Select Language

FinTech Global MarketsがSutter Securitiesを買収

FinTech Global MarketsがSutter Securitiesを買収

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
FinTech Global MarketsがSutter Securitiesを買収

update 2021.08.31 15:26

SECの規制に遵守し広範なサービスを提供する意向

英国・ロンドンを拠点とするフィンテック企業であるFinTech Global Markets【以下、FTGMと称す】が、米国・カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするブローカーディーラー(顧客の委託注文及び自己売買の両方に携わる業者)であるSutter Securities(本社:220 Montgomery Street Suite 468 San Francisco, CA 94104[1])を買収したことが明らかとなった。

今回、FTGMが買収したSutter Securitiesは、企業の合併・買収(M&A)や公募・私募による資金調達、リストラクチャリング、破産手続きといったコーポレートアドバイザリー業務を強みに持つブティック系(M&Aなど特定分野に特化したサービスを提供する)投資銀行だ。Sutter Securitiesの共同創業者であるBob Muh氏は、引き続きSutter Securitiesの役員として留任すると共に、FTGMの取締役会にも加わる予定とのことである。

今後FTGMは、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】登録下のSutter Securitiesを通じ、SECの規制を遵守した上で、ブロックチェーン技術を基にした証券化商品など広範な商品・サービスを提供する見通しだ。また今回の買収を通じFTGMは、非上場証券の取引活性化を図る代替取引システム(Alternative Trading System)【以下、ATSと称す】を対象としたターンキーソリューション(すぐに利用できるシステム)を開発する意向も持ち合わせているようである。

なお、多くのフィンテック企業やブロックチェーン関連会社が発行するデジタルトークンは証券と見なされ、これらの企業はSECの監督下に置かれている状況である。SECは、ATSを運営する企業がブローカーディーラーとしてのSECへ登録すると共に、FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)のような自主規制機関への加入を求めていることから、今回のFTGMによるSutter Securitiesの買収には、まさにSECの規制に遵守した形で新たな証券サービスを提供する意図があると伺えよう。

FTGMによるSutter Securitiesの買収に際し、FTGMのCEOを務めるRon Reed氏とBob Muh氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

Bob Muh氏とSutter Securitiesの会長を務めるGilbert Matthews氏という、40年以上の長年に亘り投資銀行分野において豊富な経験を誇る両者と協働する機会を得られたことを喜ばしく思っております。彼らが率いるSutter Securitiesと手を組むことで、証券の発行体や投資家といったお客様に対し、サービスの拡充を図ると共に、我が社の成長を加速させることができるでしょう。

Ron Reed, CEO of FTGM - PR Newswireより引用

包括的な投資銀行業務関連サービスを提供すべく、FTGMと協働できることを楽しみにしております。

Bob Muh, Co-Founder of Sutter Securities - PR Newswireより引用

FTGMは、投資銀行の世界に広く精通したSutter Securitiesを買収という形で手に入れ、SECの規制に遵守の下、いち早く専門性の高いサービスを提供することで、更なる顧客取引の拡大が期待できよう。

release date 2019.04.02

出典元:

ニュースコメント

新サービス提供を模索するFTGM

今回の買収によって、FTGMは今後、SECの規制に遵守した利便性の高いサービスを提供する見通しだが、その中で、ATSを開発する意向もあるようだ。ATSとは、代替取引システムのことで、非上場証券やICOトークンを含む仮想通貨の取引等の更なる活性化に向けて、多くのフィンテック企業や仮想通貨関連企業も導入の可能性を模索している。ATSについては、取引所での直接的な取引を行わないことから、論理的には、運営企業が従来の取引所として規制で縛られることは無い。しかし実のところは、ATSを運営する企業は、ブローカーディーラーとしてのSECへの登録や自主規制機関への加入等の必要があり、これに関してSECはコメントを控えているのが現状のようだ。これまでSECは、仮想通貨に関しても、資産としての安全性や、投資家や機関投資家のリテラシーを考慮し、証券法の範囲内で規制することを提言していたが、実際SECの議長を務めるClayton氏やPeirce氏は仮想通貨推進派であるといわれている。今後、FTGMはスピーディーに利便性の高いサービスを提供していくにあたり、常にSECの動向に注目していく必要があるだろう。


Date

作成日

2019.04.02

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからコインチェックに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについても解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.17 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル