作成日
:2022.06.24
2023.03.16 15:54
2022年7月10日、参議院議員選挙が実施されます。これを受け、自民党を始めとする各政党は、メタバースを活用した選挙活動を行なっています。これまで、メタバースはブロックチェーンゲームやライブイベントなどに利用されてきました。さらに、選挙での利用が拡大しています。各政党は若者の関心を惹くことを狙いとしており、Twitter(ツイッター)上でも新しい試みが話題となっています。
本記事では、メタバースの概要や各政党の動きなどを解説します。
元々、メタバースは、SF作家ニール・スティーヴンスン氏が著作の中で使った造語で、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合成したものだといわれています。近年ではインターネット上に構築された三次元空間のことを指し、エンターテイメント分野で広がりを見せています。特に最近では、米大手SNSのFacebookが社名を「メタ(Meta)」に変更したことが話題となりました。
メタバースは、様々な形で存在しています。パソコンやスマホからアクセスできる手軽なものから、VRヘッドセットを使う没入体験型のものまであります。例えば、メタのメタバース「Horizon World」では、自分の分身「アバター」を操作して、創作活動をしたり、ゲームで友人と交流したり、会議室のような空間でオンラインミーティングを行うことも可能です。
画像引用:Meta Quest
現在の仮想通貨(暗号資産)市場では、メタバースはPlay to Earn分野で主に使われています。有名なものとしては、ゲーム「ザ・サンドボックス」や都市開発が特徴の「ディセントラランド」などがあります。これらのメタバース内では、イベントやショップ、広告などが展開されており、仮想通貨を中心とした経済が成立しています。
Play to Earnとは、遊んでお金を稼ぐことを指します。すなわち、ブロックチェーンゲームで遊ぶと、NFTや独自仮想通貨などの報酬を得られます。Play to Earnから派生したMove to Earn(運動して稼ぐ)なども、流行しつつあります。
仮想通貨市場では、メタバースがトレンドとなっており、政治にも利用され始めています。特に、自由民主党はNFT「岸田トークン」を発行すると同時に、メタバース内での街頭演説計画を発表するなど、積極的に活用していく方針です。
岸田トークンとは、岸田文雄総理大臣の顔写真付きNFTです。集会への出席証明や記念品としての活用が想定されており、譲渡や売却ができない仕様になっています。2022年5月、岸田トークンはインターネットミーム化して、仮想通貨コミュニティ内で大きな話題となりました。
このような流れの中、2022年5月26日、Facebook Japanが「VRで政治家と話そう」という企画を実施し、「メタバースで政治・選挙はどのように変わるのか」をテーマに日本の若者と政治家が討論しました。この企画では、メタ社が提供するVRヘッドセットとVR会議室「Horizon Workrooms」を活用し、自民党の平将明氏、立憲民主党の中谷一馬氏、日本維新の会の遠藤良太氏の3名が、若年層を代表する参加者と議論を交わしました。
このイベントを通じて、自民党の平氏は「政治活動において、将来的にはメタバース空間に自民党本部をつくることを考えています」としています。また、立憲民主党の中谷氏は「政界でも政治・選挙活動のみならず、10年後、20年後を想定した様々な政策の実証実験などで利用できると考えています」と、メタバースの将来的な利用例などについて言及しました。
参議院議員選挙の投票日が迫っていることから、各政党や候補者がメタバースの利用を表明しています。具体的には、以下のような政党と候補者が取り組みを発表しています。
2022年6月5日、自民党はバーチャルプラットフォーム「cluster」上で、河野太郎氏を筆頭に、デジタル大臣の牧島かれん氏や小倉將信氏などが街頭演説を行いました。新しい取り組みにもかかわらず、1,000人もの人々がアバターとなって演説に参加しています。演説の中で河野氏は、「自民党は保守政党と言われているが、新しいことを積極的に取り入れないといけない」とコメントしました。
Web3.0とは、分権化された次世代のインターネット環境を指します。仮想通貨やブロックチェーンの登場で、Web3.0関連の開発活動が活発になっています。これを背景に、自民党は2022年の参議院議員選挙での公約に、ブロックチェーンやNFTに並んで、Web3.0に関する事項を明記しました。
立憲民主党のくりした善行氏は、「選挙とメタバース」をテーマに、VRを活用したメタバースの作成を企画しており、Twitter上にそのデモ動画を投稿しています。その他、メタバースを活用した政治活動を予告した上で、自民党の街頭演説を越えたいとの意気込みを発表しています。
維新の会の石井苗子氏も、「石井みつこメタバース選挙事務所イベント」と称して、メタバース内での街頭演説を予定しています。日時やゲストとして参加する人物などは、決定次第発表される見通しです。プラットフォーム「ガイアリンク」で開催される予定で、その利用方法などの案内も公開されています。
共和党のたむらまな氏は、参議院議員選挙に東京選挙区から出馬することを決定しています。「出陣式」と題して、メタバース「ギャザータウン」を活用した街頭演説を実施しました。
「VRで政治家と話そう」では、インターネットでの調査結果も公開されました。「メタバースやVR空間についてどのくらい関心がありますか?」との問いに対して、66%の回答者が「関心がある」または「やや関心がある」と回答しました。一方、「メタバースやVR空間についてどの程度知っていますか?」との問いに対しては、「知らない」または「あまり知らない」と回答した人が67%存在しました。
新しい技術であるためか、メタバースへの関心は高い一方、知識は乏しいことが分かります。自民党を筆頭に各政党が、ブロックチェーンやNFT、メタバースなどをキーワードに、若年層にリーチを広げようと試み始めています。これが、どのような結果につながるでしょうか。メタバースは2022年以降の選挙の鍵になるかもしれません。
作成日
:2022.06.24
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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