貨市場への参入は、日本で仮想通貨を基盤とする経済が拡大していることを示している。例えば、仮想通貨取引所を運営する株式会社ディーカレット【以下、ディーカレットと称す】は、JR東日本の交通系決済カードであるSuicaを仮想通貨でチャージするためのプロトタイプシステムの開発に着手したことを発表している。数百万人単位の人が利用するJR東日本の決済システムにおいて、現在のところ、どの仮想通貨が対象となるかは明かされていないが、ビットコイン(Bitcoin)、ライトコイン(Litecoin)、リップル(Ripple)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、イーサリアム(Ethereum)等をサポートすることが予想されている。

その他の企業では、株式会社ビックカメラがビットコインでの支払いを2017年4月から受け付けており、現時点では、売上の1%にも満たないほどしか利用されていないが、新しい技術を採用する姿勢は世界的に評価されているという。ブロックチェーン技術以外では、株式会社みずほ銀行が、Jコイン(J-Coin)という名称の独自トークンの開発を2020年の東京オリンピックを目処に進めている。法定通貨とのペッグ通貨であるJコインは、一般的な仮想通貨とは異なり、ブロックチェーンや分散型台帳といった技術を利用するものではないが、一部コミュニティでは、ビットコインを脅かす存在として期待されているようだ。このように、仮想通貨関連事業が拡大している日本市場は、世界でも注目の市場となっているだけに、今後の動向にも引き続き注目していきたい。

release date 2019.04.02

出典元:

ニュースコメント

楽天グループの積極的な事業展開に期待

およそ135億ドルの時価総額を誇る楽天は、日本を代表するIT企業として世界的に事業を展開しているが、同社の売上は、日本やアジアを中心に利用されるEコマースプラットフォームを根幹としたインターネット事業がその7割近くを占めている。残りの3割は、意外にもフィンテック分野に由来するもので、楽天銀行や先月まで運営されていた取引所みんなのビットコインなどの売上がそれに含まれるようだ。以前から、楽天は、みんなのビットコインでのサービスを停止することを予告しており、この動きは、同社の独自トークンである楽天コインやフィンテックおよび仮想通貨分野での事業拡大のための布石だと噂されていた。新しくモバイルアプリケーションベースの仮想通貨ウォレットサービスをリリースする楽天は、ライトユーザーへの訴求力を高める形となったが、仮想通貨ブームが去った今、どの程度のユーザーを獲得できるかは未知数だと言えるだろう。しかしながら、楽天の仮想通貨事業は、同社のEコマースやその他インターネット事業との親和性が高いため、今後も積極的な展開が期待できそうだ。


Date

作成日

2019.04.02

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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