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仮想通貨MDXの特徴と将来性を解説、分散型取引所Mdexで利用できるサービスとは?

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update 2022.09.21 13:16
仮想通貨MDXの特徴と将来性を解説、分散型取引所Mdexで利用できるサービスとは?

update 2022.09.21 13:16

仮想通貨(暗号資産)MDXはDEX(分散型取引所)Mdexのネイティブトークンとして発行されています。Mdexは統合的なサービスを提供するDEXとして存在感を示しています。今回はMdexの特徴やサービスに加え、MDXの使い道や将来性などについて解説していきます。

仮想通貨MDXとは

仮想通貨MDXはMdexが発行する仮想通貨で、MdexはHuobi Ecological Chain(HECO)上で構築されています。Huobi Ecological Chainは大手取引所のHuobiが開発するブロックチェーンであり、同じく大手取引所のBinanceが開発するBNBチェーンの競合のような存在となっています。

Mdexは2021年に立ち上げられ、Huobi Ecological Chainにおいて最大規模のユーザーを誇るDEXとなっています。また、基本的な仮想通貨の取引機能だけでなく総合的なDeFi(分散型金融)関連サービスを提供しています。

なお、DEXは中央管理者を必要としない取引所です。Mdexは他のDEXと同じようにAMM(自動マーケットメイカー)を採用しており、流動性提供者とユーザーの需要をマッチさせる仕組みを構築しています。DEXはこの流動性が重要であり、Mdexの流動性プールにはTVL(ブロックチェーンに預け入れられた仮想通貨の合計値)で5億ドル相当の仮想通貨が預け入れられています。

自動マーケットメイカーとDEXの説明画像
point AMM(自動マーケットメイカー)とは

AMMとは仮想通貨取引を完全自動化する機能です。システム管理者を必要としないため従来型の取引所に比べて低コストで運用可能となり、それが取引手数料の安さに反映されています。

Mdexの特徴

Mdexには以下のような特徴があります。

マルチチェーン対応

Mdexはマルチチェーンに対応しています。具体的には、Huobi Ecological Chainに加えてイーサリアム(ETH)とBNBチェーンでも利用可能です。

高いブロックチェーン性能

仮想通貨市場ではイーサリアムが主要なブロックチェーンプラットフォームとして利用されています。しかし、イーサリアムはスケーラビリティ問題を抱えていることから、時には利便性が損なわれることがあります。

point スケーラビリティ問題とは

スケーラビリティ問題はブロックチェーンの処理能力に起因する障害です。ブロックチェーンにトランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのブロックチェーンは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。

これに対して、Huobi Ecological Chainは最大500TPS(1秒間の送金能力)と0.001ドル以下の手数料を実現しています。Mdexは、Huobi Ecological Chainを基礎とすることでこのメリットを享受しています。

デュアルマイニングを採用

Mdexはデュアルマイニングを採用しています。デュアルマイニングとは流動性マイニングとトレードマイニングの2つから成る報酬システムです。

流動性マイニングはAMMを成立させるための仕組みです。ユーザーは任意の通貨ペアを預け入れて流動性を提供するのと引き換えに、報酬として独自仮想通貨を獲得できます。

一方、トレードマイニングは取引するユーザーに対して報酬を付与します。本来、DEXでは取引の度に手数料を支払いますが、トレードマイニングによって負担が軽減されています。

トレードマイニングの説明画像

Mdexはデュアルマイニングを採用することで、DEXの利用を促進しています。

Mdexで利用できるサービス

Mdexは統合的なDeFi関連サービスを提供しています。主要なものとしては以下のようなサービスが存在します。

スワップ

スワップはDEXで仮想通貨を取引する機能です。Mdexはマルチチェーンに対応しているので、Huobi Ecological Chainに加えてイーサリアムやBNBチェーンの仮想通貨を取引できます。トレードマイニングの報酬もあるため、Mdexでの取引はお得だといえます。

流動性マイニング

流動性プールに任意の通貨ペアを預け入れると、LPトークンと呼ばれるトークンを得られます。そのLPトークンを運用して報酬を得ることができます。

報酬は年100%を超えるものも存在します。しかし、仮想通貨ペアの価格が変動すると大きな損失を被る可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンなサービスとなっています。

クロスチェーンブリッジ

クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。ブロックチェーンを跨いで仮想通貨をやり取りできるようになります。

Mdexは第三者によって開発されたiSwapと呼ばれる機能を統合しています。これにより、Mdexではクロスチェーンブリッジが利用可能です。iSwapはHuobi Ecological Chain、BNBチェーン、イーサリアム、ポリゴン(MATIC)、OKExChainに対応しています。

ステーキング

ステーキングは任意の仮想通貨を預け入れることで金利収入を稼ぐことができるサービスです。流動性マイニングとは異なり、ひとつの銘柄を預け入れることで成立します。MdexのステーキングはMDXだけでなく、多様な仮想通貨に対応しています。

IMO

IMOはイニシャルMdexオファリングの略称です。一般的なDEXではIDO(イニシャルデックスオファリング)と呼ばれるサービスです。

point IDOとは

資金調達を目的としたトークンセールのうち、BinanceやBybitなどの中央集権型取引所が行うものをIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)と呼びます。一方、IDOはDEXが主導するトークンセールを指します。IDOはプロジェクトの選定方法や参加基準の設定などの点で、IEOとは異なります。

