Select Language

イギリス金融行動監視機構が最大認可レバレッジを1:50へ引き下げを提案

イギリス金融行動監視機構が最大認可レバレッジを1:50へ引き下げを提案

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.07.27 13:03
イギリス金融行動監視機構が最大認可レバレッジを1:50へ引き下げを提案

update 2023.07.27 13:03

バイナリーオプションについてもルール適用を検討

英国金融サービス機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は、ブローカー顧客の82%が損失を出しているという調査結果を受け、FXやCFD商品の取引を行う顧客を保護する目的でガイドラインの見直しを実施している。

FCAの新ガイドラインでは、先日発表されたCySECのそれよりも厳しいものとなっている。顧客が取引に伴うリスクを理解していないと考えられる中で、FX・CFD商品を扱うブローカーの増加を懸念しているためである。

FCAが提案するガイドラインは、以下の通りである。

  • ブローカーは取引口座の損益率を公開しなければならない
  • 取引経験12か月未満の新規顧客の最大レバレッジは1:25までとする
  • 全顧客のレバレッジは最大1:50までとする
  • すべてのボーナス提供を中止する

FCAでは以下の点について提唱している。

まず取引の透明性に関して、企業は取引に伴うリスクを適切に実証するため、顧客口座の損益率を公開することが義務付けられる。そして、取引経験が12ヶ月未満の新規顧客に対し、レバレッジを最大1:25に限定することを提案、全ての顧客に対しては、最大レバレッジ1:50の上限が設定される。最後に、FCAでは、取引や口座開設に伴う全てのボーナス提供を停止するよう提案している。

FCAでは、バイナリーオプションについても注視しており、バイナリーオプションの規制商品の対象となる場合は、既存ルールに追加した上で、新たなフレームワークの策定も検討している。

FCA 戦略・コンペティション部門 エグゼクティブディレクター Christopher Woolard氏によると、「リスクを十分に理解せずCFD商品を取引するリテール顧客の増加により、結果、急速かつ大規模な予期せぬ損失を招く可能性があるという深刻な懸念を抱いている。業界が商品の弱点を明示することで、CFD商品により厳しい規則を導入したいと考えている。そしてブローカーは、これらの複雑な商品を取引する際に伴う高いリスクを、顧客に対して注意喚起する必要がある。FCAはまた、バイナリーオプションが投 資家のリスク保護に関する問題に影響があるのか、また、投資ニーズを満たすのかという疑問も抱いている。」

release date 2016.12.06 09:24

ニュースコメント

CySECに続くガイドライン変更

先日のキプロス証券取引委員会【以下、CySECと称す】に続く、FCAのガイドライン変更は、CySECよりも厳しいものとなっているが、両者にはどのような規制の違いがあるのか、以下表にまとめてみた。

CySECFCA
既存顧客の最大レバレッジ1:501:50
新規顧客の最大レバレッジ1:501:25
高レバレッジへの変更可能不可
ボーナス提供禁止禁止

一番の違いは、高レバレッジへの変更可否であろう。CySECでは、顧客からのリクエストがあれば、取引経験を確認後、最大1:500までレバレッジ変更を認めている。このレバレッジは、現状の最大値と同じである。FCAの場合、いかなる場合であっても1:50(新規顧客の場合は1:25)を超えるレバレッジへの変更は認められない。

現状では、ガイドラインの施行日程については明言されていないが、今後ヨーロッパを中心に、今回のような規制がさらに強まるのではないかと見られている。

主要海外FXブローカーの保有ライセンスと影響について

以下、主要海外FXブローカーの保有ライセンスを表にまとめてみた。

(※グループ企業含む)

ライセンス国
XM
セーシェル共和国
モーリシャス
Titan FX
キプロス
セーシェル共和国
バヌアツ
モーリシャス
FXGT
キプロス
セーシェル共和国
南アフリカ
バヌアツ
Exness
セーシェル共和国
キュラソー
英領バージン諸島
TraderTrust
セーシェル共和国
バミューダ共和国

現在のところ、上記ブローカーについては、FCAのガイドライン変更による影響はないと考えてよさそうだが、キプロス、イギリスで起こっているレギュレーション規制が今後どのような展開を見せるのか、今後に注目していく必要がある。


Date

作成日

2016.12.06

Update

最終更新

2023.07.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

海外FXがオンラインカジノ規制の影響を受ける理由とは?出金できなくなるリスクも

2025年以降、オンラインカジノ規制の影響と見られる海外FX業者の国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル