作成日
:2021.09.27
2023.03.16 15:54
今月12日、ブロックチェーン関連プロジェクト、カルダノの開発企業であるIOHKが、アロンゾ(Alonzo)と呼ばれるアップグレードを完了したことを発表しました。
大手メディアやSNS上では、このニュースが大々的に取り扱われていますが、アロンゾはカルダノのネイティブトークンであるエイダコイン(ADA/Cardano)や同プロジェクトにどのような変化をもたらすのでしょうか。
今回はカルダノに関する情報を軽く紹介した後、アロンゾの全容とそれに対するSNS上での反応、エイダコイン価格への影響について解説したいと思います。
仮想通貨市場ではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを含め、多数のブロックチェーンが開発されています。以前からカルダノは期待のブロックチェーンとして注目を集めていましたが、今回、アップグレードが完了したことで脚光を浴びています。
普段、投資対象となる仮想通貨にばかり目が行きがちですが、カルダノとはどのようなブロックチェーンなのでしょうか。ここでは、あまりブロックチェーンに馴染みがない方もわかるように、カルダノの特徴を絞って簡潔に紹介していきます。
基本的にブロックチェーンと仮想通貨は親と子の関係となっており、例えば、ビットコインであれば、ビットコインブロックチェーンを基盤としてます。それと同じように、ブロックチェーンであるカルダノはエイダコインを発行し、同仮想通貨の送金などを処理する役割を担っているのです。カルダノの開発が進行していくと、エイダコインの利便性や利用できるサービスなどが拡大していくと考えられます。
ステーキングとは仮想通貨ホルダーが報酬と引き換えに、ブロックの承認作業に参加する仕組みです。ビットコインを始めとするブロックチェーンが採用するマイニングとは異なり、ステーキングは対象の仮想通貨を保有しさえすれば、誰でも報酬を受け取るチャンスがあります。カルダノはステーキングを採用するブロックチェーンとして有名であり、それがエイダコインの人気につながっているのです。
参照:ステーキング
ちなみに仮想通貨取引所のビットポイントがエイダコインの取り扱いを開始したことから、日本の居住者でもカルダノのステーキングに参加しやすい環境が整い始めています。エイダコインを長期保有する場合、定期的な報酬が手に入るステーキングはありがたい特典だといえますよね。
仮想通貨市場で2番目の規模を誇るイーサリアムは、ブロックチェーン上で稼働するアプリケーションであるDApps(分散型アプリケーション)向けのプラットフォームとして広く使用されています。元イーサリアム(ETH)開発者であるチャールズ・ホスキンソン氏らによって開発されたカルダノも、同様にDAppsプラットフォームとしての機能を有しており、今では「イーサリアム・キラー」の代表格として認識されています。
現にエイダコインの時価総額は約775億ドルで全体の3位に位置し、イーサリアムに迫ってきている状況です。(2021年9月14日時点CoinMarketCapより)
DApps開発が活況となったことから、仮想通貨市場ではイーサリアムと似た機能を持つブロックチェーンプラットフォームがいくつも台頭してきています。それらのブロックチェーンはイーサリアム・キラーと呼ばれており、発行する仮想通貨の時価総額を高めているのです。具体的には、カルダノの他に、ポルカドット(DOT)やソラナ(SOL)、イオス(EOS)などが該当します。
カルダノは5段階の開発フェーズでアップグレードを施していくことをロードマップの中で示しています。現在、カルダノは第3段階目の「GOGUEN」に位置しており、今回のアロンゾはその一環として実行されました。
では、アロンゾの実装でカルダノはどのように変わるのでしょうか。ここでは、その全容を明らかにして、カルダノの将来性について解説したいと思います。
これまでカルダノは、ブロックチェーン上で契約を自動履行する技術であるスマートコントラクトをテスト環境(テストネット)で試運転させてきました。しかし、今回、カルダノはアロンゾを通じて、ブロックチェーンの本番環境(メインネット)でスマートコントラクトを有効化することに成功したのです。スマートコントラクトはイーサリアムの核となる機能であるため、これによりカルダノはイーサリアム・キラーとしての色合いを更に強めたことになると言えるでしょう。
参照:スマートコントラクト
カルダノがスマートコントラクトを実装したことで、DApps開発が活性化する可能性があると考えらます。特にカルダノのスマートコントラクトは信頼性が高いことから、ブロックチェーンを活用した金融関連サービス、DeFi(分散型金融)分野での利用に適しているとされています。
現時点では、ブロックチェーン上での仮想通貨取引を可能にする分散型取引所(DEX)や、安定的な価値を持つステーブルコインの発行システム、保有する仮想通貨を貸し出すことで金利収入を得る仮想通貨レンディングなどの構築が視野に入っています。また、その他の分野では、ブロックチェーン上でのゲームや、デジタルアートやゲームアイテムの取引に利用可能なNFT(非代替性トークン)関連のDAppsが構築できるようになると期待されているのです。
ビットコイン(BTC)が主に送金に特化したブロックチェーンであるのに対し、カルダノは、ブロックチェーンで様々な活動を行うことができるということですね。
仮想通貨としての使い道が多ければ、エイダコインを保有したい人が増えるので、DApps開発の活性化が投資の鍵になるかもしれませんね。
DeFi関連サービスにおいてスマートコントラクトは、資金の預け入れや払い出しなどの自動化を担うことから、高い信頼性が求められます。その点、「Plutus」と呼ばれる技術を基礎とするカルダノのスマートコントラクトは、金融業界で用いられるプログラミング言語の「Haskell」でプログラムを構築することを可能としており、それがDeFi向きだと評価されています。Haskellは、JavaScriptなどの言語と比べると扱える人が限られますが、バグへの耐性が高く、信頼性の高いプログラムを組むことができるのです。
カルダノのアロンゾが完了したことに対して、仮想通貨コミュニティがどのような反応を示したか、投資判断の材料となるので気になる所ですよね。エイダコインの購入を考えている方のために、SNS上での投稿などから主なものを紹介していきます。
カルダノの開発企業であるIOHKがアロンゾ実装の成功をTwitter上で報告しましたが、それをきっかけに、カルダノやエイダコインに関するツイートが大量に投稿されています。
特に「新しい時代の幕開け」と言ったキーワードや、DeFi関連サービスの登場を待ち望む声が上がっています。この流れは日本にも波及しており、カルダノおよびエイダコインの注目度が上昇しています。SNS上ではアロンゾが実装されたことから、エイダコイン価格の高騰を期待する投稿が数多く見受けられます。中にはエイダコインの買い増しを勧める投資家も出てきています。
カルダノ開発チームは、今後の開発予定を示したロードマップを公開していて、このロードマップにはハードフォークの予定も含まれるため、今後のハードフォークによる価格高騰も期待されています。
ハードフォークはブロックチェーンの大規模なアップグレードを行う際に必要となる場合が多いです。ハードフォークの成功は、ブロックチェーンの性能や機能が強化されることを意味するので、投資家にとっては好材料となることが多いのです。反対にハードフォークの失敗は、ネガティブな印象を与えるといえるでしょう。
一方、仮想通貨に詳しい人の中にはカルダノの開発活動に疑問を呈する者も出てきています。例えば、イーサリアム支持者のアンソニー・ワサノ氏は、カルダノがスマートコントラクトの査読(第三者によるプログラムの検証)に対応していないことを批判しており、DAppsプラットフォームとして不完全であると指摘しました。
その他、カルダノのライバルである仮想通貨関連プロジェクト、インターネットコンピューター(ICP)を手がけるドミニク・ウィリアムズ氏は、「スマートコントラクトをサポートしただけで、人々が満足していることに驚きを隠せない」と、同プロジェクトの展開の遅さを痛烈に批判しています。こうした発言を鵜呑みにする必要はありませんが、エイダコイン投資を検討しているのであれば、これらマイナスな意見にも耳を傾けるべきかもしれませんね。
カルダノは無事にアップグレードを完了したわけですが、肝心のエイダコイン価格にはどのような影響があったのでしょうか。直近のエイダコイン価格の動向と懸念事項、今後の見通しなどについてまとめて紹介します。
年初来、エイダコイン価格はビットコインなどの主要な仮想通貨と同調する形で上昇トレンドを描いてきました。特に7月後半からは、スマートコントラクト実装への期待からか、エイダコイン価格は飛躍的な上昇を記録し、3ドルの大台に迫る動きを見せていました。その後、エイダコイン価格はアロンゾの直前に急落することとなりましたが、アップグレードが完了した事実を受けて、一気に20%以上高騰しています。
現在、エイダコイン価格はこれまでの勢いを失っており、アップグレードが実施される前の水準まで落ちてきてます。エイダコイン価格は2.4ドル付近を推移していますが、予断を許さない状況だと言えるでしょう。(2021年9月27日時点TradingViewより)
カルダノがスマートコントラクトを実装したことは、エイダコインにとっても大きな出来事となりました。しかし、ここにきて、カルダノのスマートコントラクトに脆弱性が存在する可能性があるとの噂が囁かれており、それがエイダコイン価格に負の影響を及ぼすかもしれないと懸念されています。その真偽は明らかではないですが、カルダノはテスト環境のブロックチェーンで分散型取引所の立ち上げに失敗した経緯があるので、脆弱性が存在するとの可能性も否定できません。
アロンゾによるアップグレードが完了したことで、エイダコイン価格のトレンドが長期的な強気に転じたとの予想も出てきています。仮想通貨メディアのCoinQuoraによると、エイダコイン価格は3.13ドルから4.27ドルの価格帯で推移すると予想されており、そこを抜ければ、2021年度中にでも5ドルから10ドルに到達する可能性があると言います。反対にトレンドが弱気に転じた場合、エイダコイン価格は1.87ドルにまで押し戻されると予想されているので、下落のリスクもあることも頭に入れておきましょう。
2022年8月現在、エイダコイン(ADA)は日本国内の取引所でも購入できます。しかし無期限取引が可能で、資産の運用先も豊富であるBinance(バイナンス)やBybit(バイビット)などの海外取引所の利用がおすすめです。
日本語対応の海外取引所でのADAの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
取引所 | 現物 | デリバティブ |
Binance(バイナンス) | 〇 | 〇 |
Bybit(バイビット) | 〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート) | 〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス) | 〇 | 〇 |
MEXC(メクシー) | 〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス) | 〇 | 〇 |
Bitget(ビットゲット) | 〇 | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
海外取引所は日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
アロンゾのアップデートでスマートコントラクトを実装したことにより、カルダノは仮想通貨市場で有数のDAppsプラットフォームとしての地位を着々と築きつつあります。今後はイーサリアムと同様に、カルダノも第三者企業などの開発者を募って、様々な分野でのDApps開発を活性化させていくと考えられています。
今年9月25日、26日には、「カルダノサミット2021」と題打ったイベントの開催が予定されており、そこで新しいパートナーシップやプロジェクト関連の発表があると予想されています。
仮想通貨市場でカルダノの存在感は増していますが、アロンゾが完了したことでどのような価値を発揮するのでしょうか。仮想通貨への投資を検討している方は、カルダノおよびエイダコインの動きに注目すべきだと言えるでしょう。
出典元:
作成日
:2021.09.27
最終更新
:2023.03.16
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