作成日
:2021.11.09
2023.03.16 15:54
2021年10月末、米大手SNSのFacebookが、メタバース分野に注力する方針を示した上で、社名を「メタ」に変更することを発表しました。
このことは世界的に話題となっており、日本でも各メディアが報道しています。メタバースは仮想通貨市場でも注目の分野ですが、比較的新しい技術なのであまり聞き馴染みのない方も多いかもしれません。今回は、そんな方でもわかるようにメタバースの概要を説明して、仮想通貨との関係性や具体的な仮想通貨銘柄、その動向などを解説していきます。
そもそも、メタバースとはどのような技術で、どのように利用することができるのでしょうか。ここからは、メタバースの基本的な情報や仮想通貨市場との関係性を紹介していきます。
メタバースは、SF作家であるニール・スティーヴンスン氏の著作の中で登場した造語で、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合成したものだといわれています。メタバースはインターネット上に構築された三次元の仮想空間のことを指しますが、ゲーム業界を中心に利用が拡大している状況です。
以前からゲーム業界では、米マイクロソフト社が買収した「マインクラフト」や日本の任天堂が開発する「あつまれ どうぶつの森」など、数々のメタバース作品が人気となっていました。近年では、高性能なゲーム機やソニーのPlayStation VRを始めとするVR(バーチャル・リアリティ)ヘッドセットなどの登場で、メタバース関連のゲーム開発が活況になってきています。
メタバースの利用方法は多様ですが、これからは多くのユーザーがアバター(自分の分身となるキャラクター)として参加して、他のユーザーと仮想空間で交流することを目的にしたものが主流になると考えられています。このような流れから、Facebookも「Horizon Worlds」と呼ばれるメタバースを開発しているのです。
既存のメタバースは特定の企業が管理するサーバ(ネットワーク上で動作するコンピュータ)上に構築されていますが、ハッキングやネットワーク障害のリスクがあることが弱点だといわれています。このような課題を解決するために、最近では、特定の管理者を必要としない分散型のブロックチェーンを基礎とするメタバースが登場してきています。
中央集権型のシステムと比較して、分散型のブロックチェーンは、セキュリティ面でけでなく拡張性にも優れていることから、より安全で大規模なメタバースを構築することを可能にします。
メタバースの中には課金要素を含んでいるものも多く、アバターの服やアクセサリー、その他のゲーム内アイテムを購入することが可能となっています。希少性の高いアイテムなどは金銭的な価値を持つこともあり、現金で取引されていましたが、最近ではその手段として仮想通貨が利用され始めています。
特にブロックチェーン上に構築されたメタバースでは、アイテムをNFT(非代替性トークン)として発行することも可能となっています。また、メタバースによっては、ゲーム内通貨に独自仮想通貨を採用している所もあります。ちなみに、多くの場合、NFTはマーケットプレイス(NFTを取引する市場)、独自仮想通貨は取引所を介して取引することが可能です。
ゲームプレイやイベントへの参加でNFTやその他仮想通貨を獲得できるメタバースも存在するので、興味がある方はこれを機会にメタバースの世界に触れてみるのも良いかもしれませんね。
現在、NFTはゲームアイテムやデジタルアートなどのコンテンツをトークン化して、ブロックチェーン上で取引可能にする手段として利用されています。これらのNFTはマーケットプレイスで取引可能なことから、投資対象としても注目され始めています。
仮想通貨市場では既に複数のメタバース関連プロジェクトが仮想通貨を発行しています。中には日本国内の取引所から取引できるものもありますが、ほとんどが海外取引所のみでの取り扱いとなっています。
ここからは、メタバース関連の仮想通貨に焦点を当てて、主要な銘柄を紹介していきます。
アクシー・インフィニティは、アクシーと呼ばれるモンスターを対戦や繁殖、育成、取引するブロックチェーンゲームです。アクシー・インフィニティはガバナンストークンの「アクシー・インフィニティ(AXS)」に加え、取引所で換金可能なゲーム内通貨として「スムーズ・ラブ・ポーション(SLP)」を発行しています。スムーズ・ラブ・ポーションはゲーム内での戦いに勝利したり、提示されるクエストをクリアすることで手に入れることができます。
ガバナンストークンとは、保有者が中心となって分散型のブロックチェーン関連プロジェクトを運用することを可能にする仮想通貨です。具体的にガバナンストークンの保有者は、機能開発の決定やプロジェクト方針の変更などに投票する権利が与えられます。
また、アクシー・インフィニティのモンスターであるアクシーやゲーム内のアイテムはNFTとして発行されており、OpenSeaを始めとする外部のマーケットプレイスで売買することができます。アクシー・インフィニティはお金を稼げるゲームとして注目されているので、これらの仮想通貨獲得を目指してプレイを始めるユーザーも増えてくるかもしれません。
アクシー・インフィニティ(AXS)は下記の取引所で現物取引が可能です。
ディセントラランドは仮想通貨市場で最も勢いのあるメタバース関連プロジェクトといっても過言ではありません。ディセントラランドはイーサリアム(ETH)のブロックチェーンを基礎に構築されたメタバースであり、仮想空間内の土地や建物、アバターなどがNFTとして発行されていることが特徴的です。
また、ディセントラランドは、ユーザーがメタバース内で新たなNFTを発行したり、土地を開発して街などを作ることが醍醐味となっています。最近では、ディセントラランド内にカジノが開設されたことが話題となりました。その他、ディセントラランドではいくつもの開発計画が進められており、NFT市場でデジタル不動産ブームの火付け役になる可能性を秘めています。
これらの土地や建物、その他アイテムは、ディセントラランドで利用可能な「マナ(MANA)」と呼ばれる独自仮想通貨によって取引されています。マナはメタバースの人気によって需要が増加したり減少したりしますが、ディセントラランドに将来性を感じることができれば、同仮想通貨への投資を検討するのも良いかもしれませんね。
マナ(MANA)は、下記の取引所で現物取引が可能です。
ザ・サンドボックスはディセントラランドと同じく、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたメタバースです。プレイヤーは、自分の分身となるアバターを操作してゲームに参加するだけでなく、新しくゲームを作ったり、「ボクセルアート」と呼ばれる機能を駆使してデジタルアートを自作することができます。
ザ・サンドボックスは独自仮想通貨として「ザ・サンドボックス(SNAD)」を発行しています。この仮想通貨はNFTマーケットプレイスで利用可能となっており、メタバース内での土地の所有権やアイテムを売買することもできます。
現在、ザ・サンドボックスは日本国内の取引所での取り扱いはありません。しかし、日本の大手ゲーム会社であるスクウェア・エニックスなどから200万ドル以上の出資を受けるなど、ザ・サンドボックスは日本市場との関係性を強めているので、今後、日本に上陸する可能性もあるといえるでしょう。
ザ・サンドボックス(SNAD)は下記の取引所で現物取引が可能です。
エンジンとは、ブロックチェーンゲームの開発プラットフォームです。エンジンは容易にブロックチェーンゲームを開発する環境を提供することを目的としており、第三者企業などの開発を募っています。既にエンジンは2,000以上のプロジェクトを抱えている状況です。
エンジンは「エンジンコイン(ENJ)」という名称の独自仮想通貨を発行しています。エンジンがメタバース開発企業のディビジョン・ネットワークと提携したことなどから、エンジンコインはメタバース関連の仮想通貨として認識されています。また、エンジンは冒頭で触れたマインクラフトをブロックチェーン上に移植した「エンジンクラフト」を軸に、関連機能やゲームを開発しており、メタバース分野での存在感を強めているのです。
エンジンコインはNFTの売買に利用される基軸通貨で、日本国内でもコインチェックやGMOなどの取引所で取り扱われています。他のメタバース関連の仮想通貨と比較して、エンジンコインは日本国内で取引できるので、同分野に投資する手段としては最も簡単だといえますよね。
エンジンコイン(ENJ)は下記の取引所で現物取引が可能です。
今回、Facebookがメタバース分野に注力する意向を示したこともあり、仮想通貨市場ではメタバース関連銘柄に注目が集まっています。株式市場ではFacebookの株価を筆頭に、メタバース関連株の需要が高まり始めていますが、仮想通貨市場ではどのような動きが見られるのでしょうか。
ここからは、メタバース関連銘柄の仮想通貨の動向や将来性に関する情報を紹介していきます。
Facebookの発表後、仮想通貨市場におけるメタバース関連銘柄の時価総額は急上昇し、遂に200億ドルの大台を突破しました。(2021年11月時点Coingeckoより)
上記で紹介したアクシー・インフィニティやザ・サンドボックス、マナ、エンジンコインなどのメタバース主要銘柄も、これをきっかけに軒並み大幅な価格上昇を見せています。その中でもマナは、2021年10月末からの数日で価格を200%以上に伸ばしている状況です。
これに伴って、小規模なメタバース関連の仮想通貨も上昇を始めています。例えば、2620年の宇宙を舞台としたメタバースのイーサバース(ETVS)は、Facebook発表の直後に100%以上の上昇を記録しています。
メタバースはまだまだ成長する可能性を秘めているので、このブームに乗って、メタバース関連銘柄への投資に挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
Facebookは約50億ドルをメタバース分野に投資することを発表しましたが、以前から同分野では、日本の大手ゲーム会社であるグリーが100億円規模の事業を計画するなど、企業の投資が流入し始めていました。
2021年11月初めにも、マイクロソフトが仮想空間内の会議室に集まることなどを可能にする「Mesh for Microsoft Teams」を来年中に提供すると発表しています。
マイクロソフトはこれが「メタバースへの入り口」だと説明しており、今後も継続的に同分野に投資する可能性があると言及しています。このように、企業の投資が流入していることから、メタバース分野の開発活動はより活発になっていくと考えられているのです。
今の所、メタバースはゲームでの利用が主となっていますが、今後は様々な用途で利用が拡大していく見通しです。仮想通貨市場でもメタバース関連の銘柄が盛り上がりを見せており、次なる成長分野としての認識が高まっています。
メタバース関連の仮想通貨は、ゲーム内で利用できるものも多いので、いきなり投資にまわるよりも、まずはお気に入りのゲームを見つけてみるのも手かもしれませんね。
出典元:
作成日
:2021.11.09
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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