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​​レンディング大手BlockFiが経営破綻した経緯を解説、連鎖するFTXの影響

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update 2022.12.01 15:57
​​レンディング大手BlockFiが経営破綻した経緯を解説、連鎖するFTXの影響

update 2022.12.01 15:57

2022年11月末、仮想通貨(暗号資産)レンディング大手のBlockFiが破産申請しました。これは大手取引所FTXの経営破綻の影響だと考えられています。当記事では、BlockFiが経営破綻に至った経緯や仮想通貨市場の動きなどを解説していきます。

仮想通貨レンディングBlockFiとは

BlockFiは米国を拠点にする仮想通貨レンディング大手です。仮想通貨レンディングとは仮想通貨を預けると金利収入を得られるサービスであり、金利を支払って仮想通貨を借りることも可能です。

日本からも利用できる人気サービスであり、仮想通貨レンディングだけでなく、仮想通貨取引やウォレット、企業向けサービスなども展開しています。ちなみに、日本の大手企業であるリクルートはBlockFiに出資しています。

仮想通貨レンディングの説明画像

中央集権型と分散型

仮想通貨レンディングには、中央集権型と分散型のサービスが存在します。中央集権型とは特定の企業が提供するサービスであり、BlockFiは中央集権型に分類されます。

中央集権型

中央集権型は一般的にユーザー向けのサービスが充実しており、ユーザーの管理負担が小さいというメリットがあります。例えば、IDやパスワードを忘れてしまっても、運営企業に連絡すれば自分のアカウントにアクセスできます。

その一方、透明性の低さがデメリットです。例えば、自分の仮想通貨が誰にどのような条件で貸し出されるか不明ですし、運営会社が顧客資産で不正を働いても外部からは分かりません。取引所大手FTXの経営破綻は、中央集権型のデメリットが如実に出てしまった例です。

銀行も中央集権型で、広く一般から預貯金を集めて企業や個人等に貸し出しています。よって透明性は低いのですが、銀行は法律等で厳しく管理されていますので、突然の経営破綻や預金がゼロになる事態を想定しなくても大丈夫です。銀行はこの点で仮想通貨の世界と大きく異なります。

分散型

一方、ブロックチェーン上に構築されるサービスは分散型であり、DeFi(分散型金融)と呼ばれます。分散型のサービスには開発者が存在するものの運営者はいませんので、すべて自分で管理します。

例えば、重要な情報を忘れてしまった場合、一般的にプロジェクトに助けを求めることはできません。また、ハッキング被害や開発者による出口詐欺も発生しており、さらに共通言語は英語になりますから、ある程度のリテラシーが必要な点がデメリットになります。

その一方、自分の仮想通貨の貸出条件は明らかであり、透明性がとても高いのが特徴です。分散型サービスで有名な例としては、AaveやCompound、MakerDAOなどが挙げられます。

なお、一般的に分散型サービスはDAOで運営方針が定められており、ユーザー自身が開発に関与できるのが特徴的です。

point DAOとは

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。

BlockFiが破産申請へ

2022年11月28日、BlockFiとその関連会社8社が米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請しました。米連邦破産法11条は日本の民事再生法に相当し、経営を継続しながら負債を削減して経営再建を目指す制度です。

BlockFiの財務状況

BlockFiの債権者は合計10万人以上にのぼり、その債務は10億ドルから100億ドル程度とされています。大口債権者のリストで債権額が多いのは、7億2,900万ドルのAnkura Trust Company、2億7,500万ドルのFTX US(FTXの米国企業)となっています。

その一方で、現金保有残高は2億5,000万ドル以上となっています。

BlockFi破産の経緯

2022年半ば、ステーブルコインUSTを発行するテラ(LUNA)のエコシステムが崩壊して、歴史的な大暴落を記録しました。

knowledge USTの暴落

2022年5月、分散型ステーブルコインのUSTが米ドルとの連動性を失いました。USTは裏付けとなる資産を保有しないため、価格が崩壊してほぼ無価値になり、LUNAも同様にほぼ価値を失いました。この騒動により、時価総額にして4兆円以上が失われました。

