作成日
:2024.06.11
2024.06.25 03:32
Aptos(アプトス)とは、旧Facebook(現Meta)出身者によって開発されたレイヤー1ブロックチェーンです。Aptos上のサービスを利用する際には仮想通貨(暗号資産)ウォレットが必要になり、複数のウォレットが提供されています。
この記事では、Aptosに対応するウォレットの概要や、主要なAptos対応ウォレットを解説していきます。
画像引用:Aptos
Aptosとは、スケーラビリティや安全性を重視したレイヤー1ブロックチェーンで、ブロックチェーンに特化したプログラミング言語「Move」を採用しています。Aptos上では、ネイティブトークンとして「APT(アプトス)」が発行されています。
Aptos対応のウォレットとは、Aptosエコシステムのプロジェクトやサービスを利用するときに必要となるウォレットのことです。Aptos上には、以下のような分野において171ものプロジェクトが存在します(2024年5月31日時点)。
上記のようなサービスの利用時には、Aptos対応のウォレットを接続する必要があります。
仮想通貨(暗号資産)ウォレットとして広く知られているMetaMask(メタマスク)は、Aptosに対応していません。
メタマスクが対応しているブロックチェーンは、イーサリアム(Ethereum)およびイーサリアムとのEVM互換性を持つブロックチェーンのみです。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。EVMを実装すると、ブロックチェーン間の仮想通貨の移動や、DApps(分散型アプリケーション)の移植などが容易になります。
Aptosは上の条件に当てはまるブロックチェーンではないため、APTの管理をしたい場合は、Aptos対応のウォレットが必要になります。
Aptos対応ウォレットの種類は、大きく以下の2つに分けられます。
それぞれの特徴を解説します。
ソフトウェアウォレットは、パソコンやスマホといったインターネットに接続されたデバイスで使えるウォレットです。ソフトウェアウォレットの代表的な例としてはMetaMaskが挙げられます。
利便性は高いですが、インターネットに接続しているためハッキング被害などのリスクを伴います。
ハードウェアウォレットとは、仮想通貨(暗号資産)にアクセスするための秘密鍵を管理できるウォレットです。USB接続をするタイプやカードタイプがあります。
秘密鍵とはウォレットの所有者が管理する文字列で、仮想通貨の送金の際に必要です。秘密鍵を他人に漏らすと、仮想通貨が不正に流出する可能性があります。
ソフトウェアウォレットと組み合わせて使用することでハッキングやフィッシング詐欺のリスクを抑えられますが、一方で購入コストを懸念する人も少なくありません。
Aptos対応ウォレットには、仮想通貨APTの保管や送金・受取のほかにも、以下の機能があります。
自身が所有しているNFTの閲覧ができるほか、NFTの購入・受け取り・ミント(発行)ができるウォレットもあります。
スワップ機能を備えたウォレットも存在しており、分散型取引所(DEX)のWebサイトにアクセスする手間を省けます。スワップとは、自身が保有している仮想通貨をほかの仮想通貨に交換する機能です。価格変動のタイミングを見極めてスワップすることで、利益を得られることもあります。
Aptos対応ウォレットの中には、ステーキングに対応したウォレットも存在します。とくにAPTを長期保有する場合は、ステーキングによって報酬を得られる可能性が高まります。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
ウォレットからDAppsのサイトにアクセスし、そのままDAppsにウォレットを接続できるものもあります。通常は、ブラウザから各サイトにアクセスしてウォレットを接続しなければならないため、ウォレット内で直接アクセスできる点は魅力といえるでしょう。
Aptos対応の主要ウォレットは、次のとおりです。
ここからは、各ウォレットの特徴について解説します。
画像引用:Petra
Petra Aptos Walletは、Aptosチェーンのチーム「Aptos Labs」が開発したウォレットで、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリの両方に対応しています。このウォレットでは、仮想通貨(暗号資産)の保管や取引だけでなく、自身が所有するNFTの閲覧や送受信、DAppsへの接続が可能です。また、ハードウェアウォレットLedgerの接続にも対応しています。
画像引用:Pontem
Pontem Aptos Walletは30万人以上ものユーザーがいるウォレットで、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリの両方を提供しています。このウォレットではNFTの取引や閲覧、APTのステーキングなどが可能です。
