作成日
:2022.09.21
2023.03.16 15:30
仮想通貨(暗号資産)SWEATは、Move to Earnの「Sweatcoin(スウェットコイン)」を支える通貨で、2022年9月に新規発行されました。Move to Earnといえば日本でもSTEPNが大流行しましたが、エコシステムが事実上崩壊しています。
そんな中、SweatcoinはMove to Earnの課題を克服できるか注目を集めています。将来性が注目される理由の1つは、外部企業からの広告収益が得られるモデルを採用するなど、Sweatcoinが持続可能なエコシステム構築を目指していることです。
当記事ではSweatcoinの概要やSWEATに関する情報、その将来性について解説していきます。
仮想通貨SWEATはMove to EarnのSweatcoin(スウェットコイン)が発行しており、ニア(NEAR)ブロックチェーン上で構築されています。イーサリアム(ETH)の規格にも対応しています。
画像引用:Sweatcoin
Move to Earnは「運動して稼ぐ」をコンセプトにしたブロックチェーンゲームです。歩いたり走ったりすると仮想通貨を得られます。専用のNFTを購入する必要があるものや、無料でできるものまで幅広くあります。STEPNの流行もあり多数のMove to Earnゲームがリリースされています。
元々2016年にサービスをスタートさせており、当時はゲーム内通貨Sweatcoinを獲得して各種サービスと交換できる仕組みでした。
そして2022年9月、ブロックチェーンと仮想通貨を採用して生まれ変わりました。iOSとAndroid向けアプリのSweatcoinと、独自ウォレットアプリのSweat Walletがリリースされています。なお、58か国でカテゴリー内No1を獲得した実績があり、1億2,000万人のユーザーが登録しています。
今後、SweatcoinはDAO(分散型自立組織)に移行することを計画しており、SWEATはガバナンストークンとしても利用可能になります。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して、より民主的で透明性の高い存在と見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。
Sweatcoin(スウェットコイン)は今後、エコシステムを維持していけるのでしょうか。
仮想通貨市場ではPlay to EarnやMove to Earnなど「X to Earn」のプロジェクトが多数輩出されてきました。しかし、これらのプロジェクトは仮想通貨価格がインフレに見舞われてエコシステムが崩壊してきました。Move to Earnの代表格であるSTEPNも、GST価格が暴落して報酬システムが適切に機能しなくなっています。
画像引用:CoinMarketCap
STEPNをプレイするには高額なNFTを購入する必要があったので、多くのプレイヤーが損失を被る結果になりました。原因として、GSTの供給過剰や持続可能でない収益モデルなどが考えられます。Sweatcoinは他のゲームと同様にならないよう、他のMove to Earnにはなかった施策を採用しています。
SweatcoinはSWEATのインフレ抑制と持続可能なエコシステム構築を目指しています。具体的な施策として以下のようなものが挙げられます。
Sweatcoin運営は収益の半額を使って市場からSWEATを購入し、バーンまたはステーキング報酬の原資とします。バーンは株式市場における自社株買いのような効果を持っており、SWEAT価格が上昇しやすくなると考えられます。
仮想通貨のバーンとは、仮想通貨を永久に使えないようにする行為を指します。バーンは日本語で「焼却」という意味であり、バーンされた仮想通貨は焼却されたお金と同じように永久に使用できません。バーンアドレスと呼ばれる「秘密鍵は開発者を含めて誰も分からないウォレット」に送ることで行われます。
Sweatcoinでは歩くとSWEATをもらえます。SWEAT公開時の報酬は1,000歩で1SWEATですが、2023年には1,000歩で0.33SWEAT、2024年には1,000歩で0.19SWEATと減っていき、2032年には1,000歩で0.02SWEATにまで減少します。報酬を減少させるとSWEATの増加を抑制できるため、インフレ抑制につながると考えられます。
下のグラフは報酬の減額の様子を示しており、横軸はSWEAT公開後の月数、縦軸は1,000歩ごとに得られる報酬です。最初の2年間で急激に減少する様子が分かります。
画像引用:Sweatcoin
Sweatcoinではアプリ内に広告があります。また、Sweatcoinと引き換えで各種企業のサービスを受けることもできます。これらの広告事業者はSweatcoin運営に広告掲載料金を支払う必要があり、運営者は利益の半分をSWEATのバーン等に使用します。
従来のMove to Earnの収入源はNFT販売等ユーザーの支出でしたが、SWEATは外部企業からの収益を見込めるのが強みとなっています。
2022年9月、Sweatcoinと交換でSWEATが配布されました。その際、SWEATは多数の取引所に上場している一方、Sweat Walletには外部ウォレットへの出金機能が実装されていなかったことが発覚しました。これを受け、Twitter(ツイッター)やDiscord(ディスコード)上では炎上気味の騒動となりました。
しかし、現時点では少なくとも海外大手取引所のBybitへの送金が可能です。
SWEATはBybitに加えてGate.ioなどの取引所に上場しました。その後SWEAT価格は大きく値崩れすることなく、6円から13円の価格帯で上下しています。取引所への上場による利益確定売りが心配されましたが、今のところ横ばいとなっています。
画像引用:CoinMarketCap
SWEATの将来性は、前述したSweatcoin(スウェットコイン)のインフレ対策が機能するかに影響を受けます。さらに、Sweatcoinの今後を考える上では以下の点も重要でしょう。
Sweatcoinは4つのフェーズからなる開発計画を公開しています。
2022年後半から始まるフェーズ2では、NFTゲームの追加やSWEATステーキングの特典強化などが計画されています。この特典の内容は取引手数料の減額や獲得報酬の増加などであり、SWEATの長期保有を促します。
続く2023年のフェーズ3では、DAOの立ち上げ、DEX(分散型取引所)の公開、NFTマーケットプレイスの実装などが予定されています。
最終段階のフェーズ4では、サイクリングや水泳など多様な運動をサポートして運動データを分析するサービスなどが開始されます。
これら一連の開発計画は、SWEATの保有や消費を促すと同時に利用者拡大につながると考えられます。
また、Sweatcoinはインフルエンサーを活用しようとしています。20名以上の友人を招待したインフルエンサーは、より良い報酬が獲得できる特別なマーケットプレイスにアクセス可能です。インフルエンサーの利用が活発となれば、ユーザー数の増加を期待できます。
日本におけるSTEPNがそうであったように、SNSで話題となって一気に人気に火がつくかもしれません。
Sweatcoinと交換で初期配布されたSWEATのうち、2022年9月時点で10%が外部送金可能です。残りの90%は24か月かけて段階的に外部送金が可能、すなわち売却可能になります。
SWEAT公開時に大きな売り圧力がかからなかったのは、この送金制限が多分に影響していると考えられます。残りのSWEATが徐々にアンロックされるに伴い、売り圧力が発生し続ける可能性があります。価格を維持できるかは、インフレ対策がどの程度効果を発揮するかにかかっています。
Sweatcoinは他のMove to Earnと同じように、アプリを起動させて運動するだけで仮想通貨を獲得できます。初期投資として高価なNFTを購入する必要もなく、誰でも無料で始めることができます。また、より多くの報酬を獲得することができる有料版のプレミアムプランも存在します。
室内外問わずに歩いたり走ったりすると歩数が計測され、多様な運動に対応可能です。将来的には水泳やサイクリングなどの運動にも対応予定です。
ユーザーは歩くたびに報酬を受け取ることができます。従来、1,000歩毎に1Sweatcoin(アプリ内のポイント)が付与され、SWEATのリリースにあわせてユーザー保有のSweatcoinは1対1の比率でSWEATと交換されました。
SWEAT公開時点(2022年9月)では「1,000歩=1Sweatcoin=1SWEAT」の図式が成り立っていたものの、1,000歩ごとに獲得できるSWEATの数量は徐々に減少していきます。また、毎日の上限は1万歩に設定されています。最初の5,000歩にSWEATが、次の5,000歩にSweatcoinが払い出されます。
1日に1回使用できるブースト機能や有料版のプレミアムプラン、友人を招待する招待制度、広告を視聴するデイリーリワードなどを活用することで、さらに効率良く報酬を稼ぐことも可能です。
獲得した報酬は取引所で売却して現金化したり、マーケットプレイスで商品やサービスと交換したり寄付したりできます。
従来のSweatcoinは現金化できないポイントでしたが、SWEATは売却可能となりました。現金化する場合はSWEATを取引所に送金して売却します。なお、日本国内の取引所ではSWEATの取り扱いがないため、海外取引所を利用します。
また、Sweatcoinは多数の企業と提携しており、マーケットプレイスではアップル社の製品やスポーツウェアなどと交換できるようになっています。さらに、慈善団体とも提携しており、ユーザーはSweatcoinを寄付して社会貢献することも可能です。
日本国内の取引所はSWEATを取り扱っていません。そのためSWEATを購入するならBybit(バイビット)などの海外取引所を利用することになります。
日本語対応の海外取引所でのSWEATの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
取引所 | 現物 | デリバティブ |
Binance(バイナンス) | × | × |
Bybit(バイビット) | 〇 | × |
Gate.io(ゲート) | 〇 | × |
CoinEX(コインイーエックス) | 〇 | × |
MEXC(メクシー) | 〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス) | × | × |
Bitget(ビットゲット) | 〇 | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
海外取引所は日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Sweatcoin(スウェットコイン)の運営会社は、有名なベンチャーキャピタルなどから約18億円の資金調達に成功しています。この資金を利用して、12億人をWeb3.0の世界に導くことを公言しています。Twitterでは大々的にキャンペーンを実施しており、仮想通貨コミュニティの注目を集めています。
Sweatcoinは無料で始めることができるので、試しにプレイしてみると良いかもしれません。報酬のSWEATは時間経過と共に減少していきますから、始める時期は早い方が有利です。日本国内でも盛り上がりを見せており、その動向から目が離せません。
作成日
:2022.09.21
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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