作成日
:2018.03.07
2021.08.31 15:23
米国証券取引委員会【Securities and Exchange Commission:以下、SECと称す】は、オンライン仮想通貨取引プラットフォームを取引所として登録すべきだとの見解を表明した。この発表直後、ビットコイン(BTC/USD)は10%急落した。
SECによると、プラットフォームでデジタル資産取引を提供する場合、デジタル資産は有価証券とみなされ、連邦証券法に定義されている取引所としての運営に値することから、証券取引所としてSECに登録をするか、または登録免除の手続きをする必要があると主張している。
さらに、SECは情報収集を目的として、数十の仮想通貨関連企業に対し召喚令状を送ったことが報告されている。
SECのJay Clayton議長は、法律の範囲外で活動を続けている仮想通貨関連企業に対し長い間懸念を表明し続けており、最近の上院聴聞会でも多くのICOが違法に活動しているとの認識を表明している。
昨今の仮想通貨に対する規制強化は米国でも例外ではなく、SECは昨年9月にブロックチェーン技術やICOに関する違反をターゲットとするサイバーユニットを結成し、最近ではダラスに拠点を置くAriseBankのICOに対し停止命令を行った。
また、先月初めには、米歳入庁(Internal Revenue Service)が、米国大手の仮想通貨取引所を運営するCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104)【以下、コインベースと称す】に対し、2万ドル相当以上の仮想通貨を保有する顧客数千人分の個人情報提出を求めるなど、各機関において、仮想通貨における法整備が着々と進んでいる。
release date 2018.3.7
日本では、昨年より、仮想通貨取引所を運営するにあたり、仮想通貨交換業者として金融庁への登録が必要となっているが、現在米国では、仮想通貨を規制する機関が定まっていない。コインベースを始めとする一部の米国の仮想通貨取引所は、送金業者として、州の認可を受けているものの、仮想通貨交換業者としてSECや、先物取引全般を管轄する米商品先物取引委員会(CFTC)の認可を受けているわけではない。しかし、米国において多くの投資家が、仮想通貨交換業者としての認可を受けていない取引所に対し、認可を受けていると誤認していることに対し、SECは懸念を示し、今回警告を行った。
また、SECはICOについて、連邦証券法上の証券にあたるとの見解を示し続けており、一方で、米商品先物取引委員会は、ビットコインの先物の上場過程を管轄している。米国では、仮想通貨取引が、商品と証券のどちらとしてみなすのがより適切か、長期にわたり議論されているが、どちらにしろ、今後、米国でも日本と同様、仮想通貨交換業者として、登録した上での運営が義務付けられることにかわりないだろう。
作成日
:2018.03.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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