作成日
:2023.11.22
2024.01.31 03:15
仮想通貨(暗号資産)PYTH(ピス)は、ソラナ(Solana)を基盤とするオラクルネットワーク「Pyth Network(ピスネットワーク)」が発行した独自トークンです。
2023年11月1日、PYTHのエアドロップ計画が発表されると、X(旧Twitter)で期待の声が多く上がりました。
この記事では、仮想通貨PYTHの特徴やエアドロップ計画の詳細、将来性などを解説していきます。
画像引用:Pyth Network
仮想通貨(暗号資産)PYTHは分散型オラクルネットワーク「Pyth Network」の独自トークンで、ソラナ(Solana)を基盤にしています。
オラクルはブロックチェーンに外部の情報を取り込むためのシステムです。例えば、オラクルを利用すれば、取引所から仮想通貨価格をブロックチェーンに取り込み、DApp(分散型アプリ)などに利用できます。
発行総数は100億枚で、2023年9月に発表されたホワイトペーパーによると、この発行総数を今後増やす計画はありません。
発行総数のうち85%はロックアップされ、ローンチから6・18・30・42か月のタイミングで一定量ずつアンロック予定です。なお、発行総数のうち15%は、ローンチ当初からアンロックされた状態となっています。
画像引用:Pyth Network
ロックアップとは、仮想通貨配布後、市場で売却できない期間を指します。その後、一定のルールに従って徐々に売却可能になります。徐々に売却可能にする条件をべスティングといいます。
Pyth Networkは2023年11月1日、PYTHのエアドロップ計画を発表しました。X(旧Twitter)では、この発表に期待する声が上がっています。
また、エアドロップの規模が大きいことから、「ソラナの取引量は増加しており、その中でも2024年にもっとも注目すべきプロジェクトの1つである」と評価するユーザーもいます。
そこで次の項目では、X(旧Twitter)で話題となったエアドロップの詳細を見ていきましょう。
Pyth NetworkはPYTHをエアドロップし、ユーザーやサポーターに配布する計画を発表しました。配布されるトークンは、ソラナブロックチェーン上で発行されます。エアドロップの詳しい内容について、次の2つに分けて紹介します。
エアドロップを受け取れるウォレットアドレス数は、7万5,000以上であると発表されています。対象となるのは、以下のいずれかの方法でPyth Networkエコシステムを利用したことのあるユーザーです。
また、今回のエアドロップで対象となるのは、ソラナのユーザーだけではありません。イーサリアム(Ethereum)やアバランチ(Avalanche)など、PythNetworkの価格フィード情報に対応しているブロックチェーンのユーザーも対象になります。
対象となるブロックチェーンの一覧は、以下のとおりです。
エコシステム | ブロックチェーン |
---|---|
EVM | Aurora、Arbitrum、Avalanche、Base、BNB Chain、Celo、Conflux eSpace、Cronos、Ethereum、Gnosis、KuCoin Community Chain、Linea、Mantle、Meter、Optimism、Polygon、Polygon zeEVM、Wemix、zkSync Era |
Move | Aptos、Sui |
Cosmos | Evmos、Injective、Neutron、Osmosis、Sei |
Solana | Solana |
エアドロップの総数は、PYTHの発行総数100億枚のうち最大6%にあたる、6億枚が予定されています。
PYTHの発行総数100億枚は、次の5つのカテゴリーに分配されます。今回のエアドロップで配布されるトークンは、Community and Launch(コミュニティとローンチ)の6億枚が使用されます。
配布対象者・目的 | 配布枚数(億枚) |
---|---|
発行者報酬 | 22 |
エコシステム成長の ために使用 |
52 |
プロトコル開発費用 | 10 |
コミュニティと ローンチ |
6 |
プライベートセール | 10 |
Pyth Network公式サイトにあるエアドロップ確認用Webページを利用し、自分のウォレットを接続することで、「自分が対象となるかどうか」や「トークンの割り当て額」を確認できます。
PYTHは、Pyth Networkのガバナンストークンです。PYTHをステーキングするとガバナンスに参加でき、提案に投票できるほか、投票を他のユーザーに委任することも可能です。
また、Pyth Networkにおけるステーキングや手数料の支払いにも使われます。
PYTHの将来性を考察する際にポイントとなるのが、次の2つです。
今回のエアドロップの目的は、ガバナンスへの参加を促すことです。多くの参加者がガバナンスに参加すれば、Pyth Networkが理想とするガバナンスの構築につながります。
Pyth Networkの理想とは、「パーミッションレス型(自由参加型)」「分散型」「自立したメインネットの状態」です。
Pyth Networkでは、参加者(ステークホルダー)であるパブリッシャー・コンシューマー・デリゲーターのそれぞれに、インセンティブを用意しています。
これらの中で特にポイントとなるのが、パブリッシャーに対するインセンティブです。
既存のオラクルは、サードパーティーの情報をもとに価格データを発行しているのに対し、Pyth Networkでは、ファーストパーティーの情報を使用しています。この設計により、Pyth Networkは価格データの信頼性の高さを強みとしています。
パブリッシャーへのインセンティブは、コンシューマーの利用量に比例して増える仕組みです。人気を集められれば、報酬が高額になる可能性もあります。
魅力的なインセンティブが強化され、より多くのパブリッシャーの参入を促すことで、Pyth Networkの価格データの正確性向上につながります。
その結果、オラクルネットワークとしての信頼性がさらに高まり、Pyth NetworkおよびPYTHへの注目が集まるかもしれません。
Pyth Networkとは、ソラナブロックチェーン上で機能する分散型オラクルネットワークです。
仮想通貨や株式などのリアルタイムデータを、40以上のブロックチェーンに配信しており、Binance(バイナンス)を含む90以上のブロックチェーン関連企業がパブリッシャーとして参加しています。
既存の分散型オラクルネットワークの代表例として、Chainlink(チェーンリンク)が挙げられます。
Pyth Network公式によると、既存のオラクルネットワークでは以下の項目で課題があり、DeFiサービスの成長を妨げていました。
