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ロシア中銀、複数ブローカーのライセンス剝奪

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update 2022.01.27 17:03
ロシア中銀、複数ブローカーのライセンス剝奪

update 2022.01.27 17:03

2019年1月27日までに業務停止及び預かり資産返却の必要性

ロシア中央銀行は、複数のブローカレッジ企業のライセンスを剝奪し、自国のリテールFX業界から一掃する決断を下した。この長きに亘り物議を醸す可能性の高い決定を下したことで、規制下にあるロシアFX業界は、ロシア地盤の主要銀行が支配する競争原理の働かない市場へと成り下がる可能性が現実のものとなった。

今回ライセンスを剝奪されたブローカーは、AlpariとTeleTrade、InstaForex、そしてForex Clubであるが、その一方で、数日前にはロシアを地盤とする金融コングロマリット(複合企業)Alfa Group傘下のFX・CFDブローカーであるAlfa Forex(本社:5 Themistoklis Dervis, Elenion Building, 2nd Floor, 1066, Nicosia, Cyprus[1])に新たにライセンスが付与されている。ロシア中央銀行による決定は、1か月前通知(one month notice)が適用され、今回ライセンスを剥奪されたブローカーは、2019年1月27日までに全ての業務を停止すると共に、預かり資産を顧客へ差し戻さなければならないとのことだ。

この決定はまさしく民業圧迫のように見えるが、この強引で突発的なやり方こそ、ロシア規制当局が伝統的に用いる独裁主義的手法と言えよう。ロシア中央銀行では、ライセンス剥奪の理由として、ロシア中央銀行が定める指針への違反やリスクマネジメントの欠如などを挙げると共に、ライセンス剥奪に至ったブローカーのトップ経営陣の個人名の公表も行っている。ロシア中央銀行がここまで強硬姿勢を貫くことを勘案すると、ロシアのFX業界は、ロシア政権に近い個人によって経営される巨大企業の支配力を強めようとしていると伺えよう。

一方、ロシアの地でブローカレッジ業務を営むべく、ロシア中央銀行より公式ライセンスの取得を模索していた全ての海外FXブローカーにとっては、失望となる決定と言える。なお、ロシアでは自主規制機関として機能していたCRFINが、規制当局により事実上解体され、現在はAFD(Association of Forex dealers)へと鞍替えしており、規制当局の独裁を制限することは期待できないと考えられる。

なお、ロシアのFX業界にロシア中央銀行の介入の手が及ぶ中、ロシアの投資家は、競争原理を失ったロシア市場からオフショア市場へと関心をシフトさせている。また、複数のロシアを地盤とするブローカーもロシア国外に新たなビジネス機会を求め、オフショア市場に事務所を開設する動きが見受けられている。

ロシア中央銀行としては、規制の抜け穴を防ぐことよりも、これまで以上に独裁的に業界全体を支配する道を選んだと言え、この度ライセンスを剥奪されたブローカーにとっては、グローバルベースで事業の再構築を図らざるを得ないと言えるだろう。

release date 2018.12.28

出典元:

ニュースコメント

ロシア中銀による独裁的な規制が今後の動向に不透明感を残す

ロシア中銀によれば、今回ライセンスが停止になった5社のFXブローカーは、ロシアの証券取引法や規制ルールに対し繰り返し違反を犯したことにより、ロシア市民へリスクを増大させたことが背景にあることを明らかにしており、その中で、中央銀行が出した指示への違反行為や誤った内容の情報提供、不適切な内部会計、さらにはWebサイトへ誤った情報を掲載する等の不適切なリスク管理を行った等の違反行為を指摘している。ロシア中銀の証券及び商品市場部門長のLarisa Selyutina氏は、ロシア国外の外国為替市場で活動する有名ブランドを持つ大手外国為替ディーラーの子会社は、中央銀行の免許を広告として使用し、積極的にロシア市民を外国為替市場に巻き込んだことが今回の決定の背景にあることを明言しており、本決定が単なる規制違反にとどまらないことを伺わせる。今回規制の対象となったAlpari社は、ライセンス剥奪に関しロシア中銀に訴訟を行うための準備をしていることを明らかにしているが、この独裁主義的なロシアの規制体制に打ち勝つのは容易ではないだろう。このような中、ライセンスを認められたAlfa Forex社を含め、ロシア国内で営業する国外資本の大手FXブローカーのうち、4社はライセンス停止の対象外となり、引き続き営業を続けるとしており、規制当局は外国資本のFXブローカーを一律で排除するのではなく、言わば選別した格好だ。ただし、この他にロシア国内では地元メガバンク傘下のFXブローカーの存在もあり、今回の決定が施行された後はロシア国内資本によって国内市場が支配されるとの見方も強い。そのため、ライセンス停止の対象とならなかったFXブローカーについても、今後の動向次第では事業に影響が出ることも考えられることから、引き続きロシア国内の規制動向には注意していきたい。


Date

作成日

2018.12.28

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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