作成日
:2018.12.19
2022.05.30 10:36
大手海外FX・CFDブローカーであるFXCM Group, LLC(本社:20 Gresham Street, 4th Floor, London EC2V 7JE, United Kingdom
)【以下、FXCMと称す】が、中東最大のデリバティブ商品取引所を運営するドバイ金商品取引所【以下、DGCXと称す】と覚書(MoU)を交わしたことが明らかとなった。この度のMoU締結は、2018年12月初頭にFXCMのロンドン本社にて行われ、両社は向こう数か月の間に、DGCXの取引所向けに新たなFX関連金融商品をリリースする意向だ。DGCXでは現在、175を超える取引所会員向けに、FX関連金融商品サービスとしてはFX主要通貨ペアと新興国通貨先物取引サービスを提供している。
覚書締結に際し、FXCMのマネージングディレクターであるMario Sanchez-Wandemberg氏とDGCXのCEOであるLes Male氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
DGCXとのパートナーシップ契約により、我が社にとって中東市場進出への扉が開かれたと確信しております。中東市場で最有力のデリバティブ商品取引所であるDGCXと協働することで、革新的な新商品を提供すると共に、多岐にわたるビジネスチャンスが溢れていることを大変喜ばしく思っております。DGCXと今後様々なビジネス機会を共有していけることを楽しみにしております。
Mario Sanchez-Wandemberg, Managing Director of FXCM AP NEWSより引用
FXCMとのMoU締結は、我が取引所に参加するグローバル投資家に加え、地場銀行や商社といったお客様とも新たな取引機会を生み出すものと思われます。また、FXCMと我が社が相互の顧客基盤を活用することで、我が社のサービスをグローバルに利用して頂くための第一歩を踏み出せると考えております。
Les Male, CEO of DGCX AP NEWSより引用
中東地域は、多くのブローカーにとって最大の注目を集める市場になりつつある。欧州当局が導入した新規制の影響もあり、数多くの企業がドバイにてビジネス展開を図ろうとしているのだ。そのため、過去数か月の間でドバイの規制ライセンスは取得すべき付加価値の高いライセンスへと変貌している。今回、中東最大のデリバティブ商品取引所を運営するDGCXと手を組んだFXCMにとっては、数多くのビジネス機会に恵まれることが期待されよう。
FXCMは、先週シンガポールを拠点にデリバティブ商品取引所を運営するAPEX Exchangeとも覚書を交わしており、新たに革新的な金融商品をリリースする意向であることを表明している。この度のDGCXとのパートナーシップ契約も含め積極的にグローバル展開を図る中、FXCMの業績拡大にどの程度結びつくか今後のビジネス展開が注目される。
release date 2018.12.19
EU(欧州連合)加盟28ヶ国の金融市場を調和する為に制定された法令である金融商品市場指令(MiFID)を避けるために、近年、英国に上場しているブローカーの多くが中東に進出している傾向がみられる。インドやパキスタンでは、小売FXが禁止されているものの、ブローカーは中東からアフリカ、インド半島への事業範囲を容易に拡大することができる。また、石油大国である中東は、資本的収入や自由に使える資金において、力強い経済成長をしているため、CFD取引などへの規制が高まる英国とは異なり、中東は発展したオフショア市場、自由貿易圏、国際的に認知されている規制された環境がある為、多くのブローカーにとって魅力的なマーケットとなっている。中東進出に一早く力を注いでるFXCMはAPEX社とMoUを締結したことを発表したばかりであり、今後さらなるグローバルなサービス拡大に期待したい。
作成日
:2018.12.19
最終更新
:2022.05.30
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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