作成日
:2022.09.21
2023.03.16 15:30
2022年9月14日、BitDAOはEduDAOの立ち上げと資金提供を正式に可決しました。
BitDAOは最大級のDAO(分散型自律組織)のひとつで、大手取引所Bybitが支援しています。これまでBitDAOは巨額の資金を投じて多数の案件を支援してきました。EduDAOとはどのような存在なのでしょうか。
EduDAOは大学支援を目的としたDAOです。カリフォルニア大学バークレー校やマサチューセッツ工科大学など世界トップ大学8校が参加しています。
EduDAOはBitDAOからの3,300万ドルの資金調達に合意しています。そこから助成金として毎年最大1,100万ドルを研究開発に支給し、対象分野は次世代ブロックチェーンとWeb3.0関連技術です。
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
EduDAOを立ち上げるMirana Venturesのジョン・アレン氏は、同DAOについて「最も優れた製品とデザインは大学レベルで考案されています。このパートナーシップは学生と教職員に必要な資金へのアクセスを提供しており、加速度的に成長を促します」とコメントしています。
加えて、8校でスタートするEduDAOのネットワークを数百の大学に導入していきたい、と将来のビジョンについて語っています。
EduDAOはその名の通り、大学がメンバーとして参加するDAOです。具体的には、各大学から以下の組織がメンバーとなることが決定しています。
EduDAOではこれらの組織が「University DAO」という個別のDAOを形成しています。EduDAOはBitDAOから調達した資金を3か月毎にそれぞれのUniversity DAOに分配し、その額は研究開発のパフォーマンスに基づいて増加したり減少したりする可能性があります。
EduDAOのガバナンスは、ブートストラップ(試行段階)とフェーズ1、フェーズ2と、段階的に構築されていく予定です。当記事執筆時点で、EduDAOは最初のガバナンスモデルと委員会を選出するブートストラップの段階にあります。
BitDAOはEduDAOの正式な立ち上げとブートストラップの開始、550万ドルの資金供給を可決しました。EduDAOのガバナンスに関しては、BitDAOのパートナーとなっているMirana VenturesとWindranger Labs、参加する大学からそれぞれ1名が委員会に選出されることが決定されました。
今後、BitDAOは計画に沿ってEduDAOへの定期的な資金供給とガバナンスモデルを精査する予定です。
BitDAOは2021年6月に立ち上げられ、DeFi(分散型金融)関連プロジェクトへの支援を目的としています。ガバナンストークンとしてBITを発行しており、保有者によりDAOの運営を実現しています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも参加者の活動によって機能する組織を指します。DAOは中央集権型の組織と比較して民主的で透明性の高い存在と見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。
BIT保有者はBitDAOに対して提案可能で、その提案はコミュニティ全体の投票を通じて採否が決められます。投票は1人1票でなくBIT保有数が投票数となるので、より多く保有するほど影響力が大きくなります。小規模な個人などは「デリゲート」と呼ばれる手続きを通じて投票に参加可能です。
これまでBitDAOは以下のプロジェクトに投資しています。
プロジェクト名 | 活動内容 |
---|---|
zkDAO | イーサリアムにおけるレイヤー2の開発 |
EduDAO | 大学教育などの支援 |
Game7 | ブロックチェーンゲームの開発 |
PleasrDAO | NFTアートへの投資 |
AfricaDAO | アフリカにおけるWeb3.0の普及促進 |
BitDAOは大規模な投資を行っており、エコシステムを拡大しています。EduDAOはより多くの大学をブロックチェーンやWeb3.0の世界に導き、新たな価値の創造に貢献するかもしれません。
また、BitDAOの投資が成功すればBIT価格は上昇する可能性があります。BitDAOに可能性を感じる場合、BITに投資してガバナンスに参加してみるのも良いでしょう。
作成日
:2022.09.21
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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