USTのチャート

画像引用:CoinMarketCap

BlockFiの顧客の一つに、大手仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)があります。3ACはBlockFiなど仮想通貨レンディングから資金を借り入れ、レバレッジをかけて運用していたことが指摘されており、USTとLUNAの崩壊で経営破綻しました。これにより、BlockFiは痛手を負ったと考えられています。

加えて、BlockFiは米SECや複数の州当局に規制上の問題で訴えられており、和解のために罰金の支払いなども科せられています。このような背景から、BlockFiは資金繰りに苦労していたと推測されています。

借り入れ需要が減少

BlockFiのビジネスモデルは、ユーザーから預かった仮想通貨を第三者に貸し出して金利を得るという方法です。この金利を貸し手のユーザーに分配することで、仮想通貨レンディングの仕組みが成り立っています。

これまで企業の借り入れ需要が大きくありましたが、2021年頃から市場環境の変化で借り入れ需要が減少に転じた模様です。その結果、BlockFiは貸し手への金利分配を減額し、2022年6月にはソラナ(SOL)とアバランチ(AVAX)の金利を10%から5%に、ポリゴン(MATIC)を11%から5%に引き下げました。

金利を引き下げても、低迷する仮想通貨市場に苦しんでいたと推測されます。

FTXの経営破綻が決め手か

このような状況で、FTXはBlockFiに救いの手を差し伸べました。BlockFiはバランスシートとプラットフォームを強化することなどを目的に、FTX USやFTXの姉妹会社アラメダリサーチから巨額の融資を受けることに合意しました。

しかし、2022年11月にFTXが経営破綻したため、BlockFiは資金的な後ろ盾を失って経営破綻した模様です。

knowledge FTXの経営破綻

FTXはハイリスクな経営を行っており、手持ち資金が枯渇して顧客資産を払い出せない状況に陥りました。競合のBinanceによる救済を模索しましたが、結局失敗に終わっています。この影響は仮想通貨市場全体に波及しており、CEX(中央集権型取引所)の信頼が揺らいでいます。

レンディングサービスの現状

仮想通貨市場では中央集権型のサービスが次々と破綻しており、最近ではCelsius Networkが経営破綻しています。FTX破綻の影響で、BlockFi以外の仮想通貨レンディング企業も心配されています。

Genesis

Genesisは仮想通貨レンディングに加えて、企業向けの流動性サービスやカストディサービスを提供しています。3ACの破綻でGenesisも影響を受けてしまい、資金を手当てしたものの、FTX破綻を受けて顧客の出金要請が殺到しました。これを受けて、2022年11月16日に顧客の出金および新規ローンを停止しています。

Nexo

NexoはBlockFiと並ぶ人気の仮想通貨レンディングプラットフォームで、預け入れ資産の大半をコールドウォレットに保管しています。これを証明するために第三者機関による監査を行い、準備金の証明を提出することで安全性を示しています。

下の画像は準備金の状況を示しており、必要な額よりも多い仮想通貨を保有していることが示されています。

NEXOの準備金証明

画像引用:armanino

point コールドウォレットとは

コールドウォレットとは、インターネットに接続されていないウォレットを指し、ハッキングの危険性が比較的低く安全性が高いのが特徴です。

レンディング冬の時代

仮想通貨市場は落ち込んでおり、レンディングについても全体的に低迷しています。下は大手DeFiレンディング「AAVE」のTVLの推移です。TVLとは預入資産額を示し、2021年10月の190億ドル台を頂点にして下落し続けている様子が分かります。

NEXOの準備金証明

画像引用:DefiLlama

しかし、仮想通貨市場が冬の時代になったとはいえ、ビットコイン価格は200万円台を維持しており、これは2018年から2020年にかけての価格と比べて2倍くらいの水準です。また、GameFiやメタバースなど新分野も登場しており、今後も仮想通貨分野は発展していくと予想できます。

そこで、冬の時代でも生き残るプロジェクトは何かを検討しつつ、レンディングを利用していくことになるでしょう。


Date

作成日

 : 2022.12.01

Update

最終更新

 : 2022.12.01

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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