作成日
:2019.04.02
2021.08.31 15:26
英国・ロンドンを拠点とするフィンテック企業であるFinTech Global Markets【以下、FTGMと称す】が、米国・カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするブローカーディーラー(顧客の委託注文及び自己売買の両方に携わる業者)であるSutter Securities(本社:220 Montgomery Street Suite 468 San Francisco, CA 94104
)を買収したことが明らかとなった。今回、FTGMが買収したSutter Securitiesは、企業の合併・買収(M&A)や公募・私募による資金調達、リストラクチャリング、破産手続きといったコーポレートアドバイザリー業務を強みに持つブティック系(M&Aなど特定分野に特化したサービスを提供する)投資銀行だ。Sutter Securitiesの共同創業者であるBob Muh氏は、引き続きSutter Securitiesの役員として留任すると共に、FTGMの取締役会にも加わる予定とのことである。
今後FTGMは、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】登録下のSutter Securitiesを通じ、SECの規制を遵守した上で、ブロックチェーン技術を基にした証券化商品など広範な商品・サービスを提供する見通しだ。また今回の買収を通じFTGMは、非上場証券の取引活性化を図る代替取引システム(Alternative Trading System)【以下、ATSと称す】を対象としたターンキーソリューション(すぐに利用できるシステム)を開発する意向も持ち合わせているようである。
なお、多くのフィンテック企業やブロックチェーン関連会社が発行するデジタルトークンは証券と見なされ、これらの企業はSECの監督下に置かれている状況である。SECは、ATSを運営する企業がブローカーディーラーとしてのSECへ登録すると共に、FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)のような自主規制機関への加入を求めていることから、今回のFTGMによるSutter Securitiesの買収には、まさにSECの規制に遵守した形で新たな証券サービスを提供する意図があると伺えよう。
FTGMによるSutter Securitiesの買収に際し、FTGMのCEOを務めるRon Reed氏とBob Muh氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
Bob Muh氏とSutter Securitiesの会長を務めるGilbert Matthews氏という、40年以上の長年に亘り投資銀行分野において豊富な経験を誇る両者と協働する機会を得られたことを喜ばしく思っております。彼らが率いるSutter Securitiesと手を組むことで、証券の発行体や投資家といったお客様に対し、サービスの拡充を図ると共に、我が社の成長を加速させることができるでしょう。
Ron Reed, CEO of FTGM - PR Newswireより引用
包括的な投資銀行業務関連サービスを提供すべく、FTGMと協働できることを楽しみにしております。
Bob Muh, Co-Founder of Sutter Securities - PR Newswireより引用
FTGMは、投資銀行の世界に広く精通したSutter Securitiesを買収という形で手に入れ、SECの規制に遵守の下、いち早く専門性の高いサービスを提供することで、更なる顧客取引の拡大が期待できよう。
release date 2019.04.02
今回の買収によって、FTGMは今後、SECの規制に遵守した利便性の高いサービスを提供する見通しだが、その中で、ATSを開発する意向もあるようだ。ATSとは、代替取引システムのことで、非上場証券やICOトークンを含む仮想通貨の取引等の更なる活性化に向けて、多くのフィンテック企業や仮想通貨関連企業も導入の可能性を模索している。ATSについては、取引所での直接的な取引を行わないことから、論理的には、運営企業が従来の取引所として規制で縛られることは無い。しかし実のところは、ATSを運営する企業は、ブローカーディーラーとしてのSECへの登録や自主規制機関への加入等の必要があり、これに関してSECはコメントを控えているのが現状のようだ。これまでSECは、仮想通貨に関しても、資産としての安全性や、投資家や機関投資家のリテラシーを考慮し、証券法の範囲内で規制することを提言していたが、実際SECの議長を務めるClayton氏やPeirce氏は仮想通貨推進派であるといわれている。今後、FTGMはスピーディーに利便性の高いサービスを提供していくにあたり、常にSECの動向に注目していく必要があるだろう。
作成日
:2019.04.02
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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