Select Language

「景気後退と政治リスクがポンドの上値を抑える展開に」現役トレーダーポンドマンが11月のポンド相場を予想!

「景気後退と政治リスクがポンドの上値を抑える展開に」現役トレーダーポンドマンが11月のポンド相場を予想!

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.11.09 14:56
「景気後退と政治リスクがポンドの上値を抑える展開に」現役トレーダーポンドマンが11月のポンド相場を予想!

update 2022.11.09 14:56

2022年11月のポンド相場は乱高下、荒い値動きの展開が予想されます。

11月のポンド円予想

comment

円買い介入の警戒とポンド安の影響から、ポンド円は下落すると見ています。

ポンド円予想

基本は緩和政策と貿易赤字で円安トレンド継続だが......

黒田日銀総裁は任期前の辞任を否定しており、来年の任期満了まで異次元緩和と呼ばれる金融政策を継続すると見られています。世界的には、物価高を抑制することを目的として各国中銀が利上げ(金融引き締め)を進めている中で、日銀だけが緩和政策を進めている状況です。金融政策の違いから、円売りの圧力は強いままだと見られています。

日本は、エネルギー価格の上昇や円安による輸入物価の上昇から、貿易においては過去最大の赤字となっており、貿易赤字による円売り圧力も強いのが現状です。この影響もあって、クロス円は基本的に円安方向へ進んでいますが、日本政府や日銀による円買い介入で買い支えられています。

今後も、日銀による円買い介入を警戒する展開は予想されますが、原資が無くなれば円を買い支えることも不可能となります。そのため、日銀が円買い介入を行うための原資が、いつまで持つのかという点には要注意です。

また、日銀の次期総裁候補にも注目です。黒田総裁の任期満了が近いことから、今後は日銀の次期総裁候補について話題が出始めると考えられます。次期総裁候補によって、現在実施されている緩和政策の出口戦略や、金融引き締めに関する発言があると、日銀の政策変更を事前に織り込むよう円買いが進む可能性も高くなるでしょう。

以上の理由から円安方向が基本ではありますが、円買い介入への警戒感やポンド安といった要因がそれを上回るため、ポンド円の上値は重く下落の可能性が高いと思います。

comment

円買い介入で円高に動いたり、ポンドが動いたりで、乱高下しながら下落していくのではないかと予想しています。

ポンド円のチャート分析

10月末時点におけるポンド円の日足チャートです。10月のポンド円は、160円台を押し目にして、171円台にまで乗せる上昇を見せました。

ポンド円の押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 押し目の第1ターゲット:157.5円
  • 押し目の第2ターゲット:153.1円
  • 押し目の第3ターゲット:150.7円
comment

11月は円高に進む可能性があるので、押し目狙いは慎重に。

ポンド円の押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 戻りの第1ターゲット:174.8円
  • 戻りの第2ターゲット:180円
comment

ファンダメンタルズの大きな変化がない限り、上記の価格では売りを検討しています。

11月のポンドドル予想

comment

ドル買いの圧力が低下するよりも、ポンド安が強いと見ています。

ポンドドル予想

ドル買いトレンドは終了間近だが、ポンド安でポンドドルは下落

アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、物価抑制のために大幅利上げを続けており、11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも大幅利上げが行われるとの予想です。ただ一部では、11月のFOMCで大幅利上げを実施するものの、12月FOMCに利上げ幅を縮小したり、利上げペースを鈍化させたりすることについて、併せて議論されると報じられています。

実際に議論されるかどうかも当然ながら大事ですが、このような報道が出始めたこと自体、マーケットがFRBの引き締めピークを織り込み始めることに繋がるため、今までのようなドル一強の終わりは近いと考えられます。ドル買い圧力の低下が、どの程度なのかを見極めることが重要です。

1つのポイントとして、FRBのターミナルレート(利上げの終了水準)がどのレベルなのかに注目しています。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が提供するFedWatchツールによると、FRBの利上げ終了は来年半ばで水準は4.5%から5.0%を見込んでいるようです。もし、この水準が低下するようであれば、ドル買いは終わることが考えられます。

