Select Language

FTXがBybitを提訴|BybitやMantleへの影響は限定的か

FTXがBybitを提訴|BybitやMantleへの影響は限定的か

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.11.14 18:35
FTXがBybitを提訴|BybitやMantleへの影響は限定的か

update 2023.11.14 18:35

2023年11月10日、FTXがBybit(バイビット)の運営会社などを提訴しました。これにより、仮想通貨(暗号資産)市場に一時動揺が広がりました。

本記事では、FTX側の主な主張を解説した上で、Bybitへの影響について確認していきます。

FTXがBybitや投資会社を提訴

2023年11月10日、FTXは、Bybit(バイビット)を運営するBybit Fintech Ltdや、Bybitの投資部門であるMirana Corpなどに対する訴訟を起こしました。

FTXが破産申請をする直前、Mirana CorpなどはFTXから約9.5億ドル相当の現金や仮想通貨(暗号資産)を出金していたとされます。今回の訴訟でFTXは主に、この出金の取り消しを求めています。

knowledge FTXの破産騒動

FTXはハイリスクな経営を行っており、手持ち資金が枯渇して顧客資産を払い出せない状況に陥りました。競合のBinance(バイナンス)が買収による救済を模索するも結局失敗に終わり、2022年11月11日、米連邦破産法11条(チャプター11)に基づいて破産申請し、経営破綻しました。

なお、チャプター11は日本の民事再生法に相当し、経営を継続しながら負債を削減して経営再建を目指す制度です。

FTXの経営破綻が起こる前、Mirana社はFTX.comでアクティブに取引を行っていました。活発な取引状況やBybitとの関係から、Mirana社はFTX.com内で「VIP」ステータスになるなど、優遇されていました。

その後、FTXの流動性危機が明るみに出ると、多くのFTXユーザーが出金できない状況となりました。そのような中でMirana社が特権を使うなどして、Mirana社などは合計で、約9.5億ドル相当の資産を出金したとされています。この出金が不当であるというのがFTX側の主な主張です。

チャプター11では、一部の債権者だけが救われるような状況を防ぐために、破産申請の数ヶ月前に行われた出金を無効にできるとされています。FTX側はこの点に基づいて、Mirana社などによる出金の取り消しを求めています。

Bybitからの声明はこれからか

本記事執筆時点(2023年11月14日)において、Bybitの公式サイトや公式Twitter(ツイッター)上で、Bybitによる声明は確認できません。

そのため現在は、FTX側の主張のみが確認できる状態となっています。

なお、BybitのCEOのBen Zhou氏は、2023年1月にMirana社に関する投稿を行っています。

上記の投稿では、以下のような点が説明されています。

  • Mirana社はBybitの資産の一部のみを管理している
  • 顧客の資産は切り離されている
  • Bybitの資産運用サービスは、Mirana社を利用していない

SNSでの反応

今回のFTXによる提訴は、11月11日の午前9時頃から報じられ始めました。Twitter(ツイッター)ではこれを受け、11日の午後になると関連する投稿が増えていきました。

本記事執筆時点(2023年11月14日)でも、今回の件についての投稿は見られます。ただし、投稿の数は減ってきており、注目度が下がっていると考えられます。

Bybitへの影響は?

今回のFTXによる提訴は、Bybit(バイビット)やBybitユーザーにどのような影響を与えたのでしょうか。それを考えるために、以下の3点を確認します。

  • 資金の流入・流出
  • デリバティブ取引高
  • 現物取引高

資金の流入・流出

分析ツールのDeFiLlama(ディーファイラマ)を使うと、取引所への資金の流入・流出量を確認することができます。2023年11月14日時点では、以下のデータが表示されています。

DeFiLlamaのCEX比較表
DeFiLlamaのCEX比較表

画像引用:DeFiLlama

直近24時間(11月13日〜14日)には、22.6百万ドルの資金流入があったことがわかります。また、直近の7日の間(11月7日〜14日)には、31.1百万ドルの資金流入がありました。

ここで確認できるデータはあくまで入出金の総額ですが、資金流入のほうが多かったという結果となりました。

デリバティブ取引高

続いて、価格トラッキングサイトのCoinGecko(コインゲッコー)を使い、Bybitのデリバティブ取引高を確認します。

2023年11月14日に確認できる出来高(7日間)は、以下のとおりとなっています。

海外取引所のデリバティブ取引高の比較

画像引用:CoinGecko

Bybitのデリバティブ取引高は、他の大手取引所の取引高と同じように推移しています。

現物取引高

現物取引高についてもCoinGeckoで確認してみましょう。2023年11月14日に確認できる出来高(7日間)は、以下のとおりなっています。

海外取引所の現物取引高の比較

画像引用:CoinGecko

Bybitの現物取引高も、他の取引所の取引高と同じように推移しています。

以上より、FTXによる訴訟がBybitに与えた影響は、今のところ限定的だと考えることができます。

Mantleへの影響は?

Mantle(マントル)が発行するMNTは、11月10日〜11日は70円前後でしたが、12日の未明に下落が進んでいます。その結果、同日の午前12時頃には65.5円を記録しました。しかし、それからは少しずつ上昇していき、再度70円に到達しています。

仮想通貨MNTの価格
仮想通貨MNTの価格

画像引用:CoinMarketCap

FTXによる訴訟のニュースが出たのは、11月11日頃です。これはMNTが下落を始めたタイミングと近く、ニュースが影響をした可能性もあるでしょう。

ただし、MNTは下落後に上昇を見せており、影響は限定的だと考えることができます。

訴訟の動向に注目

本記事執筆時点(2023年11月14日)では、Bybit(バイビット)の資金流入状況や取引高に異変はありません。したがって今のところは、FTXによる提訴の影響は限定的だといえます。

ただし、訴訟の進展によって状況が変わることも考えられます。Bybitは高い取引ボリュームを誇っており、業界内で存在感がある取引所ですので、今回の訴訟の動向には注視していきたいところです。


Date

作成日

2023.11.14

Update

最終更新

2023.11.14

Myforex編集スタッフー仮想通貨担当ー

2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

XMTradingがお年玉プロモーションを実施

海外FX業者XMTradingは、2024年12月3日〜12月31日までの期間限定で、お年玉プロモーションを実施すると発表しました。200ドル相当を入金して、2ロット以上取引すると抽選に参加できます。
update2024.12.03 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル