作成日
:2018.11.02
2021.08.31 15:22
取引システム統合専門の金融プロバイダーであるGold-i(本社:10 Medawar Road, Surrey Research Park, Guildford, Surrey GU2 7AE United Kingdom
)は、MetaTrader5【以下、MT5と称す】プラットホームを提供するブローカー向けに、次世代のCrypto Switch(仮想通貨スイッチ)2.0をリリースしたことを発表した。Crypto Switch2.0では、仮想通貨CFD取引と仮想通貨の現物決済を可能とする機能が追加されており、ブローカーは費用対効果が良く効率性の高いチャネルを活用して、顧客に仮想通貨取引サービスを提供できるようになる。また、Crypto Switch 2.0を活用するブローカーは、Gold-iのMetaTrader4・MT5ブリッジ商品を利用して、プライシングを求めたり注文執行を行ったりするために、世界でも有数の仮想通貨取引所やリクイディティプロバイダーへアクセスすることも可能である。加えて、Crypto Switch 2.0には、仮想通貨の現物決済が可能なため、ブローカーはたった1社に資金を預ければ良くなり、顧客に仮想通貨関連の高いリクイディティを供給できると共に、仮想通貨市場を取り巻くリスクを完全にヘッジすることが可能となる。
Gold-iは、アイルランド・ダブリンを拠点とする仮想通貨関連の決済機構であるFXCH(本社:50 City Quay Dublin, 2 Ireland
)とパートナーシップ契約を締結したことで、仮想通貨の現物決済を可能とすると共にCFD取引商品を提供することができるようになった。ブローカーにとっても、B2C2やBluefire Capital、DV Chain、そしてHehmeyerといった世界最大の仮想通貨関連マーケットメイカーの4社を統合した形で、仮想通貨取引関連の資金フローをヘッジすることが可能となる。Crypto Switch 2.0のリリースに際し、Gold-iのCEOであるTom Higgins氏は、以下のようにコメントしている。
FXCHは、まるでFX業界のプライムブローカーのような役割を果たす仮想通貨関連清算機構であります。ブローカーはCrypto Switch 2.0を活用することで、FXCHがカウンターパーティとなり、プライムブローカーが行うリスク管理や各仮想通貨関連マーケットメイカーへのエクスポージャーを低減させる役目を担いますので、安心して資金を託すことができるかと思われます。我々は、Crypto Switch 2.0を開発したことで、ブローカーにとって仮想通貨関連のリクイディティを高めることに加え、現物とCFD決済を可能とする新たなビジネスモデルを構築いたしました。これにより、従来は収益機会として捉えることができなかった仮想通貨関連プライムブローカーとしてサービスを提供することが可能となるでしょう。マーケットメイカーは仮想通貨関連の取引資金を増やすことができ、仮想通貨取引所も取引を拡大させることが期待できるため、まさにグローバルベースで拡大の余地が大きいビジネスモデルであり、MetaTrader関連の分野ではこれまでどの企業も手掛けていない高付加価値なサービスを提供できると考えております。
Tom Higgins, CEO of Gold-i - FinanceMagnatesより引用
Gold-iが現物取引サービスを提供し始めた主な理由として、夏場以降の仮想通貨市場のボラティリティの低下や、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)による新規制の導入に伴いCFD取引の最大レバレッジが2倍に設定されたことを受け、仮想通貨CFD取引が減少としていることが挙げられる。また、10月29日に、FCAも仮想通貨CFD取引を禁止する意向である公式声明を発表しており、Gold-iとしては時機を得たタイミングで新規制に対応したサービスの提供を行うこととなると言えるだろう。ただし、仮想通貨CFDは依然注目の金融商品であり、世界中のトレーダーが取引をしていることから、グローバルベースでサービス展開するブローカーにとって、欧州規制当局が打ち出す新規制の影響は大きなものでないと考えられ、Gold-iも引き続き仮想通貨CFD関連サービスを提供していく意向である。
release date 2018.11.02
Gold-iは、取引統合システムを開発するグローバルな企業であり、MetaTraderとブローカーや取引所を結びつける柔軟性の高い流動性ブリッジや、リスク管理ツールなどの提供により、世界のリテールFX市場を大きく変化させている。Gold-iは、MetaTrader環境を効率的かつ効率的に運用するために、ブローカー向けのITインフラストラクチャやテクノロジーサポートも行っており、優れた製品とサービスをもとに、ヨーロッパ、米国、アジア、オーストラリア、中東において、著名なブランドを含む顧客基盤を急速に拡大している。また、Gold-i製品はスケーラビリティが高く、クライアントごとの調整が可能であるため、世界中の小売や機関投資家の資産クラスとも連携を行っている。なお8月には、Gold-iは日本進出することを発表しており、World Markコンサルタントと提携して日本でCrypto Switchの売り出しを目指すという。今回追加された仮想通貨CFD関連サービスなど、革新的な製品の提供を続けるGold-iの今後のさらなる成長が期待される。
作成日
:2018.11.02
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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