作成日
:2018.05.24
2021.08.31 15:23
仮想通貨市場は軒並み大幅な下落基調にあり、ビットコイン(BTC)は直近24時間で4%も下落し、7,846ドル近辺で推移している。また、先週のビットコインの取引量は50~60億ドルの間で推移しており、今月初旬の取引量を大幅に下回った。
イーサリアム(ETH)においては、直近24時間で10%も下落し、618ドルで取引されており、アルトコインの今月の指標がマイナスを示したことで、市場では5月初頭の高騰をひっくり返す結果になるのではないかと懸念されている。
また、この他にもCardano、IOTA、 TRON、そして EOSを含む、主要アルトコインも直近の24時間で軒並み10%近く下落している他、5月初めに1800ドルの高値を付けたビットコインキャッシュ(BCH)も、9%近く下落し、1039ドル近辺で取引されている。 ビットコインキャッシュにおいては、先週のハードフォークでブロックサイズを8MBから32MBに増やした他、これまで無効となっていたオペコードが再有効化されたにもかかわらず、仮想通貨市場全体の下落基調に引きずられた結果となった。
今回の下落の要因の一つに、先日米国とカナダが、不正取引に対する監視や規制強化の動きの一環として、仮想通貨一掃作戦の実施に踏み切ったことがあげられる。北米証券監督協会(NASAA)が主導となって、米国とカナダの40以上の州や地方の監視機関がこの一掃作戦に参加し、既に70件の調査が実施されている。
一方アジアでは、中国の工業情報化部が最近公表した報告書で、ICOやネズミ講、不正行為は、無視できないリスクであると指摘しており、政府主導の調査結果では、421件の疑わしい仮想通貨が見つかっている。
さらには、今週初め、米商品先物取引委員会(CFTC)が、仮想通貨市場に関するより厳格な規制を導入することを明らかにしたことにより、23日にはシカゴ・オプション取引所(CBOE)や、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でも先物価格が下落した。
仮想通貨に対する規制強化の動きはますます高まっており、新しい規制が導入されるたびに、仮想通貨市場がこれに反応する値動きとなっているようだ。
一方、仮想通貨市場への資金流入を促進するために、現在、機関投資家向けのカストディアンサービスを提供する動きが進んでいるものの、多くの金融機関が参入するには、仮想通貨に対するより厳しい規制の構築とガイドラインの透明性が求められる。仮想通貨市場への参入に二の足を踏んでいる機関投資家は多く、さらに厳しい規制やガイドラインが導入されれば、従来型の金融セクターからの資本流入が加速することが予想される。
release date 2018.5.24
作成日
:2018.05.24
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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