さらに、Aptos初の自動マーケットメーカー(AMM)である「Liquidswap」と統合しているため、外部のDEX(分散型取引所)を利用することなくシームレスに通貨を交換することができます。
AMMは「Automated Market Maker」の略称で、分散型取引所(DEX)で主に使われます。取引価格が自動的に決まる仕組みで、ユーザーは流動性を提供すると見返りに報酬を受け取れます。
また、Petra Aptos Walletと同様にハードウェアウォレットのLedgerにも対応しています。
画像引用:Martian
Martian Walletは、Aptosおよびレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」に対応するマルチチェーンウォレットです。2024年6月6日時点ではブラウザ拡張機能として提供されており、今後はiOSやAndroidへの対応も予定しています。このウォレットは、スワップやステーキングのほか、NFTの送受信や売買にも対応しています。
画像引用:Trust
Trust Walletはイーサリアムやソラナ(Solana)など、複数のブロックチェーンに対応しているマルチチェーンウォレットで、大手仮想通貨取引所のバイナンス(Binance)が買収したウォレットとしても広く知られています。このウォレットはスワップやステーキング、各種DAppsへの接続などに対応しています。
画像引用:Fewcha
Fewcha Move Walletは、AptosとSui Networkに対応しているウォレットで、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリが提供されています。仮想通貨やNFTの保管・送受信、スワップなどを利用できます。
画像引用:Ledger
Ledgerは秘密鍵を保管するハードウェアウォレットです。ソフトウェアウォレットのPetra Aptos WalletやPontem Aptos Walletに対応しています。
ここでは、Aptosチェーンのチームが開発したPetra Aptos Walletを例に挙げて、ウォレットの作り方を解説します。
以下のリンクから、Chromeウェブストアの「Petra Aptos Wallet」のページにアクセスします。
「Chromeに追加」をクリックします。
「拡張機能を追加」をクリックします。
拡張機能が追加されるとウォレットの作成画面が起動するので、「Create New Wallet」をクリックします。
パスワードを設定し、利用規約を確認してチェックを入れたら「Continue」をクリックします。
画面中央にある「Click to reveal phrase」をクリックすると、リカバリーフレーズ(12個の英単語)が表示されます。リカバリーフレーズを紛失するとウォレット内の資産にアクセスできなくなるので、紙などに書き留めて大切に保管しましょう。
リカバリーフレーズを書き留めたら「Continue」をクリックします。
先ほど確認したリカバリーフレーズの入力を求められるので、入力が完了したら「Continue」をクリックします。
リカバリーフレーズを安全な環境で保管するように促す画面が表示されます。リカバリーフレーズを再度表示して確認する必要がなければ、「Done」をクリックします。
アプリインストール用のQRコードが表示されるので、必要に応じてインストールして「Done」をクリックします。
なお、アプリをインストールすると、仮想通貨(暗号資産)やNFTを送受信する際に使用できる「Petra Name」が付与されます。Petra Nameを使うことで、長いウォレットアドレスをコピー&ペーストしなくても取引できるようになります。
「Welcome to your wallet」と表示されれば、ウォレットの作成は完了です。
Google Chromeの拡張機能を確認すると、自身が保有しているAPTが表示されるほか、APTの購入・送金の手続きなどができるようになっています。
Aptos上のサービスを利用する際に必要なウォレットには数多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
使いやすさやセキュリティ面なども考慮した上で、ご自身の使用目的や好みに合ったウォレットを選んでみるのがよいかもしれません。
作成日
:2024.06.11
最終更新
:2024.06.25
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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