作成日
:2023.11.14
2024.07.05 10:14
JasmyCoin(ジャスミーコイン)は、ジャスミー株式会社の独自仮想通貨(暗号資産)です。その価格は2021年2月に最高値を記録したのち、99%以上下落しています。これほどまでに暴落した理由は何でしょうか。
この記事では、ジャスミーコインの価格推移や、価格下落に対するユーザーの反応を紹介するとともに、今後の価格上昇の可能性についても考察します。
画像引用:CoinMarketCap
2021年2月、ジャスミーコインは日足終値で360円台の最高値を記録し、半年後の8月におよそ1.3円まで下げました。その後、国内取引所のBITPoint(ビットポイント)への上場をきっかけに一時的に上昇したものの、再び下落しています。
当記事執筆時点(2023年11月13日)の価格は1円を下回っており、最高値と比べて99%以上の暴落です。
上のチャートを見ると、ジャスミーコインは価値を失っていると感じるかもしれません。しかし、価値をより正確に確かめるためには、他の仮想通貨と比較する必要があります。そこで、仮想通貨全体の時価総額と比較しましょう。
画像引用:CoinMarketCap
上のチャートは、ジャスミーコインと比較できるように表示期間を合わせています。
時価総額が最大になったのは2021年11月で、およそ450兆円でした。その後、多くの仮想通貨価格が下落して横ばいに転じ、当記事執筆時点(2023年11月13日)で215兆円付近を推移しています。すなわち、時価総額は半分以下になりました。
その一方、ジャスミーコインは99%以上の暴落であり、ジャスミーコインの市場評価は極めて低いといえるでしょう。
直近の値動きについて、ビットコインと比較します。過去の値動きは暴落でも、直近の上昇率が高ければ、将来有望といえるかもしれません。ビットコインの値動きは、以下のとおりです。
画像引用:CoinMarketCap
2023年1月のビットコイン価格は218万円で、右肩上がりで推移している様子がわかります。これに対して、ジャスミーコインは以下のとおりです。
画像引用:CoinMarketCap
ジャスミーコインは2月に頂点に達し、5月以降は緩やかな下降トレンドです。直近は仮想通貨全体の上昇に沿った動きをしており、全体としてはレンジ相場といえるでしょう。
ビットコインが年初来高値を更新し続けている状況に比べ、ジャスミーコインは厳しいといえます。
X(旧Twitter)などでは、ジャスミーコインの価格下落に対して悲観的な反応が見られます。
たとえば、価格の推移について不安視する声や、ジャスミーコインを手放すべきかどうかわからないという戸惑いの声です。その他、ジャスミー株式会社の公式サイトには抽象的な内容しか記載されていないという趣旨で、発行会社を批判する声もあります。
ジャスミーはジャスミー株式会社が運営するプロジェクトの名称であり、ジャスミーコインはジャスミー株式会社が開発した仮想通貨です。
ジャスミー株式会社は2016年に設立され、IoTプラットフォームを開発・提供しています。
従来、ネットワークサービスの多くは、GoogleやAmazonなどの巨大企業によって提供されてきました。ユーザーはこれらの企業のサービスをおおむね無料で利用できる一方、巨大企業は個人のデータを占有しがちであり、個人のデータを使って利益を得ています。
ジャスミー株式会社は、個人のデータを本来の持ち主に戻して「データの民主化」を実現しようとしています。
ジャスミーコインはERC-20に準拠しており、イーサリアムネットワークのセキュリティ性能や処理能力、各種耐性を有しています。
ERC-20とはイーサリアムの規格の一種です。規格とは機能を標準化したもので、ERC-20規格で作られたトークンはお互いに互換性があります。また、ERC-20規格に対応したウォレット等で使用することもできます。
その特徴は、個人データを提供すると報酬を得られる仕組みにあります。「データの民主化」という思想のもと、個人データそのものを資産として扱っています。
ジャスミーコインの価格が下がり続ける理由として、以下の例が考えられます。
2021年、ジャスミーコインの流通枚数に関する疑惑が生じ、ユーザーの不信感が高まりました。yoyololbbb氏がEtherscanを使って分析し、掲示板reddit(レディット)で指摘したのが始まりです。
yoyololbbb氏の主張によると、1つのウォレットで40億枚を保有している例があり、これは流通枚数とされている47億枚の80%に相当します。ジャスミーコインを保有しているウォレットをすべて合わせると200億枚を超え、47億枚という数字は嘘だということになります。
ジャスミーコインの発行枚数の上限は500億枚であり、そのうちどれだけの量が流通しているかについて、ジャスミー株式会社の公式サイトに記載されていませんでした。
なお、大手仮想通貨情報サイトのCoinMarketCapによると、2023年11月現在の流通枚数はおよそ492億枚です。
画像引用:CoinMarketCap
疑惑が出た当時、ジャスミーコインを買ったユーザーは、47億枚という数字をもとに投資判断をしていた可能性があります。
