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米国、カナダが仮想通貨一掃作戦に踏み切る

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update 2021.08.31 15:23
米国、カナダが仮想通貨一掃作戦に踏み切る

update 2021.08.31 15:23

不正なICOや仮想通貨取引に対する投資家教育を強化

昨今、イニシャルコインオファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)や仮想通貨取引における不正が問題化されているが、米国、カナダ、中国の各国は、多額の資金損失につながる不正取引を防ぐべく、投資家への教育を強化することが明らかになった。

この一環として、米国とカナダでは、仮想通貨一掃作戦の実施に踏み切ることを発表している。北米証券管理者協会(The North American Securities Administrators Association)【以下、NASAAと称す】は、米国とカナダの40以上の管轄区域において、詐欺行為が疑われる企業に対し書面にて警告を行い、規制当局は70件の疑わしいICOや仮想通貨取引の捜査を開始している。先月の捜査開始から、NASAAは、既に約30,000件の仮想通貨関連のドメイン名の登録を見つけだしている。確認の取れたドメイン全てが詐欺に該当しないものの、ICOの諮問機関であるSatis Groupの直近の調査によると、昨年以降に実施されたICOの81%が詐欺であったという。

NASAAのJoseph P. Borg会長は、この件について以下の声明を発表している。

本日発表された仮想通貨一掃作戦は、氷山の一角に過ぎません。規制当局は、米国の仮想通貨システムを不正に利用し続けようとする詐欺者に対し、迅速な措置をとることを表明しています。全てのICOや仮想通貨関連の取引が不正ではありませんが、我々は投資家に対し、これらの商品に投資する際は、不正かどうかを正しく見極め、慎重に対応するよう注意を促します。

Joseph P. Borg, president of NASAA

また、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、投資家を詐欺の被害から守る活動の一環として、HoweyCoinsというICOの模擬サイトを立ち上げている。同サイトではリターン保証やホワイトペーパーを掲載しているが、これらを信用した投資家がトークンを購入しようとすれば、ICO詐欺にあう可能性があることを示して注意を促すという。また、高収率や有名人の支持、ポンプダンプ詐欺(価格を吊り上げたあと高値で売り逃げる方法)など、投資家が騙されやすい手法についても学習できる内容となっている。

SECの最高顧問であるOwen Donley氏は、以下のように述べている。

詐欺師は魅力的なウェブサイトを速やかに作り上げ、複雑な専門用語を使用して投資家を偽の取引に導きます。不正サイトには投資家を失敗に導く企みな言葉がちりばめられていますが、その言葉は詐欺の手法を知っていれば見つけることができます。

Owen Donley, chief counsel of the SEC's Office

また、ICOを最初に全面禁止とした中国では、国家インターネット金融安全技術専門家委員会(National Internet Financial Risk Analysis Technology Platform)【以下、IFCERTと称す】が、421件の疑わしい仮想通貨を発見している。IFCERTは、詐欺は一般的に高収率や価格上昇を保証した偽のハードフォークなどをうたい文句に、マルチなマーケティングを行っているが、その多くが海外のサーバーで運営されているため、摘発が困難であると述べている。

release date 2018.5.22


Date

作成日

2018.05.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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