作成日
:2018.11.16
2022.01.27 17:21
オンライン決済サービス会社であるペイセーフグループが運営するSkrill(本社:Floor 27 25 Canada Square London E14 5LQ United Kingdom
)が、EU(欧州連合)域内でサービス提供を行うブローカーに対し、金融サービスライセンスのコピーを提示するよう求めていることが明らかとなった。Skrillが11月12日の週初よりブローカーに送付した通知書を精査すると、Skrillが指す金融サービスの中には、欧州当局が規制強化を掲げているバイナリーオプションやCFDが含まれており、11月16日までにライセンスのコピーを送るよう記載されている。また、金融サービスライセンスのコピーを求めるのに伴い、直近にSkrillの決済規則やカードスキーム規定の変更も行った模様である。加えて、英国在住の顧客にバイナリーオプションを提供しているブローカーに関しては、英国金融行動監視機構(The Financial Conduct Authority, FCA)発行のライセンス提供が求められているとのことだ。
なお、Skrillからの通知を受け取ったブローカーがこれらの対応を行わない場合、Skrillは対象ブローカーのEU及び英国のマーチャントアカウントを制限する意向である。すなわち、11月30日より、EU・英国にて登録されたSkrillの顧客は、未対応のブローカーへ資金を移すことができなくなる見込みだ。この場合、ブローカーは、Skrillの規制開始から14日間は顧客への資金返却が可能となるが、12月中旬以降は顧客に対し別の方法による資金引き出しを求める必要がある。さらにSkrillは、EU圏内の顧客に対する入金オプションを外すと共に、ブローカーのウェブサイト内で決済企業として同社の会社ロゴやバナー広告を掲載している場合、削除することも求めている。これら一連の取締り強化策から勘案するに、Skrillが欧州圏内でサービス展開を図る未認可ブローカーを、自社のサービス対象から完全に外す意向であることが伺えよう。
クレジットカード会社大手のマスターカードやVISAは無認可ブローカーを規制することを発表しており、欧州圏内の顧客保護を目的としたEU当局による新たな規制枠組みのもと、規制当局と協力体制を敷いているが、Skrillもその流れに同調した形と見える。
Skrillが規制当局への協力体制に加わったことにより、同じくオンライン決済サービス会社であるペイセーフグループが運営元となる、デジタルウォレットサービスを提供するNETELLER(本社:3rd floor, Queen Victoria House, 41-43 Victoria Street, Douglas, Isle of Man 1M1 2LF
)や、WebMoney(本社:Vytenio g. 4, LT-03113 Vilnius, Lithuania )、Fasapay(本社:435 Orchard Road 11/F Wisma Atria Singapore 238877 )、そしてスウェーデンの金融サービスプロバイダーであるKlarna(本社:Klarna AB Sveavagen 46 SE-111 34 Stockholm Sweden )が買収したSofortといった他の決済サービス会社もこの流れに追随する可能性は十分あろう。加えてEU規制当局も、未認可ブローカーからEU圏内の投資家を保護する規制策を積極的に打ち出していくことが予想される。release date 2018.11.16
Skrill(スクリル)とは、2001年に英国のMoneybookersが設立し、FCAの認可のもと、オンライン資金移動サービスを提供する会社である。Skrillのサービスは電子メールアカウントとインターネットを利用するが、24時間、安全かつ手軽に資金移動することが可能であり、手数料も抑えられていることから、オンラインゲームサイトへの送金や、オンラインショッピングの決済、個人送金を行う手段として、世界的に利用されている。そして、海外FXブローカーへの入出金手段としても大変よく使われているため、この度のSkrillの規制強化は、欧州で事業を営む未認可ブローカーへ大きな影響を及ぼすことになるだろう。また、他の決済サービス会社もSkrillに追随する可能性が高く、未認可ブローカーは顧客の入出金について早急に見直しする必要に迫られそうだ。なお、2015年8月にはSkrillはNETELLERの運営会社に買収され、その後、日本におけるサービスが縮小傾向となり、2016年10月には日本居住者へのサービスが停止されている。
作成日
:2018.11.16
最終更新
:2022.01.27
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー