Select Language

MetaQuotesがアジア太平洋地域でリストラを実施か

MetaQuotesがアジア太平洋地域でリストラを実施か

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2024.12.04 16:37
MetaQuotesがアジア太平洋地域でリストラを実施か

update 2024.12.04 16:37

MT4/MT5を開発するMetaQuotes社が日本を含むアジア太平洋地域で、大規模な人員整理をしているとの報道が金融関連メディアで行われました。

MetaQuotes社から本件に関する情報は発信されていないものの、直近で同社の公式ページ内容に変更があったことが確認でき、アジア太平洋地域での活動方針に何らかの変更があった可能性があります。

point アジア向けの窓口はマレーシアに

2024年12月時点で日本や中国、シンガポールなどのオフィスは、Metaquotes社のサイトから削除されています。現在は新たにマレーシアのオフィスが連絡先として追加され、同オフィスがアジア向けのサービスを提供しています。

アジア太平洋地域でスタッフを解雇との情報

2024年6月、MetaQuotes社がアジア太平洋地域で大規模なレイオフを実施したとの報道が、一部の金融関連メディアで行われました。スタッフの解雇があったのは、具体的には中国やシンガポール、オーストラリアなどの地域だとのことです。

MetaQuotes社は幅広い地域で企業活動を展開しており、2022年9月26日の時点では、本社のあるキプロスのリマソールを含む、以下の8つの地域にオフィスを構えていたことが確認できています。

MetaQuotesの拠点のイメージ

この8つのうち、アジア太平洋地域に位置するのは日本と中国、シンガポール、オーストラリア、タイの5か国です。

今回の報道を受け、MetaQuotes社の問い合わせページを確認したところ、問い合わせ先として記載されていたのはキプロスとUAE、パキスタン、メキシコ、トルコのオフィスのみで、先ほどの5つの国の情報は確認できませんでした(2024年7月3日時点)。

MetaQuotesホームページで確認できる拠点一覧

画像引用:MetaQuotes

なお、過去のページを確認することができるWayback Machineを使い、上記ページの変更履歴を確認したところ、2024年2月24日時点では、日本と中国、シンガポール、オーストラリア、タイが掲載されておりました。

MetaQuotes社からの公式なリリースは確認できておらず、問い合わせ先に関するページ内容の変更と、レイオフ実施の報道には関係がない可能性もありますが、アジア太平洋地域での活動方針に見直しがあったことの現れなのかもしれません。

knowledge アジア太平洋地域での活動に積極的だったMetaQuotes社

MetaQuotesは2023年にバンコクで開催された金融エキスポに参加するなど、アジア太平洋地域での活動に積極的でした。

関係者の声、MetaQuotes社の方針転換の可能性を示唆

当メディアで独自に確認を行ったところ、MetaQuotes社の方針転換を示唆する情報が一部の業界関係者から寄せられました。ある関係者は「アジア太平洋地域からの撤退の可能性」を指摘する一方、別の関係者は「リストラは行われているが撤退の予定はない」と述べています。

興味深いのは、MetaQuotesのシンガポールオフィスの担当下にあった、あるFXブローカーへの影響についてです。同ブローカーは、従来どおりMetaQuotes社からのサポートを受けることができている状況で、アジア太平洋地域での活動方針変更に関する公式声明は受け取っていないとのことです。

しかし、一部変化も確認されています。メールでのサポート担当者は、以前はシンガポール人であるケースが一般的であったのに対し、直近ではギリシャ系と思われるスタッフからの返答が確認されたようです。

目立った混乱は生じていない

ここまでの情報から、MetaQuotes社がアジア太平洋地域での事業体制に変更を加えている可能性が示唆されますが、今のところアジア太平洋地域のユーザーの間で混乱は生じていません。

リテールブローカーから顧客に対して、本件に関するアナウンスも行われておらず、話題にも上がっていない模様です。

コンプライアンス強化が目的か

今回、MetaQuotesで行われたと思われる方針変更の目的は不明であるものの、本件の報道を行ったメディアは、コンプライアンス強化が目的だという可能性を提示しています。

2022年9月にApp StoreからMT4/MT5アプリが一時的に削除されたことをきっかけに、販売方針が厳格化したとのことです。

knowledge App Storeでの取り扱い停止

2022年9月24日、App StoreでMetaTraderの取り扱いが停止されました。2023年3月6日には提供再開となりましたが、それまではiOS版のMT4とMT5がAppStoreでダウンロードできない状況でした。

米国ではプロップファームへの取り締まり強化が話題

規制という側面では、MetaQuotesによるプロップファームへの突然の取り締まり強化が、主に米国で話題になっています。この規制強化のターゲットは、適切なライセンスを取得せずにサービス提供を行うプロップファームであり、取り締まり対象となった企業の多くは、米国を拠点とする顧客に認可なしでサービス提供を行っていた事業者だとされています。

米国の厳格な規制環境下での違反リスクを回避するため、MetaQuotes社は慎重な姿勢を取ったと推測することができます。

なお、MT4/MT5を使って米国顧客にサービス提供をしているプロップファームの多くは、MetaQuotesによる規制強化を受けてcTraderやMatch-Trade、DXtradeなど、他のプラットフォームへの移行を進めているとのことです。

MetaQuotesによる公式発表はなし

繰り返しとなりますが、現状ではアジア太平洋市場での活動方針に関して、MetaQuotesから正式な発表はされていません。また、日本を含むアジア太平洋地域でほとんど話題になっておらず、大きな混乱には繋がっていないようです。

MetaTraderは日本人ユーザーが多い海外FXブローカーでも広く導入されているため、仮にアジア圏でのサポート体制にネガティブな変更が生じた場合、大きな混乱が生じる可能性もあります。そのため、今後のMetaQuotesの動向に注目する必要があるでしょう。


Date

作成日

2024.07.04

Update

最終更新

2024.12.04

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

海外FXがオンラインカジノ規制の影響を受ける理由とは?出金できなくなるリスクも

2025年以降、オンラインカジノ規制の影響と見られる海外FX業者の国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル