Select Language

【IMMポジション】ポンド、3週間ぶりに買い越しに転じる

【IMMポジション】ポンド、3週間ぶりに買い越しに転じる

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.20 12:15
【IMMポジション】ポンド、3週間ぶりに買い越しに転じる

update 2021.08.20 12:15

円とユーロ、ネットポジションが減少

米商品先物取引委員会(CFTC)は8月13日、10日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ネットポジションが減少

円は対ドルで6万657枚の売り越し(ネットショート)であった。ネットポジションは先週比で5,467枚の減少となる。先週6日に発表された米7月雇用統計が市場予想を上回る力強い結果となったことを受け、米ドル買い・円売りが進んだ模様だ。尚、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは22週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比プラス20.6%、売り建玉(円ショート)はプラス13.7%となった。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 30,409 36,684 20.6%
ショート 85,599 97,341 13.7%
ネット -55,190 -60,657 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
30,409 36,684 20.6%
ショート
先週 今週 増加率
85,599 97,341 13.7%
ネット
先週 今週 増加率
-55,190 -60,657 -

9日の週初は、前週末の良好な米雇用統計を受けたドル買いの流れを引き継いだ。また、2021年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つアトランタ地区連銀のボスティック総裁など、複数のFOMCメンバーによるタカ派的な発言に加え、米上院でのインフラ投資法案可決などを手掛かり、ドル円は11日に約1ヶ月ぶりの高値水準となる110円81銭まで上昇した。しかしながら、その後は注目の米7月消費者物価指数(コアCPI)や米8月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回る冴えない結果となり、米10年債利回りの急低下に繋った。週末13日に、ドル円は週間安値となる109円54銭まで急落して取引を終えた。

ユーロ、ネットポジションが減少

ユーロは対ドルで3万3,857枚の買い越し(ネットロング)となった。ネットポジションは先週比で4,150枚の減少となる。買い越し幅は2020年3月以来の水準まで縮小している。欧米の金融政策スタンス格差が鮮明となる中、ユーロ売り・ドル買いが継続している状況だ。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス6.9%、売り建玉(ショート)はプラス11.1%となった。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 199,067 212,809 6.9%
ショート 161,060 178,952 11.1%
ネット 38,007 33,857 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
199,067 212,809 6.9%
ショート
先週 今週 増加率
161,060 178,952 11.1%
ネット
先週 今週 増加率
38,007 33,857 -

良好な米雇用統計やFOMCメンバーによる相次ぐタカ派的な発言に加え、ドイツ8月ZEW景況感指数の大幅低下などにより、ユーロ売り・ドル買い圧力が高まった。週央にかけて、ユーロドルは約4ヶ月ぶりの安値水準となる1.1704ドルまで下落した。しかしながら、年初来安値となる1.1702ドルをバックに下げ渋ると、その後は軟調な米経済指標を受けたドル売りが優勢の展開となり、週末13日に1.1795ドル近辺まで値を戻して取引を終えた。

ポンド、再び買い越しに転じる

ポンドは対ドルで7,070枚の買い越し(ネットロング)となり、3週間ぶりに買い越しに転じた。ネットポジションは先週比で7,162枚の大幅増加となる。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)がプラス3.8%、売り建玉(ショート)はマイナス12.8%となった。ロングポジションが増加する一方、ショートポジションが2桁の減少となったことが、ネットポジションの大幅増加に繋がった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 43,119 44,750 3.8%
ショート 43,205 37,680 -12.8%
ネット -86 7,070 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
43,119 44,750 3.8%
ショート
先週 今週 増加率
43,205 37,680 -12.8%
ネット
先週 今週 増加率
-86 7,070 -

先週末6日の市場予想を上回る米7月雇用統計を受け、米早期テーパリング観測が再燃し、ポンドは9日の週初から売り優勢の展開となった。しかしながら、その後は11日に発表された米7月コアCPIなどの米経済指標が冴えない結果となり、ポンド買い・ドル売りに転じた。また、英国では新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックからの経済再開が進み、英イングランド銀行(中央銀行)が大規模な金融緩和の早期縮小を視野に入れていることが、ポンドの下支え要因となっている模様だ。週末13日に、ポンドドルは1.3863ドル近辺で取引を終えている。

