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スナク政権の緊縮財政で景気後退懸念が加速する!現役トレーダーポンドマンが12月のポンド相場を予想!

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update 2022.12.06 17:12
スナク政権の緊縮財政で景気後退懸念が加速する!現役トレーダーポンドマンが12月のポンド相場を予想!

update 2022.12.06 17:12

2022年12月のポンド相場は、方向感がつかみにくい展開が予想されます。

12月のポンド円予想

comment

ポンドは上値が重く、円も売られやすくなると予想されます。

ポンド円予想

緩和政策と貿易赤字で円安トレンド継続

10月の全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、約40年ぶりの伸び率でした。しかし、黒田日銀総裁は「コアCPIの先行きは来年半ばにかけてプラス幅を縮小すると予想」「消費者物価の前年比は来年度以降2%を下回る」などの見解を示し、異次元緩和の継続を強調しています。このことから日銀の緩和スタンスは変わらず、円は売られやすい状況が続く見通しです。

また、日本の貿易赤字は、22年度累計で20兆円規模になると予想されており、実需による円売りドル買いは続くと見られています。日銀が先般の為替介入に使った金額は3兆円から6兆円と言われていますが、貿易赤字はそれを大きく上回る金額で、円を売ってドルを買うことで支払資金を調達する必要があるでしょう。

11月や12月も、貿易赤字により円が売られる状況はしばらく続くと考えられます。ポンドも弱い状態が続いているため、ポンド円はレンジ相場が続く予想です。一方、今まで金融緩和維持で売られてきた円は、緩和政策の解除や出口戦略についての話題などが出てきた場合、一斉に買い戻される可能性があります。この場合、ポンド円は大きく下落する可能性があるため要注意です。

comment

日銀の要人発言に注目です。

ポンド円のチャート分析

11月末時点におけるポンド円の日足チャートです。11月のポンド円は、はっきりとした方向感が出ず、調整局面が続いています。

ポンド円の押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 押し目の第1ターゲット:165.8円
  • 押し目の第2ターゲット:165.3円
  • 押し目の第3ターゲット:166.2円
comment

12月は円高に進む可能性があるので、押し目狙いは慎重に。

ポンド円の押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 戻りの第1ターゲット:172円
  • 戻りの第2ターゲット:169円
comment

ファンダメンタルズの大きな変化がない限り、上記の価格では売りを検討しています。

12月のポンドドル予想

comment

利上げ幅に注目しましょう。

ポンドドル予想

ドル買いは終了、ドル売りが進めばポンドドルは上昇か!?

米国のFRB(連邦準備制度理事会)が、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ幅を縮小するのではないか、と予想されています。

当初、FRBのターミナルレート(利上げの終了水準)は5%を超えるとの予想でした。しかし、10月のCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)が予想を大きく下回ったことで、物価高はピークアウトしたと受け止められ、「FRBは金融引き締めを後退させる」「ターミナルレートは5%に届かない」との観測が高まり、ドル売りが出始めています。

FRBの要人は、「単月の結果だけを見て物価高が落ち着いたとは判断できない」と発言していますが、11月のCPIが予想を下回る結果となれば、FRBの金融引き締め後退やターミナルレート引き下げの観測はより高まり、ドル売りが加速する可能性は高くなります。12月のFOMCの結果と併せて、ドル売りが加速しないかどうか注目です。

これまでドル買いトレンドが長く続いたこともあり、ドルインデックス(ドルの強さを表す指標)はかなりの高さになっています。ドル売りが進み始めた場合、かなりの勢いになる可能性があるので要注意です。

ポンドドルのチャート分析

11月末時点におけるポンドドルの4時間足チャートです。ポンドドルは、11月後半にかけて上昇トレンドを描いています。

ポンドドルの押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 押し目の第1ターゲット:1.2
  • 押し目の第2ターゲット:1.95
comment

しっかり下に引きつけて買うようにしてください。

ポンドのファンダメンタルズ分析

12月のポンドは、「物価高」と「景気後退」に注目です。

物価高

トラス前首相の大幅減税政策により英金融市場は混乱し、ポンドが大きく売られました。その後、トラス前首相に代わってスナク首相が就任し、スナク政権は財政健全化のために緊縮財政計画を発表しました。この緊縮財政計画により、英金融市場はとりあえず落ち着きを取り戻していますが、今後の英経済の状況によっては、再度ポンド売りが進む可能性があり注目です。

物価高に関しては、10月のCPI前年比が+11.1%と9月の+10.1%からさらに上昇し、41年ぶりの高水準となっています。物価高を抑える為に、英中銀は大幅利上げを実施しなくてはならず、これは英経済に大きなダメージです。

景気後退

英国はエネルギー価格の上昇と、人手不足で人件費が高騰したことによる物価高、さらに緊縮財政による経済対策の縮小から、景気後退が懸念されています。

エネルギー価格の上昇はロシア・ウクライナ情勢、人手不足はEUから離脱したことによる出稼ぎ人材の減少が要因です。特に、エネルギー価格の上昇は輸入物価の上昇にも繋がるため、英国の貿易赤字を拡大させ更なるポンド売りの契機となります。どちらもすぐに解決することは難しく、景気の後退は避けられない状況です。

このような景気後退に対して、これまで英政府は経済対策で支えていました。しかし、今後はスナク政権の緊縮財政により経済対策の補助が減少することで、一気に景気後退へ繋がる見込みです。

景気後退に英国民がどこまで耐えられるのか、耐えられなくなったときに暴動などが起きないか、そしてスコットランドの独立問題やアイルランドとの国境問題などといった、他のリスク要因に繋がらないか注意する必要があります。

comment

一時的にポンドの上昇はあると思いますが、長期的にはポンドの上値を抑える展開を予想しています。


Date

作成日

2022.12.06

Update

最終更新

2022.12.06

ポンドマン | Pond Man

現役大学生トレーダー

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ポンドマン

英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。

【運営メディア】
https://www.easthillfx.co.jp/column/

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