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BitDAOがMantle Networkの立ち上げと支援を発表、その特徴と将来性を解説

BitDAOがMantle Networkの立ち上げと支援を発表、その特徴と将来性を解説

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update 2023.05.26 16:02
BitDAOがMantle Networkの立ち上げと支援を発表、その特徴と将来性を解説

update 2023.05.26 16:02

2022年11月30日、BitDAOはMantle Network(マントルネットワーク)の立ち上げと支援を発表しました。Mantle Networkはイーサリアム(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンであり、2023年のテストネット運用開始が見込まれています。

当記事では、Mantle Networkの特徴や将来性に焦点を当てて解説していきます。

caution BitDAOがMantleに、BITがMNTに

2023年5月19日、ブランド名をBitDAOからMantleに変更することが決まりました。また、BITトークンはMantleトークン(MNT)に置き換えられる見込みです。

BitDAOの発表

BitDAOはレイヤー2ブロックチェーン「Mantle Network」を立ち上げて支援することをTwitter(ツイッター)上で公表しました。

point レイヤー2とは

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。

BitDAOはMantle Networkを支援することで、イーサリアムが抱える課題の解決を目指しており、「市場参加者に、最高のWeb3.0・DeFi(分散型金融)・GameFi環境を提供することを目的とする」とコメントしています。

Web3.0に投資するBitDAO

BitDAOは、Web3.0実現のために仮想通貨関連プロジェクトに投資しています。仮想通貨市場で屈指の大きさを誇り、その規模は170億ドルを超えています。投資先は以下の通りで、ここにMantle Networkが加わります。

プロジェクト名 活動内容
zkDAO イーサリアムにおけるレイヤー2の開発
EduDAO 大学教育などの支援
Game7 ブロックチェーンゲームの開発
PleasrDAO NFTアートへの投資
AfricaDAO アフリカにおけるWeb3.0の普及促進
point Web3.0とは

Web3.0とは、分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。

Mantle Network開発の経緯

Mantle Networkは既存のレイヤー2が抱える課題を解決するために考案され、2022年6月にBitDAOの有力な貢献者によって提案されました。

既存のレイヤー2は、ブロックチェーンとしての効率性を高めるために妥協している部分がいくつかあります。特にセキュリティ面では十分な性能ではなく、多数のハッキング被害を受けています。

例えば、人気Play to EarnのAxie Infinityは、専用のレイヤー2でのハッキングにより約6億ドルの被害を受けました。

point Play to Earnとは

Play to Earnとは、遊んでお金を稼ぐことを指します。すなわち、ブロックチェーンゲームで遊ぶと、NFTや独自仮想通貨などの報酬を得られます。Play to Earnから派生したMove to Earn(運動して稼ぐ)なども、流行しています。

加えて、スケーラビリティも十分でなく、何かしらの改善が求められています。Mantle Networkは安全で送金手数料が安いソリューション構築に取り組んでおり、革新的なレイヤー2となることが期待されています。

Bybitが支援を表明

大手取引所のBybitはBitDAOを継続的に支援しており、Mantle Network支援を表明しました。CEOのBen Zhou氏は、「待ちに待ったBitDAOのレイヤー2です。BybitはBitDAO同様にMantle Networkをサポートします」とコメントしました。

point DAOとは

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。

ネイティブトークンにBITを採用

Mantle Networkは、ネイティブトークンとしてBITトークンを採用しています。BITトークンはBitDAOのガバナンストークンであり、BitDAOにおける投票券としての役割だけでなく、事実上Bybitの取引所トークンとして利用されています。

point 取引所トークンとは

取引所トークンは各取引所が発行する独自仮想通貨を指します。保有者には取引手数料の割引やIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)への参加権利などの特典が付与されます。有名なものとしては、BinanceのBNBがあります。

Mantle Networkは独自仮想通貨を発行せずにBITトークンを使い、主にガス代として利用されます。また、Mantle NetworkのガバナンスはBitDAOが行いますので、ガバナンスに関与するにはBITトークンが必要になります。

Mantle Networkの特徴

Mantle Networkは新しいレイヤー2として開発されており、競合のソリューションにはない独自の特徴を持っています。

モジュラー式のブロックチェーン

モジュラー式のブロックチェーンとは、核となる機能を別々に切り離して連結したブロックチェーンを指します。

一方、従来のブロックチェーンは、1つのブロックチェーンが複数の機能を同時に担っており、これをモノリシック式といいます。モジュラー式を採用することで、効率性を高めることができます。

モジュラー式のブロックチェーン説明画像

高負荷な利用に対応できる

Mantle Networkは毎秒1TB(テラバイト)以上のデータ処理能力で設計されており、大規模なトランザクションにも対応可能です。これにより、高い負荷がかかるブロックチェーンゲームや複雑なDeFi関連サービスなどにも利用可能だと考えられます。

EVM環境を提供

また、Mantle NetworkはDAppプラットフォームとしてEVM環境を提供しています。EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。

knowledge DAppとスマートコントラクト

DAppはスマートコントラクトを基礎に構築されます。スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムであり、プログラミング言語で記述されます。DAppはスマートコントラクトを駆使することで、ブロックチェーン上の様々なトランザクションが可能になります。

EVMは多数のブロックチェーンに採用されており、それらのブロックチェーンは互換性があり、一から開発せずともDAppの移植が簡単にできるようになります。Mantle NetworkはEVM環境を提供することで、開発者を取り込もうとしています。

Mantle Networkの将来性

Mantle Networkは、2023年第1四半期中のテストネット公開を計画しています。

ロールアップの実装

ロールアップとは、レイヤー2のトランザクションを高速化する技術です。主に「ZKロールアップ(ZK Rollup)」と「Optimisticロールアップ(Optimistic Rollup)」が存在します。

Mantle Networkはこれら2つのロールアップ技術導入を計画しており、テストネットの立ち上げから約3か月後にOptimisticロールアップの実装、メインネットの立ち上げから6か月から12か月後にZKロールアップの模索が予定されています。

これらのロールアップが実現すると、性能が大幅に向上すると予想されます。

EIP-3074への対応

EIPはイーサリアムのコミュニティで提案される改善提案を指し、EIP-3074はトランザクションをシンプルにするものです。

DAppを利用するにはウォレットを接続してアクセスを承認する必要がありますが、EIP-3074が実装されると、承認作業などが省略できるようになり、より簡単にDAppを利用できるようになります。Mantle Networkはこれに対応することを発表しています。

エコシステムの拡大

Mantle Networkは幅広い分野で利用可能で、BitDAOが支援するプロジェクトで利用されることが確実視されています。

また、ApeX Protocol(APEX)もMantle Networkの利用を示唆しています。ApeX ProtocolはDEX(分散型取引所)であり、レバレッジ取引ができます。

このように、Mantle NetworkはBitDAOとの繋がりを中心にエコシステムを拡大していくことが予想されます。

BITトークン価格に好影響か

Mantle Networkは、他の仮想通貨関連プロジェクトと違い独自仮想通貨を発行していません。代わりにネイティブトークンとしてBITトークンを採用しています。

現時点でMantle Networkに直接投資することはできないので、Mantle Networkに投資するには、BITトークンを買い求めるしかありません。従って、Mantle Networkの影響はBITトークン価格に間接的に反映されることとなります。

これにより、BITトークンの需要は高まりを見せるのでしょうか。まだMantle Networkはリリースされていませんが、今後が楽しみです。


Date

作成日

2022.12.06

Update

最終更新

2023.05.26

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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