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幅広いDeFi関連機能を統合したDEX、Trader Joe(JOE)を解説

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update 2023.03.16 15:30
幅広いDeFi関連機能を統合したDEX、Trader Joe(JOE)を解説

update 2023.03.16 15:30

DEX(分散型取引所)は、仮想通貨(暗号資産)市場で主要な存在となりつつあります。その主な理由は、透明性の高さと柔軟に利用できる機能性です。

例えば、イーサリアム(ETH)ではUniswap(UNI)、BNBチェーン(BNB)ではPancakeSwap(CAKE)などが、力をつけています。同様に、アバランチ(AVAX)では、Trader Joe(JOE)が台頭しています。当記事では、Trader Joeの特徴や将来性について解説します。

Trader Joeとは

Trader JoeはDEXであり、2021年6月にアバランチ上で公開されました。その開発には、数十名の開発者が携わっています。実績を有する人も開発に参画しており、例えば、アバランチの仮想通貨コミュニティで多数の実績を持つCryptofish氏や、スタートアップで製品開発を行なっていた0xMurloc氏がいます。

アバランチ上のTrader Joe
point アバランチとは

アバランチは、スマートコントラクトに対応したブロックチェーンです。DApp(分散型アプリ)の構築が可能なことから、イーサリアムの立場を脅かす「イーサリアム・キラー」のひとつとして注目されています。拡張性に優れており、高速かつ安価な手数料での取引が可能です。

Trader Joeは、ブロックチェーンの優位性を取り入れること、そしてDeFi分野の発展に貢献することを目的にしています。そのために、コミュニティ優先の活動や、スピード感を持った創造的で安全性に妥協しない開発を意識しています。また、全ての人々へのDeFi関連サービス提供を約束しています。

具体的には、通常のDEXが持つ基本的な機能に加え、統合的なDeFi関連サービスを提供しています。

6つのDeFi関連機能

Trader Joeは、親しみやすさに重きを置いており、直感的でわかりやすいプラットフォームを構築しています。MetaMaskなどのウォレットを接続すると、以下の機能が簡単に利用可能となります。

TraderJoe TraderJoe

画像引用:Trader Joe

なお、この6つの機能は、DEXとしては一般的なものです。Trader Joeの主な特徴は、アバランチで作られているという点になります。

トレード

互換性のあるブロックチェーンの仮想通貨も含めて、400種類近い仮想通貨に対応しています。USDコイン(USDC)などのステーブルコインを利用することもできます。ちなみに、取引手数料はAVAXで支払います。

プール

一般的に、流動性プールと呼ばれる機能です。流動性を提供したいユーザーは、2つの仮想通貨から成る通貨ペアを預け入れることで、LPトークンと呼ばれるトークンを獲得できます。例えば、AVAXとUSDCのプールに仮想通貨を預け入れると、それに対応するLPトークンが付与されます。

point LPトークンとは

LPトークンのLPとはLiquidity Providerを意味し、流動性提供者という意味を持ちます。LPトークンを利用すれば、イールドファーミングを通じて報酬を稼げます。

なお、DEXでLPトークンを作って稼ぐには、一定の知識が必要です。Bybitなどの場合、手軽に参加できるように工夫されています。

ファーム

ファームは、イールドファーミングを指します。プールで獲得したLPトークンをステーキングして、独自仮想通貨を稼げます。Trader Joeの場合、ガバナンストークンのJOEが付与されます。価格変動の状況によっては、損失を被る可能性もあるので注意が必要です。

TraderJoeにおけるプールとファームの関係

レンド

レンドは、仮想通貨レンディングを指します。仮想通貨を貸して、金利を稼ぐことができます。反対に、金利を支払って仮想通貨を借り入れることもできます。なお、借り入れるには担保が必要です。

ステーク

独自仮想通貨「JOE」をステーキングして、報酬を稼ぐことができます。「sJOE」「veJOE」「rJOE」と名付けられたプールが存在し、それぞれ異なるメリットが用意されています。

sJOEは、JOEを預け入れてUSDCを受け取れます。veJOEにJOEを預け入れると、ファームで受け取れる報酬が強化されると同時に、ガバナンスで投票する権利が与えられます。rJOEでは、ローンチパッドへの参加権が付与されます。

