作成日
:2025.08.28
2025.08.28 17:20
2025年8月、金融庁が日本円建てステーブルコイン「JPYC」を国内で初めて承認し、SNS上でも大きな話題となっています。海外FXユーザーの中には、ここ最近の銀行口座凍結などを受け、海外FXの入出金にJPYCを活用できるのでは?と期待している方もいるのではないでしょうか。
本記事では、海外FX入出金でのJPYCの活用例やメリット、今後の展望などを考察します。
2025年8月18日、金融庁は日本円建てステーブルコイン「JPYC」を国内で初めて承認しました。これによりJPYC株式会社は資金決済法に基づく「資金移動業者」としての登録を完了させ、日本円と1:1で連動するステーブルコインを発行できる事業者になっています。
画像引用:JPYC
ステーブルコインとは、価格の安定性を確保するため、特定の資産と価値が連動するように設計された仮想通貨のことです。仮想通貨は価格の上下動が激しいため、決済手段として実用性に課題があります。その課題を解決するためにステーブルコインが開発されました。
これまでにも同社はプリペイド型(前払式支払手段)の日本円建てトークン「JPYC Prepaid」を発行していましたが、今回新たに発行されるステーブルコイン(電子決済手段)のJPYCは「1JPYC=1円」で日本円に償還(交換)が可能になるなど、異なる仕組みとなっています。
ステーブルコインJPYCは、法的には「電子決済手段」に位置付けられています。ブロックチェーン技術を活用しているため、即時かつ低コストでの送金が可能であり、既存金融での送金よりも高い利便性・効率性が特徴といえるでしょう。
また、JPYC発行残高の101%を保全する義務があり、預金・国債を裏付け資産としているため、価値が日本円と1:1で連動する設計となっています。そのほか、利用者が自身のウォレットで資産管理できる仕組み(ノンカストディ型)を採用している点も特徴の一つです。
画像引用:岡部典孝氏note
まだ正式にリリースされていませんが、JPYCの発行・償還は「JPYC EX」というサービスを通じて行われるとされています。
ここ最近、海外FXへの規制が強化されており、入出金ルートが制限される状況が続いています。特に広く利用されてきた国内銀行送金ですが、2025年6月に成立した資金決済法の一部改正により、今後使えなくなる可能性も出てきています。
また、海外FXとの入出金に利用した銀行口座が凍結される事例も報告されており、海外FXユーザーの間では不安の声が広がっています。
このような状況を受け、規制の影響を比較的受けにくいと考えられる仮想通貨(暗号資産)での入出金が注目されています。すでに仮想通貨入出金に切り替える海外FXユーザーも出てきており、SNS上では一部ユーザーから、JPYCに期待する声も見られます。
JPYCの発行・償還サービス「JPYC EX」は、今秋を目処に開始される予定です。
当記事執筆時点(2025年8月27日)でJPYCはまだ利用できませんが、JPYCを使って海外FXに仮想通貨(暗号資産)入金する場合、以下のような活用例があると考えられます。
JPYCを発行するには「JPYC EX」で口座開設・本人確認完了後、指定された銀行口座に日本円を振り込むと、接続したウォレットに同額のJPYCが即時発行される仕組みです。
その後、DEX(分散型取引所)やウォレットのスワップ機能などを使い、JPYCをUSDTなどに交換し、海外FXに送金して入金します。
反対に出金時はこの逆の手順を踏むことになります。海外FXからUSDTなどでウォレットに送金してJPYCに交換後、「JPYC EX」を通じて日本円に償還(現金化)できます。
海外FXとの仮想通貨入出金にJPYCを活用するメリットとして、以下の3点があると考えられます。
JPYCを活用することで、海外FXとの仮想通貨入出金手順を簡素化できます。現状、海外FXへの一般的な仮想通貨入金手順は以下の通りです。
上記の通り、国内取引所と海外取引所(もしくはウォレット)の両方を使用するため、送金や通貨交換も複数回行う必要があるなど手順が多いです。手順が多いほど、送金ミスなどのトラブルが発生する可能性も高まるでしょう。
しかし、JPYCを使えばウォレットに直接発行されたJPYCをUSDTなどに交換し、それを海外FXに送金するだけです。一般的な送金方法よりもシンプルで、手順を簡素化できます。
従来の仮想通貨入出金では、国内取引所でXRPなどを購入し、海外取引所でUSDT等に交換する手順が一般的です。この一連の作業中にXRPなどの価格が変動し、意図せず資産額が変動してしまうリスクがあります。
一方、JPYCは円の価値に連動するため、JPYCを発行してUSDTなどに交換するまでの間に、価格変動を気にする必要がありません。実質的に為替レートの変動のみを考慮すればよく、入出金時の価格変動リスクを低減できます。
JPYCの発行・償還手数料は当面無料とされており、ユーザーが負担するのは、銀行振込手数料とブロックチェーンのガス代(トランザクション手数料)のみです。
取引所を使った一般的な仮想通貨入出金では、取引手数料や送金手数料などが複数回発生するため、JPYCを使った方が全体的なコストを削減できる可能性があります。
当記事執筆時点(2025年8月27日)では、JPYCの発行・償還には「1日100万円まで」という上限が設けられています(送金額の上限はなし)。これは、JPYC社が今回取得した「第二種資金移動業」のライセンスが関係しており、大きな資金を動かしたい方にとってはネックになる可能性があります。
しかし、この点についてJPYC代表の岡部氏はX(旧Twitter)上で、将来的に100万円の壁は撤廃予定であると言及しています。
100万円制限は今外しに行ってますので、遅かれ早かれ外れると思います。お楽しみに! https://t.co/c46mSMn9wu
— 岡部典孝 JPYC代表取締役 (@noritaka_okabe) August 20, 2025
当記事執筆現在(2025年8月27日)、JPYCはまだ利用できませんが、今後海外FXで入出金する際の選択肢の一つになるかもしれません。
JPYC社は今後の展開として「電子決済手段等取引業」のライセンス取得を目指しています。これが実現すれば、JPYCとUSDCを交換・販売できるサービスが国内で提供されると見られ、JPYCを使った海外FXへの送金がさらに便利になる可能性があります。
また、JPYCの普及が拡大すれば、将来的に海外FXブローカーがJPYCでの入出金に対応する可能性もあるかもしれません。特に日本人ユーザーを多く抱える海外FXブローカーにとっては、円建てステーブルコインへの対応は一定のメリットがあると考えられるでしょう。
国内銀行送金を利用するリスクが高まっていることから、海外FXユーザーの間では仮想通貨(暗号資産)入出金に注目が集まっています。JPYCはまだ正式リリースされていませんが、今後海外FXの入出金に活用できると考えられるため、今後の動向に注目しておくとよいでしょう。
作成日
:2025.08.28
最終更新
:2025.08.28
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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