Pyth Networkは、これらの問題の解決を目指しています。
既存オラクルでは、中間業者などから購入したデータを伝送しているため、価格データが10〜60分ごとにしか更新されず、低レイテンシー(低遅延)で高頻度の更新を必要とする金融ユースケースに対応できていません。
また、ブロックチェーン上の価格と実際の市場価格にずれが生じると、DeFiサービスは不安定になり、悪意のある攻撃に対して脆弱になります。
既存のオラクルでは、たとえばEthereum(イーサリアム)であれば200の価格データにアクセスできても、Base(ベース)のような新しいブロックチェーンでは8つの価格データにしかアクセスできません。
ブロックチェーンの種類によって価格データへのアクセス性に差があり、金融サービスの提供に制約が生じています。
既存オラクルでは、アグリゲーターサービスなどサードパーティの情報をもとに価格データを公開しています。そのため、信頼性や透明性が担保されているとはいえません。
Pyth Networkの主な強みとして、以下の3つが挙げられます。
Pyth Networkでは、中間業者などから購入したデータを伝送するのではなく、パブリッシャーが各々のノードで独自データを管理し、オンチェーンで直接公開します。この仕組みにより、データ消費者にとっての仲介コストがなくなるほか、ネットワーク上の渋滞もなくなるため、低コストかつ高速なデータを提供できます。
また、Pyth Network経由で数千の価格データにアクセス可能です。
Pyth Networkはソラナ(Solana)を基盤にしています。ソラナはデータ処理速度が速く、手数料が安いことを特徴としており、Pyth Networkのサービス維持に欠かせない存在です。
さらに、Pyth Networkはデータ提供者にインセンティブを与える設計で、提供データをもとに、アグリゲート(統合)された価格データを発行しています。
サードパーティのソースからデータを取得している既存のオラクルネットワークと比べると、ファーストパーティからのデータをもとに価格データを公開しているPyth Networkのほうが信頼性が高いといえるでしょう。
Pyth Networkのエコシステムは、データ所有者からDApps、個々のブロックチェーン参加者に至るまで、さまざまなステークホルダーが関わっています。
Pyth Networkによると、オンチェーンガバナンスはプロトコルの自立性と分散化にとって非常に重要であり、将来的にはオンチェーンガバナンスを通じて以下のような決定をすることも想定しているとのことです。
Pyth Networkのステークホルダーとして、以下の3種類の参加者が挙げられます。
いずれか1種類の役割でしか参加できないわけではなく、たとえば、パブリッシャーとデリゲーターの両方の役割で参加することも可能です。
パブリッシャーとは、正確かつ最新の価格情報にアクセスできる市場参加者を指します。パブリッシャーが価格データを発行し、その報酬としてデータ手数料を得られます。報酬の大きさは、価格情報の提供量などに比例して決まる仕組みです。
なお、価格を提供するプロダクト1つにつき、規定量のPYTHをステーキングする必要があります。また、不正確なデータを提供すると、ステーキングしたPYTHは没収される可能性があります。
コンシューマーは、価格データをスマートコントラクトやDAppsにデータを組み込んで使用し、データ手数料をPythプロトコルに支払います。
手数料の支払い手段として、PYTHなどガバナンスが承認したトークンを使用可能です。コンシューマーは手数料の支払いと引き換えに、選択したプロダクトに4エポック(およそ1カ月)以内に問題が発生した場合、デリゲーターからペイアウトを受けられます。
デリゲーターは、特定のプロダクトやパブリッシャーにトークンをステーキングし、データ手数料の一部を受け取れます。ただし、オラクルが誤った情報を提供したときには、ステーキング額を失うリスクがあります。
2023年11月28日現在、仮想通貨(暗号資産)PYTHは、日本国内の取引所では取り扱われていません。そのため、取引は海外取引所で行います。各海外取引所におけるPYTHの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) | 〇 |
〇 |
(バイナンス) | × |
〇 |
(ゲート) | 〇 |
〇 |
(メクシー) | 〇 |
〇 |
(ビンエックス) | 〇 |
〇 |
(ビットゲット) | 〇 |
〇 |
(コインイーエックス) | 〇 |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | 〇 |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でPYTHを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、PYTHの購入ページ(PYTH/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには口座を開設し、本人確認(KYC)レベル1を完了させておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でPYTHを購入するには、以下のように操作をして「PYTHを買う」をクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
PYTHはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「PYTHを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したPYTHは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
PYTHは、エアドロップ計画の規模の大きさなどを踏まえ、多くのユーザーから注目を集めている仮想通貨の1つです。
また、PYTHをローンチしたPyth Networkは、既存のオラクルネットワークの課題を解決する設計となっており、提供されるデータのスピード・アクセス性・信頼性において優位性を持つネットワークといえます。
今回発表されたエアドロップ計画や、参加者のために用意しているインセンティブなどによって、今後どれだけ多くのユーザーを引き込めるかが、Pyth NetworkがローンチしたPYTHの成長を左右するかもしれません。
作成日
:2023.11.22
最終更新
:2024.01.31
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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