作成日
:2018.01.03
2022.07.06 11:39
LMAX Exchange Group(本社:Yellow Building, 1A Nicholas Road, London W11 4AN, United Kingdom)【以下、LMAXと称す】は、英国金融行動監視機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】規制の下、新しくブローカー事業としてLMAX Globalを立ち上げたことが明らかになった。
新事業立ち上げは、EUにおいて1月3日より適用が開始された第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive II)【以下、MiFID IIと称す】の新たな規制要件を満たすため、多角的取引システム(MultilateralTrading Facility,MTF)とブローカー事業を分離させる動きになる。LMAX Globalは、既存のMTFを提供するLMAX Exchangeを補完する事業を展開することになる。
MiFID IIの規制下では、MTFは、顧客の注文執行や、プリンシパル取引(自己取引)が許可されていないため、ブローカー事業とは異なる法人として運営しなくてはいけないことになっている。
LMAX Globalは、ブローカー事業や、マネーマネジャー、及び非機関投資家等を対応することになる。これらに該当する顧客は、今後も、LMAX Exchangeで提供されるリクイディティや、執行サービスにアクセスすることになり、口座番号や、取引条件、手数料などに変更は伴わないとされている。
一方、LMAX Exchangeは、引き続き機関投資家向けのFXや、貴金属、インデックス取引サービスを提供し、FCA規制下の多角的取引システムとして機能することになる。
LMAXのCEOであるDavid Mercer氏は、次のようにコメントしている。
MiFID IIが目指すものは、我々が全面的に取り組んでいる公平性と透明性です。LMAXは、これまでも完全なる透明性を確保した取引の場を提供してきました。我々の交換所方式の執行モデルは、ステータス、サイズ、活動レベルに関わらず、全ての市場参加者が公平になるよう、特別に設計されています。我々はMiFID IIの導入を歓迎するとともに、顧客に対して、透明性、正確性、そして一貫性のある執行の提供を保証できることを嬉しく思っています。
David Mercer, CEO of LMAX Exchange Group
MiFID IIの導入による影響は、LMAX自体がポジショニングを行っているスポットFX取引にはないものの、FXスワップ、先物取引、オプション取引においては、取引量に影響が出る可能性が高いと考えられる。EUにおける新規制枠組みの導入は、特にデリバティブを扱う企業のコンプライアンスコストの増加をもたらすことになるが、実施により市場がより健全になることが期待されている。一部の業界専門家は、市場への悪影響を懸念しているが、多くの企業は長期的に見た場合の顧客へのメリットに対し、好意的にとらえているようだ。現在、EU加盟国の過半数が規制の改正要求を履行しているが、複数の加盟国においては、対応が遅れている。
release date 2018.1.3
作成日
:2018.01.03
最終更新
:2022.07.06
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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