作成日
:2023.10.17
2023.10.17 17:38
仮想通貨(暗号資産)NTRNは、Neutronが発行する独自仮想通貨です。Neutronはコスモス(ATOM)のプラットフォームで、相互運用性のある環境でDApp(分散型アプリ)を構築できます。
大手取引所Binance(バイナンス)は、Binance LaunchpoolでのNTRNの取り扱いを決定し、SNS上で注目が集まっています。
当記事では、仮想通貨NTRNの評判や将来性、使い道、Neutronの特徴などを解説します。
画像引用:Binance
2023年10月10日、大手取引所Binanceは、Binance Launchpoolでの仮想通貨NTRNの取り扱いを発表しました。
Binance Launchpoolは、BNBなどの仮想通貨をステーキングし、報酬を山分けするサービスです。ステーキングプールに預け入れた仮想通貨の割合に応じて、報酬が割り当てられます。
2023年10月11日から10月30日にかけてステーキングすると、報酬としてNTRNを獲得できます。ステーキング可能な仮想通貨はBNB・TUSD・FDUSDの3種類で、毎日100万NTRN、合計2,000万NTRNが配布されます。
また、NTRNは10月10日にBinanceに上場しており、獲得したNTRNを売却することもできます。
画像引用:NRETRON公式X
仮想通貨NTRNは、Neutronが発行する独自仮想通貨です。Neutronはコスモス(ATOM)のプロジェクトで、クロスチェーンのスマートコントラクトプラットフォームとして開発されています。
通常、ブロックチェーンは独自の規格を持ち、相互運用性がありません。DApp(分散型アプリ)は各チェーン上で運用されており、ブロックチェーン間を自由に行き来できません。
DAppはスマートコントラクトを使って構築されます。スマートコントラクトを駆使することで、様々な処理が可能になります。
しかし、Neutronは異なるブロックチェーンと通信できるので、統合的なDApp運用が可能になります。
Neutronは、50以上のブロックチェーンと相互運用でき、これらのブロックチェーンに対応したDAppを簡単に構築できます。
Neutronは、コスモスハブのセキュリティを活用し、安全なブロックチェーン環境を提供します。
コスモスハブは、コスモス本体のブロックチェーンを指します。ネイティブトークンとしてATOMが使用されます。
この機能は、コスモスのインターチェーン・セキュリティによってもたらされます。インターチェーン・セキュリティは、コスモスハブのバリデータを使い、ブロックチェーンのセキュリティを向上させます。
バリデータは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)のブロックチェーンにおいて、トランザクションの承認などブロックチェーンの維持のために活動します。
Neutronは、インターチェーン・セキュリティを採用しています。
X(旧Twitter)でも、仮想通貨NTRNに注目が集まっています。Binance効果による価格高騰が期待されており、ATOMも活気付いて、コスモスエコシステム全体が盛り上がりを見せています。
取引所への上場がきっかけで仮想通貨価格が高騰することがあります。大手取引所ともなれば、上場による価格上昇の期待も高まります。特定の取引所上場でその傾向が顕著に現れる傾向があるため、「Coinbase効果」や「Binance効果」などと呼ばれることもあります。
仮想通貨NTRNの将来性に関して、以下の例を挙げられます。
Neutronは、Binance Labsが主導する投資ラウンドで、1,000万ドルの資金調達に成功しました。この資金は、Neutronの開発に充てられます。
Binance LabsはBinanceの投資部門であり、数々のプロジェクトを成功に導いた実績があります。
2023年9月、Neutronは、wstETHが利用可能になったと発表しました。wstETHはLido Financeが発行するリキッドステーキングトークンで、DeFi(分散型金融)で運用して仮想通貨を稼げます。
画像引用:Lido Finance
リキッドステーキングトークンとは、ステーキング期間中に引き出しできない仮想通貨について、流動性を確保するために独自に発行されるトークンです。Lidoの「stETH」やRocket Poolの「rETH」などが該当します。
Lido Financeは、人気のリキッドステーキングです。wstETHの運用に対応したことで、Neutronの利用拡大が期待できます。
画像引用:Medium
Neutronは、いくつかのプロジェクトに既に採用されています。直近では、Side Protocolが採用を発表しています。その他、ローンチパッドプロトコルのEclipse FIや、ウォレットサービスのVectisなども採用しています。
NTRN価格は横ばいで推移したのち、Binanceへの上場とBinance Launchpoolでの取り扱いが決定すると、史上最高値を更新する場面がありました。当記事執筆時点(2023年10月16日)では、40円台後半を推移しています。
画像引用:CoinMarketCap
仮想通貨NTRNの総供給量は10億枚とされ、当記事執筆時点(2023年10月16日)で、全体の20%台が発行されています。
これらの仮想通貨は、コミュニティやDAO、投資家、創設メンバーなどに割り当てられます。
NTRNには、以下の2つの使い道があります。
Neutronは、DAOにガバナンスを委ねています。NeutronのDAOでは、NTRNをガバナンストークンとして使い、投票による意思決定を行います。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
NTRNは、Neutronにおけるトランザクション手数料の支払いに使えます。手数料のうち25%は、インターチェーン・セキュリティの使用料に充てられ、残りの75%は、バーンされるかリザーブに送金されます。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指し、仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行されます。そして、そのウォレットの秘密鍵は開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
Neutronは、主に次の仕組みでブロックチェーン間の相互運用性を実現しています。
インターチェーン・クエリは、Neutronに対応するブロックチェーンから、データを取得するメカニズムです。取得したデータは、Neutronのスマートコントラクトに組み込んで利用できます。
ブロックチェーン間で通信するために、IBC(Inter Blockchain Communication)アカウントを使用し、ブロックチェーン間のトランザクションがまとめて処理されます。
Neutronの特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
画像引用:CosmWasm
ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行するには、仮想マシンと呼ばれる技術が必要です。例えば、イーサリアム(ETH)では、EVMがスマートコントラクトの実行に用いられます。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。
一方、コスモスでは、高性能仮想マシンCosmWasmが用いられます。Neutronは、強固なセキュリティや高い相互運用性など、コスモスエコシステムの恩恵を受けています。
Neutronでは、汎用的なプログラミング言語を使って開発が可能です。
仮想通貨市場では、イーサリアムも採用するSolidityがスマートコントラクトの開発言語として主流となっています。Solidityは、スマートコントラクト専用の言語なので、難しい部分もあり、開発のネックになる可能性があります。
Neutronは、RustやAssemblyScriptなどのプログラミング言語に対応しており、開発に取り組みやすい環境を提供しています。
Neutronは、様々な機能をモジュールとして提供しています。インターチェーン・クエリやインターチェーン・トランザクション、独自仮想通貨の発行などの機能もモジュール化されています。
モジュラー式のブロックチェーンは、核となる機能を別々に切り離して連結したブロックチェーンです。特定の機能を変更・追加したい場合、その機能が組み込まれたモジュールを変更するだけで済みます。
多数のブロックチェーンプラットフォームが乱立しており、DAppは複数のブロックチェーンでサービスを展開しています。
仮想通貨市場はマルチチェーン時代に突入しており、今後はNeutronのようなプロジェクトが重要になると考えられます。そうなれば、仮想通貨NTRNの需要も高まる可能性があるといえるでしょう。
作成日
:2023.10.17
最終更新
:2023.10.17
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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