Select Language

インフルエンサー頂上決戦

アマギフ3,000円が当たる

重大な脆弱性の発見によりイーサリアムのハードフォークが延期

重大な脆弱性の発見によりイーサリアムのハードフォークが延期

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
重大な脆弱性の発見によりイーサリアムのハードフォークが延期

update 2021.08.31 15:27

スマートコントラクトを対象としたリエントランシー攻撃の危険

イーサリアム(Ethereum)の次期ハードフォーク計画であるコンスタンティノープル(Constantinople)だが、重大な脆弱性が発見されたとして、実施まで遅れをとっていることが明らかになった。

スマートコントラクトの監査企業であるChainSecurityの発表によると、コンスタンティノープルでのアップデート項目であるEPI(Ethereum Improvement Proposal)1283にバグが発見され、ハッキングにより利用者の資金が不正に流出する危険性があるという。[1]これに関して、イーサリアムの考案者として知られるVitalik Buterin氏や開発者のHudson Jameson氏、Nick Johnson氏、Evan Van Ness氏、パリティ管理者のAfri Schoedon氏などの主要な参加者を交えて、オンライン会議が開かれたが、もともとハードフォークが予定されていた1月17日までに、この問題を解決することは不可能だとの結論に至っている。問題の調査が終わるまでは、ひとまずイーサリアムのハードフォークを延期することが決まったが、新しい予定日は未定となっており、18日に再度開催される開発者会議で協議されるという。

今回、問題となっている点は、ブロックチェーンを利用して自動的に契約を履行する機能であるスマートコントラクトのセキュリティで、リエントランシー攻撃というハッキング行為に対して、耐性がないことが指摘されている。リエントランシー攻撃とは、同じコードを何度も繰り返し実行することが可能なシステムの脆弱性を突く手法で、理論的には、永遠に資金を送金する命令を出し続けることもできるという。イーサリアムのスマートコントラクトには、稼働中にエラーが起きた際に契約の履行を中断してやり直すフォールバック関数という、安全装置のようなものが内蔵されているが、これを悪用して、利用者が意図的にエラーを起こせば、送金が繰り返し実行される状況を作り出すことも可能だ。このリエントランシー攻撃は、2016年に発生した有名なDAO事件と呼ばれるハッキングでも利用された手法だと言われている。

イーサリアムは、トランザクションを完了させるための手数料、すなわちマイニング報酬としてガス(Gas)と呼ばれるトークンを採用している。資金の送金やスマートコントラクトの利用など、その他のイーサリアムのシステムを利用するためには、このガスを支払う必要があるが、コンスタンティノープルの方向性として、手数料の減額が決定しており、それが脆弱性を招く根源になっているようだ。これまで、スマートコントラクトを稼働させるには、5,000ガスが必要だったが、アップデート後にはこれが200ガスにまで引き下げられる。フォールバック関数は、2,300ガス以上の処理ができないようになっているため、この機能を悪用されることはなかったが、ガスの大幅な低減で今回のような懸念が生まれている。

昨年行われる予定だったコンスタンティノープルへのハードフォークは、前回もテストネットへの実装で問題が見つかるなど延期が続いている。問題続きのイーサリアムだが、仮想通貨市場に与える影響が大きいことから、万全な体制で無事アップデートにこぎつけてほしいところだ。

release date 2019.01.16

出典元:

ニュースコメント

ハードフォークの延期で仮想通貨価格が軒並み下落

2016年6月に発生したDAO事件は、約65億円を越える被害総額を記録し、最終的には、イーサリアムの分裂にまで至るなど、第二のマウントゴックス事件と呼ばれるほどの大きな騒動となった。このような悲惨なハッキング被害の可能性を考慮すると、安全面に配慮してハードフォーク延期の決定をした開発チームは、聡明な判断を下したと言えるだろう。しかしながら、ハードフォークの遅れによる影響は、イーサリアムの価格にも如実に現れており、仮想通貨市場全体にまで波及しているようだ。2019年に入って、昨年末から一転して好調を維持していた仮想通貨市場だが、コンスタンティノープルの延期が発表された16日、ビットコイン(Bitcoin)を中心とする主要通貨は軒並み大幅に値を下げている。とりわけ、その原因となっているイーサリアムは、6%の下落を記録して、他の仮想通貨よりも売り優勢の状況にある。イーサリアムのハードフォーク計画は、今後のPoS(プルーフオブステーク)へのアルゴリズム移行などの布石となっているため、早急な巻き返しが求められるだろう。


Date

作成日

2019.01.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00

豪華なのに難しい?XMTradingが開催中のクリスマス入金ボーナスプロモーションは「アリ」なのか?

XMTradingで最大$25,000を獲得できる入金ボーナスキャンペーンが開催され注目を集めています。一見すると豪華なキャンペーンにみえますが、一般的な入金ボーナスとは条件が異なり、一部では条件が厳しいとの声もあります。本記事では、参加する価値のあるイベントなのかを説明します。
update2025.11.26 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingが年末トレード大会を開催!ランク外でも賞金獲得のチャンスあり

Vantage Tradingが、年末恒例となる大型トレード大会「年末ミリオンジャンボ2025」の開催を発表しました。今回のイベントでは副賞も用意されているので、ランク外でも賞金獲得のチャンスがあります。この記事では、参戦を検討しているユーザー向けに、各種条件やルールを説明します。
update2025.11.28 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

仮想通貨送金対応のBXONEは「使える」eウォレットなのか?海外FXユーザー目線で比較

仮想通貨対応オンラインウォレットとしてBXONEが一部の海外FXユーザーの間で注目されています。本記事では、BXONEが「使える」オンラインウォレットなのか海外FXユーザー目線で他社と比較します。
update2025.12.09 19:00
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル