作成日
:2023.08.25
2023.11.16 01:23
Courtyardは、トレーディングカードやスニーカーなどのコレクタブル(収集品)をNFT化できるサービスです。
日本国内では、ポケモンカードをNFT化できるサービスとして認知が広まっています。CourtyardのNFTは、トレーディングカードなどの現物資産を裏付けとして発行されており、いつでも実物の資産との交換が可能です。
当記事では、Courtyardの概要や仕組みを説明した上で、利用するメリットやリスクなどを解説します。
Courtyardは、現実世界のコレクタブル(収集品)をNFT化して取引できるマーケットプレイスです。
画像引用:Courtyard
Courtyardの公式サイトによると、トレーディングカードやスニーカー、時計などの収集品をNFT化できるとしています。ユーザーが所有する収集品をCourtyardに送付し、それを裏付けとしてNFTを発行します。
Courtyardは、ベンチャーキャピタル「Y Combinator」の支援を受けて立ち上げられました。米カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に、日本を含めて世界中にサービスを展開しています。
Courtyardでは、様々な収集品が取り扱われています。当記事執筆時点(2023年8月22日)では、主にポケモンカードや野球カードなどのトレーディングカードが取引されています。
画像引用:Courtyard公式Twitter
取引できるNFTは、現物資産の3Dアートのデザインが採用されています。これらのNFTは、OpenSeaなどの提携するNFTマーケットプレイスでも取引可能です。
Courtyardのプラットフォームは、Brink'sとの提携によって実現したといえます。
Brink'sは、貴重品の保管や輸送などをグローバル規模で手掛ける老舗企業です。Courtyardは、Brink'sと提携したことで収集品の安全な保管・管理、NFT償還による現物資産の輸送を可能にしています。
Courtyardは、日本国内の仮想通貨(暗号資産)コミュニティでも話題となっています。大手仮想通貨メディアがポケモンカードをNFT化できるサービスとして紹介しており、Twitter(ツイッター)上では、そのイメージで情報が拡散されているようです。
ポケモンカードは、現在人気のトレーディングカードとして高値で取引されています。そのため、Courtyardの登場で偽物や詐欺などのリスクが減るとして歓迎されています。
一方、Courtyardのサービスは、一般ユーザーにとって新しく難しい部分もあるため、普及には時間がかかるとの意見も見られます。
Courtyardは、次のような仕組みで成り立っています。
Courtyardは、現物のコレクタブル(収集品)を裏付けにしてNFTを発行します。
まずは、ユーザーがNFT化したい収集品を発送し、それが本物かどうか認定する審査が行われます。本物と認められれば、ユーザーのウォレットに直接NFTが発行されます。
発行されたNFTは保有するだけでなく、マーケットプレイスを通してユーザー間で売買できます。
トレーディングカードなどの収集品は、Brink'sが運営する複数の倉庫で安全に保管されます。ユーザーが希望すれば、NFTと引き換えにいつでも収集品の償還が可能です。
また、Brink'sは、日本をはじめ世界150カ国への配送に対応しています。そのため、世界中のユーザーが、NFTと現物資産の交換ができるといえます。
また、現物資産を償還する際は、それに対応するNFTがバーン(焼却処理)される仕組みになっています。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指します。仮想通貨を特定のウォレットに送ることで、実行できます。そのウォレットの秘密鍵は、開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
収集品をNFT化したユーザーには、1%の再販手数料が支払われます。つまり、二次流通市場で対象のNFTが取引される度に、その1%がそのユーザーに付与されます。
ただし、そのNFTに対応する現物資産が償還された場合、再販手数料の配布は終了します。
Courtyardは、外部サービスと連携して、保有するNFTの展示などができます。
画像引用:Courtyard
例えば、Oncyberを使えば、メタバース空間にギャラリーを作って、その中に自分のNFTを展示できます。他のユーザーをギャラリーに招待し、そこからNFTの販売につなげられるかもしれません。
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間を指します。仮想通貨市場では主にブロックチェーンゲームとして開発が進められており、メタバース関連銘柄と呼ばれる仮想通貨も数多く発行されています。
Courtyardは、Proof of Integrityと呼ばれる技術を採用しています。Proof of Integrityは、改ざんできないシールのようなもので、倉庫内に保管される収集品とNFTが紐付いていることを保証します。
Courtyardで保管する全ての収集品は、以下のように人間が読めるアイテムに関する情報と、固有の識別番号(ID)によって識別されています。
Nike | Dunk Low X UNION | Pistachio | US M 8 | CYXSNKS_DJ9649-401_USM8-001
Courtyard - より引用
これにより、たとえ同じデザインの収集品があったとしても、個別のIDによって異なる資産だと識別できます。
また、収集品を保管する際には、現物資産と個別IDを一緒に撮影します。以下の画像では、現物のスニーカーと「CYXSNKS_DJ9649-401_USM8-001」というIDが一緒に撮影されていることがわかります。
画像引用:Courtyard
これらの情報や写真へのリンクは、NFT化する際に、メタデータに組み込まれます。Proof of Integrityは、改ざん不可能な暗号化技術を採用しており、書き換えなどによる不正はできません。
つまり、NFTと紐付く収集品の情報を後から修正できないようになっています。従って、ユーザーの所有権が侵されることはありません。
従来のプラットフォームでの収集品売買と比較して、Courtyardには次のようなメリットが挙げられます。
トレーディングカードなどの収集品は、品質によって価値が異なります。中には、本物に見せかけた偽物も存在しており、インターネット販売において問題になりがちです。
しかし、Courtyardでは、査定企業によって審査された本物の収集品のみを取り扱っています。従って、全ての資産の品質が証明されており、利用者にとって安全に取引できる環境が整えられています。
どのような収集品であっても、状態の良さを保つためには適切な管理をする必要があります。
Courtyardでは、パートナー企業のBrink'sが運営する倉庫で収集品を管理してくれるので、個人で管理する手間が省けます。加えて、保管や輸送に関する保険も適応されており、破損や紛失などのリスクも回避できます。
CourtyardのNFT取引は、いわば収集品の所有権の売買といえます。
いつでもNFTと現物資産を交換できるので、実質的に収集品を取引していることになります。売買のたびに実物を郵送するといった手間が発生しないので、手軽に売買でき、取引の流動性が高まる可能性があります。
2023年8月3日、Courtyardは、イーサリアム(ETH)からポリゴン(MATIC)への移行を実施しました。ポリゴンへの移行に伴い、CourtyardウォレットでNFTを取引すると、ガス代が無料になります。
また、NFTの保管・管理手数料に加え、2024年まではNFT発行に関する手数料も無料となっています。
ポリゴン(MATIC)とは、高速処理・低コストを実現したイーサリアムのサイドチェーンです。ガス代が安く、性能が高いことから、多くのDApps(分散型アプリケーション)の構築に利用されています。
Courtyardが発行したNFTは、融資の担保として利用できるようになる見込みです。NFTを担保として預け入れれば、低金利での借入が可能となる予定です。
Courtyardを利用するリスクとしては、次のようなものが挙げられます。
カウンターパーティリスクとは、取引先が破綻などを起こし、契約が履行されないリスクを意味します。
Courtyardのシステムは、預かった収集品とNFTの交換を保証することで成り立っています。もし、その契約が履行されなければ、CourtyardのNFTは価値を失い、マーケットプレイスは機能しなくなるでしょう。
Courtyardは、中央集権型の組織であるため、カウンターパーティリスクの存在は理解しておく必要があります。
Courtyardに限らず、NFTは自身で管理するのが原則となっています。
そのため、管理を徹底できずに、NFTを失うリスクがあります。仮想通貨市場では、NFTを狙ったフィッシング詐欺が横行しています。被害は日常的に発生しており、注意していても思わぬ形でNFTを盗まれてしまうかもしれません。
フィッシング詐欺とは、インターネットにおける詐欺のひとつです。信頼できる企業や団体になりすまして、クレジットカード情報や仮想通貨に関する情報、個人情報を盗みます。仮想通貨市場では様々な詐欺が横行しており、フィッシング詐欺は最も一般的な詐欺手法の一つです。
CourtyardのNFTは、高価な収集品の引換券として機能しています。もしNFTを失ってしまった場合、その被害は大きくなると想定されます。
Courtyardに関するよくある質問と、その回答は次のとおりです。
Courtyardでは、仮想通貨(暗号資産)に加え、クレジットカードとデビットカードでの支払いが可能です。
収集品の発送完了後、本物かどうかの審査や3Dレンダリングなどが行われます。そのため、通常であればNFT発行までに1〜2週間の時間がかかります。
しかし、ユーザーの居住地によっては収集品が倉庫に届くまでに時間を要するため、NFTの発行が遅れる可能性があります。
セキュリティ上の理由のため、倉庫がある住所は明かされていません。しかし、今後は複数の大陸を跨いで、倉庫を開設していくとしています。
Courtyardは、預かり資産の全てに保険をかけています。この保険は、収集品を預かったときの市場価値に基づいてかけられています。万が一、資産の破損や紛失があった場合、NFT保有者に保険金が支払われる仕組みになっています。
収集品を預け入れる際には、Courtyardが送料を支払います。NFTを償還して現物資産を取り戻す際には、NFT保有者に送料が請求されます。どのくらいの送料がかかるかは、ユーザーの居住地と倉庫の距離によって変わります。
仮想通貨(暗号資産)市場では、現物資産、すなわちRWA(Real World Assets)のトークン化がひとつのトレンドとなっています。RWAには、証券や不動産、貴金属などが含まれており、様々な資産がトークン化される動きが加速しています。
RWAのトークン化は、巨大市場に成長することが期待されています。Courtyardも、その流れの中で誕生したサービスだと考えられます。今後、Courtyardがトレンドの一端を担うような存在となっていくのか注目です。
作成日
:2023.08.25
最終更新
:2023.11.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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