作成日
:2023.07.12
2023.07.19 17:09
2023年6月30日から7月7日にかけて、Mantle(旧BitDAO)で提案(MIP-23)に対する投票が行われました。これはMNTトークンの総供給量を抑える提案で、賛成多数で可決となりました。
当記事では、投票の背景や、可決によりもたらされる影響について解説します。
Mantleはイーサリアム(ETH)のレイヤー2プロジェクトであり、MNTはMantleの独自仮想通貨です。
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
Mantleは、BitDAOのリブランディングでできたプロジェクトです。BitDAOは大手取引所Bybitが支援するDAO(分散型自治組織)であり、DeFi(分散型金融)プロジェクト支援を主な目的に活動してきました。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
DeFi(ディーファイ)とはブロックチェーンを活用した金融サービスで、分散型金融と呼ばれます。分散型金融を意味する英語の「Decentralized Finance」の頭文字を取ってこのように呼ばれます。
この方針に沿って、BitDAOはMantleの立ち上げと支援をしてきました。しかし結果として、複数のブランドが立ちあがったことで効率性に問題が生じました。これを受けて、BitDAOのブランド名をMantleに統一し、効率性の向上を目指しています。
MNTはMantleで使用されるトークンで、BitDAOのブランド変更で公開されました。ガバナンストークンとしてもユーティリティトークンとしても使用されます。
ガバナンストークンとは、DeFi(分散型金融)において、プロジェクトの新しい機能の追加・削除・変更や、開発などの方針の提案(投票)を行う権利を持つトークンを指します。
ユーティリティトークンは何らかの実用性を持った仮想通貨を指します。具体的には、特定のサービスへアクセスしたり決済に利用したりできます。
なお、BitDAOが発行していたBITトークンは、1:1の割合でMNTトークンに交換されました。
今回投票されたMIP-23は、Mantle Treasuryが保有している30億BITをMNTと交換せずにバーンするという内容です。
投票開始前の時点で、市場に流通していたBITの総量はおよそ32億BIT、Mantle Treasury保有のBITは60億BITでした。Mantle Treasury保有のBITは流通しているBITの2倍もあり、これらが全て市場に放出されると価格が暴落する可能性があります。
そこで、Mantle Treasury保有のBITのおよそ半分をバーンして、価格の安定とMantle Treasuryの業務効率化の両立を図ろうとしました。
賛成票が圧倒的に多く、2億300万BITがYesに投票し、Noに投票したのはわずか904BITにとどまりました。
MIP-23が可決されたことで、以下の影響が考えられます。
MNTの総供給量が減少することで希少性が高まり、価格が上昇する可能性があります。
現在のトークンホルダーや将来のトークンホルダーにとって、MNTの価格を予測しやすくなります。
画像引用:CoinMarketCap
BITがMNTに交換されて以降、価格が右肩上がりになっている様子が分かります。当記事執筆時点(2023年7月19日)においては、MIP-23の期待通りになっていると言えそうです。
2023年7月19日現在、仮想通貨(暗号資産)MNTは、日本国内の取引所では取り扱われていません。そのため、取引は海外取引所で行います。各海外取引所におけるMNTの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) | 〇 |
× |
(バイナンス) | × |
× |
(ゲート) | × |
× |
(メクシー) | 〇 |
〇 |
(ビンエックス) | 〇 |
× |
(ビットゲット) | × |
× |
(コインイーエックス) | × |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
× | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でMNTを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、MNTの購入ページ(MNT/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには、口座を開設しておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でMNTを購入するには、以下のように操作をして「MNTを買う」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
MNTはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「MNTを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したMNTは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
MIP-23の提案可決により、従来よりもMNTの価格予測をしやすくなり、また、Mantle Treasuryの業務遂行に支障も出ないとされています。今後、MNT価格が安定、上昇する可能性があります。
作成日
:2023.07.12
最終更新
:2023.07.19
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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