ローンチパッド

ステークのrJOEにJOEを預け入れて条件を満たすと、ローンチパッドでのトークンセールに参加できます。なお、ローンチパッドに参加するためには、AVAXを事前にコミットする必要があります。

AVAXをコミットする額には限度があり、rJOEでより多くのJOEをより長くステーキングすると、上限が上昇する仕組みです。限度額が大きいほど、新規トークンを多く獲得できるようになります。

point ローンチパッドとは

ローンチパッドは、仮想通貨関連プロジェクトが資金調達を行う仕組みです。ユーザーは、ローンチパッドを通じてトークンセールに参加し、上場前の新規仮想通貨を購入可能です。

JOEの将来性

TraderJoeは、独自仮想通貨「JOE」を発行しています。JOEはガバナンストークンとしてだけでなく、DeFi関連サービスの報酬としても活用されています。最大供給量は5億JOEに設定されており、2022年8月時点でその6割程度が発行されています。時価総額は140億円ほどで、仮想通貨市場全体では200位程度の規模を誇っています。

価格推移を見ますと、2021年末に550円に達して以降、仮想通貨全体の値動きと同じく、価格が低迷していることが分かります。

JOEと円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

JOE価格は、Trader Joeのユーザー数が増加すれば、それに伴って上昇すると考えられます。JOE価格に関するポジティブな材料としては、以下の点が挙げられます。

ローンチパッドの盛り上がり

ローンチパッドでは、2022年2月の初回を皮切りに、合計7回のトークンセールが実施されています。中には驚くべき高値を付ける仮想通貨も登場しています。例えば、トークンセールで約0.07ドルの値を付けたVector Finance(VTX)は、その後20倍以上となる1.5ドルの最高値を記録しました。このような実績から、仮想通貨コミュニティではTrader Joeのトークンセールに注目が集まり始めています。

なお、ローンチパッドでのトークンセールは、常に利益となるわけではありません。しかし、質の高いプロジェクトへの投資機会を提供し続ければ、長期的にユーザーの利益となるでしょう。トークンセールに参加するには、JOEをステーキングしなければならないので、これが同仮想通貨の需要を高める要因になります。

好調なアバランチ

イーサリアム・キラーと目されていたテラ(LUNA)やソラナ(SOL)が調子を落とす中、アバランチは勢力を伸ばしています。DAppプラットフォームの規模を図るTVL(ブロックチェーンに預け入れられた仮想通貨の合計値)では、イーサリアムやBNBチェーン、トロン(TRON)に次いで4位に付けています。

また、DAppの数は数百に達し、その中でもTrader Joeはアバランチ最大のDEXとなっています。アバランチのエコシステムがより活発になれば、必然的にTrader Joeの利用も増える可能性があります。

JOEの買い方

JOEは、日本国内の取引所で取り扱いはありません。そのため、Binance(バイナンス)などの海外取引所で取引することになります。

日本語対応の海外取引所での取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は、下記の通りです。

取引所 現物 デリバティブ
Binance(バイナンス) ×
Bybit(バイビット) × ×
Gate.io(ゲート) ×
CoinEX(コインイーエックス) ×
MEXC(メクシー) ×
BingX(ビンエックス) × ×
Bitget(ビットゲット) ×

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ
×

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ
× ×

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ
×

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ
×

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ
×

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ
× ×

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ
×
binance gate.io mexc

DeFi分野の発展を牽引できるか

2022年に入ってから、ビットコイン価格が急落するのに伴い、Celsius Network(セルシウスネットワーク)などのCeFi(中央集権型金融)が次々とサービスを停止して、信頼を失っています。このような背景から、仮想通貨市場ではDeFiの価値が再認識されています。

しかし、DEXを含むDeFi関連サービスは、操作や設定が難しい、規制が曖昧、詐欺の危険性があるなど、まだまだ解決すべき課題は山積みです。

Trader Joeはこれらの課題を解決して、DeFi分野の発展を牽引する可能性を秘めています。特に使いやすさや親しみやすさ、手数料の安さなどにおいて、最も優れたDEXのひとつであり、DeFi普及を加速させる存在となるかもしれません。


Date

作成日

2022.08.05

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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