Select Language

Direct FXが破産

Direct FXが破産

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.07.18 17:06
Direct FXが破産

update 2022.07.18 17:06

残余財産は顧客と債権者へ分配される見込み

オーストラリア・シドニーを拠点とするFXブローカーであるDirect FX Trading Pty Ltd(本社:Level11, Suite 2 10 Bridge Street Sydney, NSW 2000, Australia[1])【以下、Direct FXと称す】が、10月11日付で破産していたことが明らかとなった。

オーストラリアの規制当局であるオーストラリア証券投資委員会(the Australian Securities and Investments Commission)【以下、ASICと称す】は、Direct FXによる数々のコンプライアンス違反に加え、不測の事態に備えるための十分な現金・現金同等物が不足していること、そして事業再建のために求められる重要人物の改任を行わなかったことを理由に、2018年4月にはASICライセンスを停止していた。

これを受けDirect FXは、現在新規の申し込みを受け付けていないことや、既存の顧客は保有するポジションをクローズするために必要な範囲でのみ取引することが可能なことを公式サイトのトップページにて通知している。加えて、ASICの承認が下りビジネスを再開できるまでは、アドバイザリー業務、ディーリング業務、マーケットメイキング業務の全てを停止することを通知している。[2]

なお破産管財人には、デロイトトーマツグループ・オーストラリアのリストラクチャリングサービス部門のパートナーJason Tracy氏が任命された。Tracy氏の考えでは、完全に会社を解散し、残余財産を顧客とDirect FXの債権者に返還する計画である。

release date 2018.10.17

出典元:

ニュースコメント

Direct FXの破産までの経緯と今後のブローカー各社の発展に期待

Direct FXは、2006年オーストラリア証券投資委員会(ASIC)ライセンスを取得し設立された海外FXブローカーである。日本の金融庁と同様、ASICは金融規制が厳しいことでも広く知られており、その厳格さは世界の規制当局の中でもトップクラスである。ASICは今年4月、Direct FXのライセンスをおよそ7か月間停止することを発表し、今月17日までに改善するよう通知していた。昨年10月、Direct FXに重大な違反が発覚し、これにより同社の一部の株主と経営陣が会社から去ってしまうという出来事が起こり、その後同社は次の経営者を確保できない時期が長く続いていた。これを受けてASICは状況の改善指令を出していたが、同社から積極的な対応は見られなかったとして、ASICが定める有形純資産条件を満たしていない、経営再建のための経営陣の確保ができていないことなどを理由に、ライセンスの停止を通告していた。これによりDirect FXは、期限である今月17日までに資産状況の改善と経営陣の確保を行わなければいけなかったが、残念ながら完全に会社を解散し、残余財産を顧客と債権者に返還する決定に至ったようだ。海外FXブローカーの中では、昨年FXCMグループの持ち株会社であるGlobal Brokerageが破産を申請した他、その数か月前にはGallant Capital Marketsも破産を発表している。また、今年8月に発表されたESMAの新規制に伴い、ブローカーの顧客獲得競争が激化しているなか、ブローカー各社では生き残りをかけ様々なマーケティング戦略を立てなければならず、今後も熾烈な競争から脱落したブローカーの倒産はでてくるかもしれない。しかしながら、海外のブローカーには、日本のブローカーにはない魅力やメリットに人気があるゆえ、厳しい環境下でもさらなる発展を期待したいものである。


Date

作成日

2018.10.17

Update

最終更新

2022.07.18

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル