Select Language

ブローカー各社、Googleによる広告認証の厳しい審査に直面

ブローカー各社、Googleによる広告認証の厳しい審査に直面

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 17:43
ブローカー各社、Googleによる広告認証の厳しい審査に直面

update 2022.01.27 17:43

新規の顧客獲得戦略の再考を迫られる

今年に入り監督当局が次々と繰り出す規制策により、コンプライアンス遵守のためのコストが増加し、ブローカー各社が経営存続に関し危機感を抱いていることが明らかとなった。

今年1月に、取引の透明性と投資家保護を目的をとした第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive II, MiFID II)の施行以降、EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation, GDPR)やグローバル外為行動規範(FX Global Code of Conduct)、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)による新たな規制枠組みが矢継ぎ早に導入されたことから、FX・CFD業界では多くの新規制策への対応に迫られている。

更には、これでは不十分とばかりに、世界最大の検索エンジンを運営する米国IT企業大手のGoogle LLC(本社:1600 Amphitheatre Parkway Mountain View, CA 94043 United States[1])【以下、Googleと称す】は、企業に対しアドワーズ広告を利用する際に、事前にGoogleからの認証を必須とするプロセスの導入を決定している。業界全体で規制強化の流れとなる中、このGoogleによる広告掲載の認証プロセスの導入は、ブローカー各社にとって今後いかに新規顧客を獲得するか戦略を再考せざるを得ない状況を作り出している。ただしそのような環境下でも、既に広告掲載を希望するブローカーのなかには、Googleから認証を受けるための申請を行っているところもあれば、監督当局に最新の施策動向を探っている企業も出てきている。

一方、Googleは、ブローカーが掲載する広告コンテンツに関し厳しい審査を適用しているようだ。具体的には、アドワーズ広告の全てのランディングページ(ユーザーが広告をクリックした際に表示されるウェブページ)はGoogleによって事前認証を受ける必要があるほか、掲載ブログやCRM(顧客関係管理)ページ、ウェブ上の様々なページ全てにおいて、厳格な審査基準を満たしている必要がある。また、ブローカーが金融商品サービスに関する広告掲載の認証を得るには、掲載されているコンテンツの文言を全て見直さなければならない。もし、Googleが許可していない文言があれば、認証プロセスに影響を与えることは明らかである。

なお、Googleは広告掲載の認証を与えるか否かについて明確な基準をブローカーへは明らかにしていない。規制当局へのライセンス申請であれば、ブローカーは明確な基準を把握しているが、このGoogleの広告掲載の認証プロセスに関しては不明瞭な部分が非常に多いと言わざるを得ない。また、認証プロセスが、とても厳格である一方、手続きのペースは極めて遅いことから、認証手続きをスムーズに進めるためには、Googleに対しブローカー側からの積極的な働きかけが必要となるようだ。今年はリテールブローカーにとって非常に厳しい年となっているが、この傾向は今後もしばらくは続くことが予想される。

release date 2018.9.21

出典元:

ニュースコメント

Googleの金融サービスに関する広告ポリシー

Googleは、CFD、金融スプレッド、ローリングスポットFX など、投機商品関連の取引形態の金融商品を対象に、限定的な条件下で広告掲載を許可することを発表し、2018年4月から承認申請の受付を開始している。現在複雑な投機的金融商品の広告が許可されている国は、日本、米国、英国、香港、マルタ、ニュージーランドを含む38か国となり、一部の国にとどまっている。また、広告掲載が承認される要件として、現地の金融商品に対する監督当局からの承認を受けていることに加え、その他の法的要件(レバレッジ規制やリスク警告を含む)も満たしている必要があるとされているが、詳細については明確に記載されているわけではないため、現場は対応に混とんとしているようだ。なお、 Googleは2018年6月のポリシー更新で仮想通貨やICOに関する広告の一切の掲載禁止を発表しており、広告規制を強化している。CFDやFX、仮想通貨を提供するブローカーを取り巻く環境は、ますます厳しくなると予想される中、これに対しブローカー各社はどう対応していくのか、引き続き動向を注目したい。


Date

作成日

2018.09.21

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからコインチェックに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについても解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.17 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル