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FCA、レバレッジ規制においてESMAと対立か

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update 2022.01.28 12:01
FCA、レバレッジ規制においてESMAと対立か

update 2022.01.28 12:01

FCAの規則や顧客からのフィードバックにより今後のESMAの規制に対する判断に注目が集まる

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】が提案する最大1:30のレバレッジ規制に関し、英国金融行動監視機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】がESMAと対立する可能性を、EUの規制機関に精通する報道機関が伝えている。この報道を受けて、ブローカー業界や顧客の間では、ESMAの規制に対する判断に影響が及ぶとの見方が広がっている。

ESMAは1月初めにCFD商品に対する段階的なレバレッジ規制などへの取り組みを正式に発表しているが、FCAは2016年12月に1:50のレバレッジ規制を提案している。FCAは、リテール顧客へのCFD商品やバイナリーオプションの提供、マーケティングについて、ESMAの提案を支持するとの公式声明を繰り返し発表している。

業界関係者は、ESMAが提案する大幅なレバレッジ引き下げ案を懸念しており、今回の規制により、顧客が規制の緩いオフショアブローカーへ乗り換え、結果的には、顧客だけでなく、規制当局にとっても懸念材料になる可能性を指摘している。事実、2011年に日本の金融庁(Japan Financial Services Agency,JFSA)が1:25のレバレッジ規制を導入した際には、多くのユーザーによる、オフショアブローカーへの移行がみられた。

レバレッジの引き下げが実施されれば、高いレバレッジを利用するトレーダーは、EU外で取引を行うか、プロトレーダーへの登録変更が必要となる。但し、プロトレーダーとなれば、ESMAが提案する個人投資家保護の規制からは除外され、英国金融サービス補償機構(Financial Service Compensation Scheme)【以下、FSCSと称す】による補償も対象外となる。FSCSとは、FCAと健全性規制機構(Prudential Regulation Authority)から許認可を得たブローカーが、倒産などにより顧客から預かった資産を返金できなくなった場合に、FSCSが顧客の損失を補償する制度である。

昨年12月にESMAが発表した新たな規制に対するフィードバックの受付期限は残すところ1週間と迫っており、多くのブローカーが、顧客に対し、フィードバックを積極的に提出するよう呼びかけ、規制阻止の動きを強めている。なお、ESMAの代理人は、今回の規制に対するコメントを拒否しているようだ。

release date 2018.1.30


Date

作成日

2018.01.30

Update

最終更新

2022.01.28

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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