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ペイパルがiZettleの買収を発表

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update 2021.08.31 15:22
ペイパルがiZettleの買収を発表

update 2021.08.31 15:22

実店舗でのペイパル決済の導入を拡大させる狙い

オンライン決済サービス大手のPaypal Holdings(本社:2211 North First Street San Jose, California [1])【以下、ペイパルと称す】は、9月20日、スウェーデンのモバイル決済サービスを手掛けるベンチャー企業iZettle(本社:Regeringsgatan 59 111 56 Stockholm[2])を買収したことを明らかにした。買収額は22億ドルで、ペイパルにとって過去最大規模の買収額となる。

この買収をきっかけに、ペイパルはヨーロッパとラテンアメリカの11の市場でプレゼンスの向上を図る。また、決済市場の競争が激しさを増す中、ヨーロッパでの地位を確固たるものとするとともに、グローバルベースで実店舗でのペイパル決済の導入を促す狙いがあるようだ。

ペイパルは今後の動きとして、iZettleがストックホルム証券取引所への上場を目指し、グローバルベースで事業拡大を図る計画をサポートしていく考えだ。iZettleの共同設立者であるJacob de Geer氏はペイパルグループの一員になるが、引き続き現職のCEOに留まり、両社は別々にサービス展開を図る見通しだ。

今回の買収内容についての詳細は明らかにされていないものの、ペイパルのCOOであるBill Ready氏は以下のようにコメントしている。

我々はiZettleをペイパルグループに迎え入れられたことを喜ばしく思っております。また、今後、中小企業のお客様に対し、我々の決済サービスを広く提供していけることに大きな期待を抱いております。また、iZettleの技術を活用することで、オンライン、実店舗、モバイルのいずれを利用しても、それにマッチした商品・サービスを提供することが可能となります。この度の統合により、規模に関わらず、すべての企業へペイパル決済ツールを提供するという、我々の大きな目標に向かって一歩前進したといえます。

Bill Ready, chief operating officer, PayPal - Business Wireより引用

iZettleは2010年にスウェーデン・ストックホルムで設立され、ヨーロッパの中小企業向けにスマートフォンやタブレットにつなぐことができるクレジット・デビットカードリーダーを販売している他、POSシステムや請求書作成ソフト、ビジネスローンなども手掛けている。

一方、ペイパルにおいては、決済市場の競争が激しさを増す中、実店舗向けデジタル決済ツール用のICカードリーダーを開発するSquare(本社:1455 Market Street, Suite 600 San Francisco, CA 94103, USA[3])や米国アップル、また韓国サムスンなど決済サービスを提供する企業と激しい競争を繰り広げている。

release date 2018.9.21

出典元:

ニュースコメント

ペイパルの事業拡大に向けた大きな賭け

ペイパルが、米国外でのスモールビジネスやマーケット向けの店頭決済分野でこれまでになく大きな賭けに出る。この度、ペイパルはiZettleの買収を発表したが、この動きは、ますます競争が激化する決済市場に君臨するSquareやStripeなどの大手企業に対する攻勢であることが伺える。iZettleはストックホルム拠点の決済プロバイダーで、"欧州のSquare"と称されており、北欧やメキシコを含む12のマーケットで事業を展開している。中でも、ブラジルやデンマーク、フィンランド、ノルウェイ、スペイン、スウェーデンでのオフライン(実店舗)分野へのサービス展開において劣勢な立場となっているペイパルにとって、今回の買収が未開拓な市場参入への大きな足掛かりとなる。過去最大規模となる22億円を投資したことからも、ペイパルがその価値を高く評価したことが伺える。さらに、iZettle は英国でも大きく事業展開しており、競合するSquareが英国に進出した場合でも、それに対抗することが可能である点も見据えているに違いない。 ペイパルにとってiZettleの買収は、欧州での事業拡大と、オンラインショップと実店舗それぞれでペイパルの独自モバイル決済を広めることが大きな狙いとなる。これによりSquareとの戦いが一段と激しさを増すことは間違いない。ペイパルの大きな賭けが吉と出るか、今後の展開に注目したい。


Date

作成日

2018.09.21

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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