ユーザーはIMOを通じて上場前のプロジェクトが発行する仮想通貨に投資できます。トークンセールに参加するといつも利益になるわけではありませんが、上場時よりも安く仮想通貨を購入できます。

MDXについて

MdexはネイティブトークンとしてMDXを発行しています。

MDXの最大供給量は10億6,000万通貨に設定されています。当記事執筆時点(2022年9月)で約9億通貨が発行済みです。

MDX発行数量はDeFi関連サービスや各種報酬を通じて徐々に増えていきます。新規発行数のうち80%が流動性マイニングやトレードマイニングの報酬、残りの20%が開発チームやマーケティングなどに充てられます。

Mdexの時価総額は90億円程度で、仮想通貨市場全体で300位前後となっています。

MDXの使い道

MDXはガバナンストークンとしての役割を持っています。Mdexの運営はDAO(自立分散型組織)によって行われるので、MDXの保有者は意思決定に参加できます。具体的には、開発計画などの提案に賛成票や反対票を投じることが可能です。

その他、MDXは手数料の支払いに利用するだけでなく、Mdexにおける各種DeFiサービスで投資に利用することもできます。

半減期と定期的なバーン

MdexはMDX価格の上昇を促すために、希少性が高まってデフレが進行する仕組みを採用しています。

そのひとつが半減期です。MDXは2021年6月5日に最初の半減期を迎えました。その後、3か月に1度のペースで半減期が訪れています。

point 半減期とは

ほとんどの仮想通貨は、マイニングやステーキングの報酬として徐々に発行されています。半減期はその発行量を半分にする時期を指します。例えばビットコインの半減期は約4年に1度となっており、その度に新規発行の仮想通貨が半分に減少していきます。

加えて、Mdexは流通するMDXをバーンしています。取引手数料0.3%のうち0.06%がプールされて、スマートコントラクトで定期的にバーンされる設計です。これらの結果、2026年2月までに流通量が4億580万通貨まで低下することが見通されています。

仮想通貨のバーンの説明
knowledge 仮想通貨のバーン

仮想通貨のバーンとは仮想通貨を永久に使えないようにする行為を指します。バーンは日本語で「焼却」という意味であり、バーンされた仮想通貨は焼却されたお金と同じように永久に使用できません。バーンアドレスと呼ばれる、「秘密鍵は開発者を含めて誰も分からないウォレット」に送ることで行われます。

MDX価格のチャート

2021年の上場時、MDX価格は350円程度でした。その後話題となって史上最高値となる1,000円台を記録しました。その後は振るわず右肩下がりとなっており、当記事執筆時点(2022年9月)では10円前後となっています。

MDXと日本円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

半減期による新規発行数の抑制やバーンによる流通量の削減が行われてきましたが、今のところその効果は価格に反映されていません。

MDXの将来性

MDXの将来性はMdexのエコシステムにかかっており、Mdexではコミュニティの活動が積極的に行われています。

DeFi関連サービスの拡張

Mdexはロードマップ(開発計画)を公開しています。そのなかで、独自ステーブルコイン「MUSD」を発行して、MdexのDeFi関連サービスや他の取引所で利用可能にすることが記載されています。

これに合わせて「M-MEX」と呼ばれるデリバティブ開発が予定されています。M-MEXはレバレッジ取引やオプション取引などの商品をワンストップで提供します。

開発状況は明らかではありませんが、MdexがDeFi関連サービスを拡張すればエコシステムは拡大するでしょう。

有望なプロジェクトを支援

Mdexは有望なプロジェクトを支援するために、エコロジカルファンドを立ち上げました。このエコロジカルファンドを通じて質の高いプロジェクトに投資しています。主要なプロジェクト例は以下の通りです。

プロジェクト名 内容
O3 クロスチェーン環境で流動性を統合するプロトコル
Coinwind 仮想通貨の運用を最適化する分散型のサービス
Filda クロスチェーンの仮想通貨レンディングプラットフォーム
Converter 自動で高利回りの投資を最適化するプロトコル
OpenLeverage マージントレードを可能にするプロトコル

これらのプロジェクトが成功すれば、Mdexの可能性を大きく広げることになるでしょう。

MDXの買い方

MDXは日本国内の取引所で取り扱いはありません。そのためBinance(バイナンス)などの海外取引所で取引することになります。日本語対応の海外取引所でのMDX取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は、下記の通りです。

取引所 現物 デリバティブ
Binance(バイナンス) ×
Bybit(バイビット) × ×
Gate.io(ゲート) ×
CoinEX(コインイーエックス) ×
MEXC(メクシー) ×
BingX(ビンエックス) × ×
Bitget(ビットゲット) × ×

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ
×

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ
× ×

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ
×

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ
×

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ
×

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ
× ×

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ
× ×
bin gate coinex mexc

真価を発揮できるか

MdexはHuobi Ecological ChainでNo1といっても過言ではないDEXです。DeFi関連サービスも豊富でIDOにも対応するなど、投資家のニーズを捉えるソリューションとなりつつあります。独自仮想通貨のMDXに関しても、半減期やバーンを実施することでデフレを促進する仕組みを取り入れています。

しかし、MDX価格は低迷しており評価が上がっていません。Huobi Ecological Chainを中心とした、Mdexを取り巻くエコシステムが拡大していけば、この状況から脱却できる可能性もあるでしょう。

近年、仮想通貨市場ではDeFi分野のプロジェクトが乱立していますが、Mdexは真価を発揮できるでしょうか。


Date

作成日

2022.09.21

Update

最終更新

2022.09.21

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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