Select Language

OKEx、ビットコインキャッシュ先物を強制決済

OKEx、ビットコインキャッシュ先物を強制決済

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
OKEx、ビットコインキャッシュ先物を強制決済

update 2021.08.31 15:27

ビットコインキャッシュ分裂によるリスク回避で投資家に損害を与える

世界でも人気の仮想通貨取引所であるOKEX Technology Company Limited(本社:255 Gloucester Road, Causeway Bay Hong Kong[1])【以下、OKExと称す】は、合計1億3,500万ドル相当のビットコインキャッシュの先物取引を強制的に決済したことが原因で、一部投資家が損害を被っていることが明らかになった。OKExは、ビットコインキャッシュが分裂することによる影響を受けて強行な動きに転じたという。

OKExの説明によると、ビットコインキャッシュのハードフォークに伴い、スポット市場と先物市場でボラティリティの高まりが観測されており、同社はさらなる価格の乱高下を予測していたようだ。数日前、ビットコインキャッシュは、Bitcoin Cash ABCとBitcoin Cash SVという2つの異なる仮想通貨に分裂したが、実際にOKExの予測通り価格は大幅に下落している。これを受けて、OKExは、権利行使日前に先物取引の強制決済に踏み切っており、あるファンドマネージャーが70万ドルの損失を報告するなど、大規模な被害につながっているようだ。

謝罪と合わせて、OKExは、いくつかの質問に答えており、なぜ最終取引価格を決済の価格として選んだのかに対しては、Bitcoin ABCが十分な市場深度と取引量を確保できておらず、指数を構成するには不十分であったと回答している。また、投資家への事前通告がなかった点に関しては、市場操作的な行動やユーザーの損出を拡大する可能性を考慮して、市場の公平性と安定性を保つことを優先したことで、急な知らせとなってしまったという。

先物取引は、投資家が先物契約に合意することによって、特定の価格で対象となる商品を将来的に購入することを約束するものだ。その利点は、実際に資産を保有することなく価格変動から利益を得るところにあり、他の金融デリバティブと同様に、契約自体を取引することもできる。株などとの違いは、取引の結果、対象となる資産が償還されることはない、という点だ。一部の企業は、ビットコイン先物市場に連動したビットコインETF(Exchange Traded Funds )の販売を考えているというが、これまでに米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)はそれらの商品を認めていない。ビットコイン先物は、その価格変動の激しさから、他の先物商品よりも厳しい制限があり、少数の金融機関のみしか提供していないという。デリバティブを原資産とするデリバティブに関しては、特に不安定であり、リスクが大きすぎると考えられている。

OKExがこのような事態を巻き起こし、顧客の信頼を失ったのは今回が初めてのことではない。2018年3月には、ほとんどの取引量が偽装されたのではないかと疑いをかけられており、OKExはそれを否定しているが、ある仮想通貨トレーダーにより明確な証拠が突きつけられている。8月には、別のトレーダーがOKExが4億6,000万ドルもの損害を出したにも関わらず、同社の保険が7万5,000ドルしか補填せず、非難されている。香港を拠点とするOKExは、今年に入り海外市場へも拡大しているが、提供するビットコインとビットコインキャッシュの先物取引は、どこの承認なども受けていないという。

release date 2018.11.20

出典元:

ニュースコメント

リスクヘッジの役割を放棄したOKEx

今回のOKExの例を見ると、ビットコインキャッシュのハードフォークが全ての元凶となっているが、過去の例から見ても、ハードフォーク後の価格の激しい変動はある程度、予測できただろう。今月初めには、OKExやBinance、Huobiなど、アジアからの投資が流れ込んだことにより、ビットコインキャッシュの価格が一時的に12%の高騰を見せたことが報じられた。その後は、価格の勢いが見事に反転し、下降線を辿っており、典型的な高ボラティリティの様相を示している。このようなハードフォーク関連の展開を見越して、危険を察知した投資家は、事前に投資を引き上げるなどして対処しているが、ポジションを決済することを嫌った投資家はリスクヘッジを試みているようだ。先物取引やオプションといったデリバティブは、その特性からリスクヘッジに適しており、おそらくOKExのビットコインキャッシュ先物も同様の目的で利用されていたことは想像に難くない。今回の件に限っていえば、OKExは、リスクヘッジを期待した投資家の思惑を完全に裏切っており、信頼が大きく揺らいでいると言えるだろう。


Date

作成日

2018.11.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル