作成日
:2022.01.17
2023.03.16 15:54
「Play to Earn」とは、ゲームで遊んでお金を稼ぐことを指します。従来、高機能なインターネットゲームはお金を支払って遊ぶものであり、無料で遊べる場合は多少であっても機能が制限されるのが一般的でした。
しかし、ゲーム内の仮想通貨(暗号資産)を実際のお金に換金できる性質があるブロックチェーンゲームでは、お金を支払って遊ぶのではなくお金をもらって遊ぶことが可能となりました。お小遣いのレベルを越えた額を稼ぐこともでき、ゲームをプレイすることを専業にする人が出てくるほどです。
そこで、Play to Earnでどのように稼ぐのか、代表的なゲームにはどのようなものがあるのか、などについて解説します。
Play to Earnでの稼ぎ方は、主に3つあります。
ブロックチェーン技術が発達した結果、メタバース(インターネット上に構築された三次元の仮想空間)を利用したゲームが多数開発され、それらのゲームではユーザーに仮想通貨(トークン)を配布する例が多くあります。
例えば、特定のクエストをクリアしたり他のユーザーと対戦して勝利したりすると、トークンをもらえます。これらのトークンは、他の仮想通貨と同様に仮想通貨取引所で売買できますので、トークンを実際のお金に換金することができます。
Play to Earnのゲームとして有名なモンスター対戦ゲーム「アクシー・インフィニティ」のトークン「AXS」は、2022年1月現在、1枚80ドル(約8,000円)程度でBinance(バイナンス)やBybit(バイビット)などの大手取引所で取引されており、換金が可能です。
ゲームを進めると、一般的には入手が難しく、かつ、ゲームを進めるうえで有効なアイテムを得られる場合があります。こういったアイテムを欲しがるユーザーは大勢いますから、売却することで稼げます。
「アクシー・インフィニティ」の場合だと、対戦に使うモンスターの売買が行われており、1体50ドル(約5,000円)程度で取引されています。
画像引用:Axie Infinity
ゲームによっては、用意されたツールを使用して、ユーザーが自分で自由にキャラクターやアイテムを作って販売したり、そのアイテムを使えるゲームを開発したりできます。他のユーザーにとって魅力的なアイテム等を作れれば、それを販売して稼げます。
Play to Earnゲームの人気が高まったことにより、そのゲーム内で利用される仮想通貨(トークン)の価格が高騰しています。2022年1月現在、仮想通貨全体で見ても、時価総額50位以内に複数のゲーム系仮想通貨が含まれています。
アクシー・インフィニティは、アクシーと呼ばれるモンスターを対戦・繁殖・育成・取引するブロックチェーンゲームです。ガバナンストークンの「アクシー・インフィニティ(AXS)」やゲーム内通貨「スムーズ・ラブ・ポーション(SLP)」を発行しており、これらはBinance(バイナンス)などの主要取引所で売買可能です。
ガバナンストークンとは、トークンを発行したプロジェクトの運用方針についての投票機能などを持つトークンです。開発元だけではなくトークンホルダーもプロジェクトの運営に関わることができます。プロジェクトの進捗具合がトークンの価格に影響を与えることもあります。
また、アクシー・インフィニティのモンスターであるアクシーやゲーム内アイテムはNFTとして発行されており、OpenSeaを始めとする外部のマーケットプレイスで売買できます。
2021年には、特にAXSトークンの価格高騰が話題になりました。2021年3月以降500円前後で推移していましたが、同年11月には17,000円を超える高値を記録したことで、AXSを稼ぐために専業でゲームをやる人が現れるほどでした。
画像引用:CoinMarketCap
アクシー・インフィニティは、下の取引所で現物取引が可能です。
ディセントラランドは、メタバース(インターネット上に構築された三次元の仮想空間)の代表的なゲームです。メタバースでは、アバターを動かし移動したり、土地の売買などを行ったり、現実と同じような行動をして遊ぶことができます。
画像引用:ディセントラランド
イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを基礎に構築されており、仮想空間内の土地や建物、アバターなどがNFTとして発行されていることが特徴です。
また、ユーザーがゲーム内で新たなNFTを発行したり、土地を開発して街などを作ったりできます。最近では、ディセントラランド内にカジノが開設されたことが話題となりました。その他、いくつもの開発計画が進められており、NFT市場でデジタル不動産ブームの火付け役になる可能性を秘めています。
これらの土地や建物その他アイテムは、「マナ(MANA)」と呼ばれる独自仮想通貨によって取引されており、メタバースが注目を集めた2021年に価格が高騰しました。長らく数円という価格で推移していましたが、2021年に入って暴騰して600円を超えた様子が分かります。
画像引用:CoinMarketCap
MANAは、下記の取引所で現物取引が可能です。
サンドボックスでは、プレイヤーが自分の分身となるアバターを操作してゲームに参加するだけでなく、新しくゲームを作ったり、「ボクセルアート」と呼ばれる機能を駆使してデジタルアートを自作したりすることができます。
画像引用:The SANDBOX
また、サンドボックスは独自仮想通貨サンド(SAND)を発行しています。この仮想通貨はNFTマーケットプレイスで利用可能であり、ゲーム内で土地やアイテムを売買できます。
サンドボックスは日本の大手ゲーム会社であるスクウェア・エニックスなどから200万ドル以上の出資を受けるなど、日本市場との関係性を強めています。Play to Earnゲームのほとんどは日本語非対応ですが、サンドボックスは公式サイトの一部が日本語化され、日本語での情報発信も行われています。
SANDも2021年に数円だった価格が1,000円近くに暴騰しました。
画像引用:CoinMarketCap
SANDは、下の取引所で現物取引が可能です。
Facebookが社名をメタバースに由来する「メタ」に変更したり、スクウェア・エニックス社長がブロックチェーンを基盤とする分散型ゲームを事業に取り込んでいく意向を示したりなど、メタバースやブロックチェーンゲームへの注目は仮想通貨業界だけでなく一般社会でも徐々に高まっています。
アクシー・インフィニティ(AXS)など既に高値がついたトークンを狙って稼ぐこともできますし、まだ無名で価格が低迷している銘柄を狙って将来の価格上昇を狙うこともできます。この選択も、Play to Earnの楽しみの一つです。
Play to Earnのゲームには、従来のゲームと同様に様々なジャンルがありますが、最近は主にメタバースが注目を集めています。
徐々に話題に上るようにはなっていますが、メタバースは仮想空間の話であり関心のない大多数の人々に影響はないのかもしれません。しかし、近い将来、メタバースは現実世界と深い関係を持つ可能性があり、これがPlay to Earnをさらに発展させる可能性があります。
具体的には、2021年11月15日、カリブ海に浮かぶ島国のバルバドスがディセントラランド内に大使館を開設することが、ディセントラランドから発表されました。
So proud today to welcome the Government of Barbados to Decentraland, establishing the world's first metaverse embassy.https://t.co/Xu5RjAwhv4
— Decentraland (@decentraland) November 15, 2021
まだ詳細は発表されていませんが、バルバドスの観光案内や旅行時に使えるクーポン配布、ゲーム内イベントを通じた特製NFTの配布など、用途はいくつも考えられます。
政府だけでなく、実在の企業がメタバースに参加することも期待されています。米大手飲料メーカーのペプシやイタリアの有名ブランドである「ドルチェ&ガッバーナ」は既にNFT分野での取り組みを始めており、メタバース内で企業のNFTが利用されるケースも今後は増えてくるでしょう。
近い将来、ツイッターやLINE等で実施されているような企業キャンペーンがメタバース内でも実施される可能性があり、今後の発展を期待できます。
これまで紹介した3つのトークンは、いずれも2021年に大きく価格が上昇しています。この理由は、主に2つあります。
Play to Earnトークンはゲーム内で利用できるため、ゲームを楽しみたい人はお金を出してトークンを買い、ゲームアイテムを購入します。スマホゲームの課金と同じ仕組みですね。ゲーム自体がおもしろければ、このような形でトークンの需要が出るため、これが自然に価格の上昇要因になります。
それに加えて、トークン価格が上昇すると、仮想通貨取引所経由でそれに投資して値上がり益を狙いたいというトレーダーが出てきます。2021年の価格高騰は、これが主な要因とみられています。
トークン価格だけでなく、土地などのNFTが億を超える価格で売買されることもあり、「バブル」とも言われている状況です。
このまま価格上昇が続くのか、それともバブルがはじけてしまうのか、今後の展開に注目が集まります。
作成日
:2022.01.17
最終更新
:2023.03.16
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