作成日
:2018.06.27
2021.08.31 15:23
ヨーロッパ最大規模の調査会社であるING International Surveys【以下、INGと称す】が、ヨーロッパ、オーストラリア、米国の15,000人を対象に行った調査によると、ビットコインなどの仮想通貨の価値がここ数か月の間で下落が続いているにも関わらず、調査対象者の9%が現在も仮想通貨を保有しており、25%が今後も仮想通貨を保有したいと考えていることが明らかとなった。
また、調査対象者の15%は、仮想通貨で給与を受け取ることに前向きな考えを持っており、さらにその内の3分の1の回答者が、仮想通貨が将来的に投資やオンラインでの支払いのメインになるだろうと考えているようだ。
しかし、このような仮想通貨を有望視している意見とは反対に、調査対象者の3分の1は仮想通貨について聞いたこともないという回答であり、さらにヨーロッパにおける調査対象者の46%は、仮想通貨が株式よりも危険な投資であると回答しているほか、30%は決して仮想通貨を所有するつもりはないと答えている。
INGの行動科学者であるJessica Exton氏は、次のようにコメントしている。
仮想通貨は、多くの人々にとって抽象的な投資であり続けていますが、まだまだ多くの魅力があり、この魅力はヨーロッパにおける長期的な仮想通貨評価への希望の指標となる可能性があります。そのため、今後、仮想通貨が安定して関心が高まれば、仮想通貨の保有率は倍増する可能性があるでしょう。ビットコイン価格は値動きが激しいため予想が難しく、それが人々の関心を高める理由の1つでもありますが、同時にリスクの大きい資産と捉えられるようなネガティブな側面も持ちます。
Jessica Exton, a behavioral scientist at ING
INGは、この度の調査結果が、仮想通貨に対する一般的な考えの変化を示しており、ほとんどの人が仮想通貨に無知であった2017年初頭に比べ、現在では多くの人が仮想通貨を理解しその価値を有望視している事が明確になったと結論付けている。ビットコインや他の仮想通貨に対する人々の信頼性は高く、非効率的な金融システムの国々においては特に仮想通貨は価値があることが示された形となった。アンケート結果のレポートによれば、1人当たりの所得が低い国ではより大きなシェアが仮想通貨への投資や支払いを検討する可能性があるようだ。一方で、INGの世界市場経済学者であるTeunis Brosens氏は、非常に効率的で安価な国内決済システムを持つオランダでは、仮想通貨の将来性について最も懐疑的であることを指摘している。
release date 2018.6.27
作成日
:2018.06.27
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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