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【IMMポジション】ポンド、再び売り越しに転じる

【IMMポジション】ポンド、再び売り越しに転じる

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update 2021.08.30 15:28
【IMMポジション】ポンド、再び売り越しに転じる

update 2021.08.30 15:28

ユーロ、ネットポジションが大幅減

米商品先物取引委員会(CFTC)は8月27日、24日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ネットポジションが減少

円は対ドルで6万6,671枚の売り越し(ネットショート)であった。ネットポジションは先週比で3,463枚の減少となる。尚、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは24週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス2.8%、売り建玉(円ショート)はプラス3.0%となった。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 27,532 26,763 -2.8%
ショート 90,740 93,434 3.0%
ネット -63,208 -66,671 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
27,532 26,763 -2.8%
ショート
先週 今週 増加率
90,740 93,434 3.0%
ネット
先週 今週 増加率
-63,208 -66,671 -

米8月製造業購買担当者景気指数(PMI)を始めとする複数の経済指標が軟調な結果であった他、米10年債利回りの低下を受けたドル売り圧力が高まったことなどを受け、24日にドル円は週間安値となる109円41銭まで下落した。しかしながら、その後は米7月耐久財受注が市場予想を上回ったことに加え、2021年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つアトランタ地区連銀のボスティック総裁を始め、複数のFOMCメンバーによるタカ派的発言が相次いだことなどを受け、週末27日にかけてドル円は週間高値となる110円26銭まで買われる展開となった。もっとも、市場が注視していたジャクソンホール会議にて、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利上げに慎重な姿勢を示し、現行の金融緩和政策の長期化観測が強まったことにより、109円84銭まで下落して取引を終えている。

ユーロ、ネットポジションが57%減

ユーロは対ドルで2万4,630枚の買い越し(ネットロング)となった。ネットポジションは先週比で33,010枚の大幅減少となる。先週大幅増加したネットポジションは、再び減少に転じている。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比マイナス16.9%、売り建玉(ショート)はマイナス3.6%となった。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 233,529 194,169 -16.9%
ショート 175,889 169,539 -3.6%
ネット 57,640 24,630 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
233,529 194,169 -16.9%
ショート
先週 今週 増加率
175,889 169,539 -3.6%
ネット
先週 今週 増加率
57,640 24,630 -

ユーロドルは、23日の週初早々に週間安値となる1.1691ドルまで下落した。しかしながら、その後は週末27日のジャクソンホール会議を控え、大きく売り込まれたユーロショートポジションを買い戻す動きが出た。また、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁が、経済見通しの上方修正の可能性を示唆した他、ECB理事会議事要旨がタカ派的な内容であったことがユーロ買いを誘った。加えて、パウエル議長の講演を受けて米国の金融政策が長期化するとの見方が広がったこともユーロ買い・ドル売りに繋がった。週末27日に、ユーロドルは週間高値となる1.1802まで値を伸ばして取引を終えている。

ポンド、ネットショートに

ポンドは対ドルで16,745枚の売り越し(ネットショート)に転じた。ネットポジションは先週比で21,396枚の大幅減少となる。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)がマイナス5.7%、売り建玉(ショート)はプラス51.0%となった。ショートポジションが大幅増加したことが、ネットポジションの大幅減少に繋がった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 41,898 39,489 -5.7%
ショート 37,247 56,234 51.0%
ネット 4,651 -16,745 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
41,898 39,489 -5.7%
ショート
先週 今週 増加率
37,247 56,234 51.0%
ネット
先週 今週 増加率
4,651 -16,745 -

ポンドドルは、23日の週初早々に週間安値となる1.3613ドルまで下落した。しかしながら、その後は欧州株高や軟調な米経済指標などを受け、ポンド買いが優勢となった。もっとも、週末27日のジャクソンホール会議を控え、持ち高を一方向に傾ける動きは限定的なものとなった。同会議では、パウエル議長が利上げに慎重な姿勢を示したことが、ポンド買い・ドル売りに繋がった。週末27日に、ポンドドルは週間高値となる1.3781ドルまで値を伸ばして取引を終えている。

カナダドル以外でネットポジションが減少

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、カナダドルを除き、ネットポジションが減少した。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 64,169 60,964 -5.0%
ショート 114,536 117,564 2.6%
ネット -50,367 -56,600 -
CHF ロング 14,354 14,608 1.8%
ショート 8,807 10,514 19.4%
ネット 5,547 4,094 -
CAD ロング 46,499 44,124 -5.1%
ショート 43,839 38,247 -12.8%
ネット 2,660 5,877 -
NZD ロング 16,674 17,219 3.3%
ショート 16,909 17,581 4.0%
ネット -235 -362 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
64,169 60,964 -5.0%
ショート
先週 今週 増加率
114,536 117,564 2.6%
ネット
先週 今週 増加率
-50,367 -56,600 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
14,354 14,608 1.8%
ショート
先週 今週 増加率
8,807 10,514 19.4%
ネット
先週 今週 増加率
5,547 4,094 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
46,499 44,124 -5.1%
ショート
先週 今週 増加率
43,839 38,247 -12.8%
ネット
先週 今週 増加率
2,660 5,877 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
16,674 17,219 3.3%
ショート
先週 今週 増加率
16,909 17,581 4.0%
ネット
先週 今週 増加率
-235 -362 -

release date 2021.08.30

出典元:

ニュースコメント

米テーパリング11月決定、12月開始がメインシナリオに

FRBのパウエル議長は27日のジャクソンホール会議の講演にて、テーパリング(量的緩和の縮小)を年内に開始するのが適当と公言する一方、利上げに慎重なスタンスを維持した。これが、米主要株価指数の史上最高値更新を演出する形となった。従来、市場では9月のFOMCでテーパリングの開始が決定されるとの予想も出ていたが、パウエル議長の講演を受け、11月のFOMCで決定し、12月に開始することが現在のメインシナリオとなっているようだ。またパウエル議長は、5%台の失業率は依然として高すぎると指摘すると共に、新型コロナウイルス(COVID-19)の変異株であるデルタ株の感染拡大を直近のリスクとして注視するという。テーパリング開始の正式決定に向け、パウエル議長が指摘した労働市場と新型コロナウイルス感染動向に絡むニュースヘッドラインに一喜一憂する展開が続きそうだ。


Date

作成日

2021.08.30

Update

最終更新

2021.08.30

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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