一般的に、仮想通貨の流通枚数が多くなれば価格は下落し、逆に流通枚数が少なくなると希少性が出て価格は上昇すると考えられます。価格と流通量には密接な関係があるので、流通量におよそ10倍もの差異があると、投資家が予想していたジャスミーコインの価値と実際の価値にずれが生じてしまうでしょう。
売り浴びせ(ダンプ)に関する疑惑も、ユーザーからの不信感を高めた理由だと考えられます。
ダンプとは、仮想通貨を売り浴びせて故意に価格を下落させることを指します。開発チームが大量にトークンを保有していた場合、市場価格が0にならない限り売り浴びせることによっていくらでも稼げるという特徴があります。
この疑惑もyoyololbbb氏が指摘しており、その内容は「開発チームはジャスミーコインを定期的に5億枚ずつ市場で売却しており、近いうちにさらに65億枚が売却されるだろう」という趣旨です。
yoyololbbb氏が証拠として示したEtherscanのページを見ると、投稿日のおよそ100日前に、あるアドレス宛に5億枚が送金され、投稿日付近でそのウォレットからほかの5つのアドレスに送金されています。
画像引用:Etherscan
ジャスミーコイン開発チームがこの送金をしたのかどうか、ウォレットアドレスから判断できません。しかしyoyololbbb氏は、定期的に同じような送金が行われていると主張しており、明らかなスキャム(詐欺)だと厳しく非難しています。
過去には、ジャスミー株式会社がジャスミーコインの違法販売に関与したという噂もありました。日本国内において、暗号資産交換業者の登録なく暗号資産を販売することは、違法行為にあたります。
このような噂が流れた理由として、無登録で暗号資産交換業を行う者が、当時上場予定だったジャスミーコインの不正な取引を持ちかけたことが挙げられます。
金融庁は、上場前のジャスミーコインを無登録で販売していた2つの会社を公表し、消費者に注意を呼びかけました。
画像引用:金融庁
ジャスミー株式会社はこの件について公式に注意喚起し、同社および同社の関係会社などは、暗号資産を販売していないとしました。ジャスミーは風評被害を受けたとも考えられます。
しかし、X(旧Twitter)では、「注意喚起だけでしかるべき対応はまったくとっていないのが不可解」といった批判的な意見があります。
こうした意見をもとに考えると、一部のユーザーはジャスミー株式会社による違法取引への関与を疑っている可能性があり、ジャスミーコインの価格に影響を与えているかもしれません。
その他、ユーザーによる失望売りが価格に影響を与えている可能性もあります。ジャスミー株式会社は2023年2月に最新のロードマップを公開したものの、公開されたのは1枚の画像とツイートでの簡単な説明のみでした。
画像引用:JasmyCFO公式X
ユーザーからは、バズワードを並べているだけのように感じられるなどと厳しい意見が寄せられたほか、昨年のロードマップのコピーではないかと指摘する声もあります。
ジャスミーコインの価格は下落を続けています。これは仮想通貨市場でよく見られる傾向であり、珍しいものではありません。しかし、以下のようなポジティブな動きが見られれば、価格が上昇するかもしれません。
流通枚数や売り浴びせに関する疑惑を解消し、ジャスミーコインが公正に取引されているという認識が広まれば、価格は上昇するかもしれません。
こうした疑惑に対して、ジャスミー株式会社はX(旧Twitter)で「私たち経営陣は、相場操縦に該当する事は一切行いません」としています。この発言を信じるというユーザーがいる一方、ジャスミーコインは買うべきではないと批判する声もあります。
透明性の高い情報開示も、価格に影響を与える可能性があります。
ジャスミー株式会社のロードマップに対して、批判の声がある一方、ロードマップの更新などは行われていません。
また、ロードマップはX(旧Twitter)の投稿で示されただけで、公式サイトなどで発表されていない点も、ユーザーや投資家からの信頼を下げた要因として考えられます。
より明確な情報開示を通じて、ユーザーや投資家からの信頼を得れば、価格にプラスの変化が現れるかもしれません。
金融庁に登録された国内の仮想通貨取引所は30近くあり、その中でジャスミーコインを取り扱っているのは以下の3つのみです(2023年11月13時点)。
ジャスミーコインを取り扱う国内の取引所が増えれば、注目が集まり、価格の上昇につながる可能性があります。
ジャスミーコインは日本企業発の仮想通貨で注目を集めている一方、価格は下落し続けています。そして、価格上昇の鍵を握る要素の1つは、ユーザーからの信頼の獲得だと考えられます。
これまで、売り浴びせや発行枚数の虚偽疑惑など、ユーザーに不安を感じさせる事態が発生しており、ユーザーの不安が解消されたとはいえません。
より詳細な情報公開をするなど、ユーザーからの信頼の獲得につながる動きが見られれば、今後の価格に変化が現れるかもしれません。
作成日
:2023.11.14
最終更新
:2024.07.05
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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