Select Language

キプロス証券取引委員会が新規口座の基準レバレッジを1:50へ引き下げ

キプロス証券取引委員会が新規口座の基準レバレッジを1:50へ引き下げ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.03.10 16:27
キプロス証券取引委員会が新規口座の基準レバレッジを1:50へ引き下げ

update 2022.03.10 16:27

基本レバレッジは1:50で設定、希望者はレバレッジの変更も可能

2016年11月30日、キプロス証券取引委員会(本社:27 Diagorou Str. CY-1097 Nicosia, Cyprus)【以下、CySECと称す】では、ブローカー規制に関するレギュレーション変更に関する通達を出し、2017年1月末以降、新規開設された口座の基準レバレッジを1:50へ義務付けることを発表した。 1:50より高いレバレッジを希望する投資家に対しては、適性検査を行い、高レバレッジ取引に適しているかを審査する。

また、今回のルール変更では、取引高に応じたボーナス提供の禁止を盛り込むなど、投資家への不要なリスクを排除することを目的としている。

これにより、CySECライセンス下のブローカーは、2017年1月30日までに変更に伴う準備を行う必要がある。これには、既存顧客へのレバレッジ聞き取り調査も含まれているという。

release date 2016.11.31 0:09

ニュースコメント

CySEC所管の各FXブローカーの対応について

今回の発表を受けて、CySECライセンスを所有する各FXブローカーも今後の対応に追われているようである。CySEC所管のTraders Trust、および、FxProへ聞き取り調査を行ったところ、どちらのブローカーも、2017年1月末以降、すべての新規口座はレバレッジ設定1:50にて口座開設が行われるとのことだった。しかしながら、口座開設後、顧客からのリクエストにより、現状の最大レバレッジ1:500へ変更することができるという。既存口座については、現状のレバレッジ設定を提供予定とのことだった。

口座開設後、レバレッジの制限は受けるものの、顧客リクエストをベースに現状通りの高レバレッジ取引が可能になることから、顧客への影響は軽微なものであると考えられる。

なお、CySECでは、レバレッジ変更を求める利用者へ、適切に取引を行うことができるかを確認するための、適性試験を実施するという。トレード銘柄の種類や頻度、金融への専門知識の有無を問う簡単なものになるかと思われるが、実際にどのようなテストが行われていくかが不透明な部分もあり、今後のアナウンスに注目したいところである。

顧客保護の観点から、とは言うものの...

今回のレギュレーション変更では、「消費者保護」「投資家のリスク回避」という面を前面に打ち出した決断であるとSySECは発表している。もちろん、これらの効果も期待できるが、それ以上に今回の通達の目的は、2013年のキプロスショック以降低迷しているキプロス、および、CySECのイメージアップなのではないか、とみられている。

2013年3月、ギリシャ危機を発端として、キプロス内の銀行・債券投資に多額の損失が発生したことによる金融危機が発生。欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)からの支援を受ける代わりに、キプロス内の銀行預金に対し課税を行うといった過激案が発表。「キプロスショック」と呼ばれ、世界を揺るがす金融破綻と騒がれたが、最終的に金融破綻は回避された。しかしながら、キプロス内の銀行は約2週間にわたり営業を停止するなど大きな影響が出た。

キプロスショック以降、国の不安要素が露呈し、信頼度も下がったことのほか、昨今のCySEC所管ブローカーによる幾度にもわたる市場参入・撤退劇といったこともあいまって、CySECへの信頼度に対する影響が出ているという見方が強い。今回の通達により、ユーロ圏内での存在をアピールし、再度レギュレーターとしてCySECのイメージアップを図りたい、というのが本心なのではないだろうか。


Date

作成日

2016.11.30

Update

最終更新

2022.03.10

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

XMTradingがお年玉プロモーションを実施

海外FX業者XMTradingは、2024年12月3日〜12月31日までの期間限定で、お年玉プロモーションを実施すると発表しました。200ドル相当を入金して、2ロット以上取引すると抽選に参加できます。
update2024.12.03 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル