作成日
:2018.05.30
2021.08.31 15:23
ポーランド最大の仮想通貨取引所であるBitBay (本社:Kępowa 45, 40-583 Katowice, Poland)は、同国内の銀行での口座開設が不可となったことを理由に、マルタ共和国に移転することを発表した。
2014年に設立されたBitBayは、現在29の仮想通貨を取り扱っており、仮想通貨の価格を提供するCoinmarketcapによると、同社の顧客資金は940万ドルを計上している。しかし、仮想通貨取引に協力的であったポーランド最後の銀行が手を引くことになり、もはや同国内におけるビジネスの継続は難しいと判断したようだ。BitBayは、5月31日よりポーランドの通貨であるズウォティでの取引を中止し、9月17日以降にポーランドから完全に撤退する予定だという。
なお、ポーランド政府の仮想通貨に対する一貫性のない態度は興味深いものがある。ポーランドの主要銀行が取り仕切る信用格付機関は、ブロックチェーン技術を使用しており、政府もブロックチェーン開発の資金提供を行っている。また、政府関係者が仮想通貨ビジネスに携わっているという報告もある。
その一方で、ポーランドのニュースメディアは、2月に同国の中央銀行が人気ユーチューバーのMarcin Dubiel氏に対し、仮想通貨に反対する動画の作成を依頼し、30,000ドルを支払ったことを突き止めている。動画の題名は「I LOST ALL THE MONEY?!」で、主人公の男性が女性と食事した際に仮想通貨による支払いを拒否され、女性はこれは本当のお金じゃないと言い放ち帰ってしまう、という内容である。
そのような背景があるものの、マルタ共和国は仮想通貨ビジネスを自国に引き込みたい考えのようだ。マルタ政府は、業界内での規定制定を約束しており、事実、先週3つの新しい法律を制定している。さらに、今後、数カ月をかけてBitBayの調査を行い、政府関係者と協議を進める方針という。BitBayがマルタ共和国でどのような成長を見せるのか、注目が集まりそうだ。
release date 2018.5.30
作成日
:2018.05.30
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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