作成日
:2018.05.04
2021.08.31 15:23
韓国の与党である、共に民主党の洪宜洛(Hong Eui-rak)議員をはじめ10人で構成された議員グループは、イニシャルコインオファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)を合法化する新法案の提出を計画していることが明らかとなった。
議員グループは、ブロックチェーン技術開発に力を入れる研究機関や公共機関によるICOのみに対し合法化への取り組みを行っており、そのほか、民間企業等の資金調達については、現在のところ言及していない。新法案は、洪宜洛議員事務所と韓国貿易協会(Korea International Trade Association)が共同で実施した調査に基づき作成されており、今年中の可決を目指すという。
洪宜洛議員は、先日国会にて行ったICOやブロックチェーン技術に関する講演の中で、新法案の主な目的はブロックチェーン関連ビジネスが直面している不確実性を取り除くことであると述べている。また、丁世均(Chung Sye-kyun)国会議長は、ブロックチェーンと仮想通貨は様々な公共部門にて役立つ可能性があるとして、これらが直面している政治的不確実性を減らすべく協力することが必要だと述べている。
この度の動きは、韓国政府が昨年9月にICOを禁止して以来、初の異議申し立てとなる。韓国金融監督当局(Financial Services Commission)の金容ボム(Kim Yong-bum)副会長は、ICO禁止措置は、ICO詐欺の増加が起因となり投機的債権の需要が過熱したため、投資家保護を目的として決定した結果だと述べている。
韓国では、現在レバレッジを利用した仮想通貨取引も禁止されているが、それでもなお国内の仮想通貨業界は盛況を見せている。韓国最大の取引所であるビッサム(Bithumb)の一日当たりの取引量は約10億ドルに上り、昨年の純利益は4,171億ウォン(約3億9970万ドル)と、2016年に比べて171倍の利益を計上している。
release date 2018.5.4
作成日
:2018.05.04
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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