作成日
:2022.10.31
2024.07.16 10:50
2022年10月24日、海外FX業者のBigBossのMT5サーバーで異常レートが配信されました。異常レートが配信されたのはドル円で、他のFX業者よりも120pipsほど高いレートが配信された模様です。
大きな混乱には発展していないものの、一部のユーザーから不満も出ているようです。Bigbossは、異常レートに関連する補填対応はすでに完了したとしています。補填内容の詳細は不明ですが、内容次第では混乱が広がる可能性もあります。
今後は、同様の不具合の防止に向けて、システムを強化するとしています。
BigBossの発表によると、異常レートが発生したのは、10月24日11:08とされています。ツイッターでのユーザーの報告を見ると、ドル円のレートが最高で150.60円まで上昇したようです。同じ時間帯のXMtradingのドル円の高値は149.30円ほどなので、120pipsほど乖離したことになります。
現在ではチャートが修正され、高値は確認できなくなっています。しかし、この120pipsの乖離とは別に下振れも発生しており、こちらも他の業者と比較して20pipsほど低くなっています。
Bigbossによると今回異常レートが配信されたのは、MT5サーバーのみということです。
BigBossの発表によると、今回影響を受けた顧客への説明と、補填の対応は完了しているということです。
Myforexでは、補填内容について問い合わせていますが、返答を得られていないため今のところ詳細は不明です。昨年、異常レートで問題になったFXGTでは取引を取り消し、少額を補填する内容で補償を実施しました。
Bigbossが同様の方法を採用した場合、利益の乗ったポジジョンも無効になるため、ユーザーから不満がでる可能性が高いです。Bigbossは、すでに補填は完了したとしていますが、納得できないユーザーが出てくる可能性もあるでしょう。
海外FX業者のFXGTでも、2021年8月に同様の異常レートが発生しています。ビットコインドルなどの一部の銘柄で、他の海外FX業者よりも異常に低いレートを提示し、ユーザーの間で混乱が広がりました。公式発表された異常レートの原因もBigBossと同じで、提携先のリクイディティプロバイダーが配信した異常レートをそのまま配信してしまったことです。
その後、FXGTは、異常レートによって影響を受けたユーザー全員に100ドル付与することを発表しました。さらに、ボーナスとして50ドル付与することで、事態の沈静化を図りました。損益補償については、利益・損失にかかわらずポジション自体を取り消す対応となりました。
レート異常による損失が無効化された一方で、レート異常によって利益を得ていたユーザーからは、不満の声も上がっていました。異常レートが発生した直後は強烈な批判にさらされたものの、しっかり補償を実施したことで、徐々に事態も沈静化していきました。
今回の異常レートを受けて、一部のBigBossユーザーの間では、動揺が広がっているようです。SNS上では、「利益が乗ったポジションを帳消しにされた」「補填に関する質問への返答がない」など、不満を漏らすユーザーもいます。
Bigbossが公式サイト上で、異常レートの原因を公表しているため、ストップ狩りを疑う声は少ないようです。しかし、補填の内容や方法については、不透明な部分も多く、SNS上では一部で不信感を募らせているユーザーも見うけられます。
今後さらに詳細な情報が発表されるか注目する必要があるでしょう。
BigBossは、独自仮想通貨BigBossコイン(BBC)を発行するなどユニークな取り組みで注目を集めていた海外FX業者だっただけに、BBCのセールを控えた今の時期に悪いトラブルを起こしてしまったことは、ダメージが大きいといえます。
海外FX業者は通常、リクイディティプロバイダーと呼ばれる業者からレートを受け取り、基本的にはそれをそのまま顧客に配信しています。
しかし、リクイディティプロバイダー側が異常レートを配信する可能性もあるため、海外FX業者側でそれをフィルタリングする仕組みを備えていることが一般的です。
今回のBigBossの公式発表を見るに、フィルタリング機能は設定してあったものの、最近急騰落が発生しがちな市場環境になっており、フィルタリング機能を緩めていたために、異常レートがそのまま配信されてしまったという事情のようです。
また、MT4とMT5でフィルタリング機能の設定に違いがあったようで、このトラブルが発生したのはMT5だけということです。
なぜMT5とMT4で異なる設定を採用したのかの理由は説明されていませんが、統一の設定をする方が自然なため、どちらかのプラットフォームで設定が漏れていた可能性も考えられます。
FXGTで異常レートが発生した際には、かなりの悪評がたったため、BigBossが一時的な利益のためにストップ狩りを実施する可能性は低いと考えられます。しかし、異常レートを防ぐ仕組みを構築できていなかったことが、今回の騒動で浮き彫りになりました。
不安を感じたユーザーが、Bigbossから他のFX業者へ乗り換える可能性もあります。システムの安定性を重視する方は、ExnessやXMTradingなどの実績のある大手海外FX業者を利用するという選択肢もあるでしょう。
低スプレッドを売りにする海外FX業者が増えた影響で、圧倒的だったシェアが下がりつつあったXMtradingですが、最近では低スプレッドでの取引が可能な「KIWAMI極口座」をリリースするなど、サービスを強化しています。
作成日
:2022.10.31
最終更新
:2024.07.16
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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