FOMCでの記者会見、CPI(消費者物価指数)やPCEデフレーターなど重要な指標の変化を受けた際は、ターミナルレートの変化にも注目したいところです。ただ、それでもドル買いの終わりが近いだけで、いきなりドル売りが加速するようなことにはならないと見ています。ポンド売りの方が強いと考えられるので、ポンドドルは下落する予想です。

ポンドドルのチャート分析

10月末時点におけるポンドドルの日足チャートです。ポンドドルは、先月高値の1.173ドル付近まで戻してきています。

ポンドドルの押し目買いターゲット

画像引用:Tradingview

  • 押し目の第1ターゲット:1.14
  • 押し目の第2ターゲット:1.1
  • 押し目の第3ターゲット:1.075
comment

しっかり下に引きつけて買うようにしてください。

ポンドドルの戻り売りターゲット

画像引用:Tradingview

  • 戻りの第1ターゲット:1.173
  • 戻りの第2ターゲット:1.183
comment

戻り売りを狙うか、あるいはブレイクしたら高値を追いかけるかは、ファンダメンタルズ分析も参考にしてください。

ポンドのファンダメンタルズ分析

11月のポンドは、「英政治」と「景気後退」に注目です。

英政治

ジョンソン元首相の後任として首相に就任したリズ・トラス氏が、1ヵ月半という英国史上最短で辞任したのは記憶に新しいところです。トラス前首相は、英中銀の金融引き締めによる景気後退への対策として、大型減税や補助金を検討しましたが、財源が用意できずに金融不安や財政不安を招き、辞任することとなりました。

トラス前首相の辞任により、大型減税案や補助金などの政策が白紙撤回され、金融不安や財政不安は一旦後退してポンドが買い戻されたものの、景気後退や以前からの財政不安は残ったままです。次期首相にはリシ・スナク前財務相が就任しましたが、景気後退は避けられず、ポンドの上値を抑えるのではないかと考えています。

また、スナク新首相の支持率は高くなく、保守党をまとめられるのかという点でも不安が残ります。トラス前首相の早期辞任による混乱などで、与党である保守党の支持率は低下しており、このまま解散総選挙をすれば労働党に政権交代するのではないかと言われるほどです。スナク首相が安定した政権運営をできるのかが政治リスクとなって、ポンドの上値を抑えると予測しています。

景気後退

英国は、エネルギー価格の上昇と、人手不足からくる人件費の高騰により物価高となっており、その影響による景気後退が懸念されています。エネルギー価格の上昇はロシア・ウクライナ情勢、人手不足はEUから離脱したことによる出稼ぎ人材の減少が要因です。

どちらもすぐに解決することは難しく、景気の後退は避けられません。また、エネルギー価格の上昇は輸入物価の上昇にも繋がり、英国の貿易赤字を拡大させる点もポンド売りの要因です。

comment

一時的にポンドの上昇はあると思いますが、長期的にはポンドの上値を抑える展開を予想しています。


Date

作成日

2022.11.09

Update

最終更新

2022.11.09

ポンドマン | Pond Man

現役大学生トレーダー

arrow
ポンドマン

英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。

【運営メディア】
https://www.easthillfx.co.jp/column/

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingが年末トレード大会を開催!ランク外でも賞金獲得のチャンスあり

Vantage Tradingが、年末恒例となる大型トレード大会「年末ミリオンジャンボ2025」の開催を発表しました。今回のイベントでは副賞も用意されているので、ランク外でも賞金獲得のチャンスがあります。この記事では、参戦を検討しているユーザー向けに、各種条件やルールを説明します。
update2025.11.28 19:00

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

豪華なのに難しい?XMTradingが開催中のクリスマス入金ボーナスプロモーションは「アリ」なのか?

XMTradingで最大$25,000を獲得できる入金ボーナスキャンペーンが開催され注目を集めています。一見すると豪華なキャンペーンにみえますが、一般的な入金ボーナスとは条件が異なり、一部では条件が厳しいとの声もあります。本記事では、参加する価値のあるイベントなのかを説明します。
update2025.11.26 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル
close
promotion
今すぐ参加する

次回から表示しない