主要7通貨はまちまちの展開に

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、ネットポジションの増減が入り混じる、まちまちの展開となった。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 57,742 57,323 -0.7%
ショート 99,025 106,636 7.7%
ネット -41,283 -49,313 -
CHF ロング 16,522 18,537 12.2%
ショート 8,979 8,859 -1.3%
ネット 7,543 9,678 -
CAD ロング 46,064 45,445 -1.3%
ショート 38,604 38,980 1.0%
ネット 7,460 6,465 -
NZD ロング 16,959 17,295 2.0%
ショート 17,284 18,327 6.0%
ネット -325 -1,032 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
57,742 57,323 -0.7%
ショート
先週 今週 増加率
99,025 106,636 7.7%
ネット
先週 今週 増加率
-41,283 -49,313 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
16,522 18,537 12.2%
ショート
先週 今週 増加率
8,979 8,859 -1.3%
ネット
先週 今週 増加率
7,543 9,678 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
46,064 45,445 -1.3%
ショート
先週 今週 増加率
38,604 38,980 1.0%
ネット
先週 今週 増加率
7,460 6,465 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
16,959 17,295 2.0%
ショート
先週 今週 増加率
17,284 18,327 6.0%
ネット
先週 今週 増加率
-325 -1,032 -

release date 2021.08.16

出典元:

ニュースコメント

タカ派シフトが目立つFOMCメンバー

多くの市場関係者が、米国の早期テーパリング観測を巡るFOMCメンバーの発言を注視している。2021年に投票権を持つFOMCメンバーを確認すると、常に投票権を持つ常任メンバーは、議長と副議長を含む理事7名とニューヨーク地区連銀総裁の計8名で構成されている。また、シカゴ、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコの各地区連銀総裁が今年のFOMCで投票権を持ち、合計12名で構成されている。この内、クラリダ副議長とウォーラー理事、アトランタ地区連銀のボスティック総裁、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁がタカ派的な見解を示している。元々、2021年のFOMCで投票権を持つメンバーは、ハト派が大多数を占めると見られていたが、最近では半分近くのメンバーがタカ派にシフトしているようだ。今週発表されたCPIと米7月卸売物価指数(PPI)は高水準で推移している他、雇用環境は順調に改善している。FOMCメンバー内で政策スタンスに温度差が見られる中、ハト派的な姿勢を維持するパウエル議長の発言に変化がみられるか注目したい。


Date

作成日

2021.08.16

Update

最終更新

2021.08.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bitgetローンチプールに仮想通貨SPARKLETが登場!参加方法やUplandの独自トークンについて解説

2024年7月23日、Bitget(ビットゲット)は、仮想通貨SPARKLETをローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。SPARKLETは、没入型レイヤー1ゲームプラットフォーム「Upland」の独自トークンです。
New
update2024.07.26 19:00

FBTCとは?Ignitionによるビットコインの可能性を広げる仕組みや将来性を解説

FBTCは、ビットコイン(BTC)に1:1でペッグされたクロスチェーン対応の仮想通貨(暗号資産)です。様々なブロックチェーンに対応し、DeFiプロトコルでの運用を可能にすることで、ビットコインの有用性の向上を目指しています。
update2024.07.25 19:30

メタマスク以外の仮想通貨ウォレットは?ウォレットの種類や選び方を解説

仮想通貨ウォレットの代表格として有名なのがメタマスク(MetaMask)です。メタマスク以外にもさまざまな仮想通貨ウォレットが存在し、それぞれに特徴があります。当記事では、メタマスク以外の仮想通貨ウォレットの種類や特徴、選び方などについて解説します。
update2024.07.25 19:00

Land PrimeがOlympic限定100%入金ボーナスを開催!

Land Primeが、パリオリンピックの開催を記念して100%入金ボーナスを開催します。キャンペーン期間は、2024年7月26日から8月11日までの約2週間です。受け取れる最大ボーナス金額は日本のメダル獲得数によって決まる独自のルールとなっています。
update2024.07.24 20:30

FXDDが経営体制の移行を発表、数週間以内に手続きを完了予定

海外FX業者のFXDDが経営陣の交代を発表しました。FXDD Trading SACの所有権が、888 Marketsグループに移管されることになります。移行に関連する手続きは数週間で完了する見込みです。
update2024.07.24 20:00

TradingViewのオーダーブック(板情報)の特徴と表示方法を解説

TradingViewのオーダーブックには、特定の価格帯における注文数が表示されます。板情報として表示されるため、TradingViewにデータを配信する証券会社を利用することで、板読みの取引手法に利用できます。
update2024.07.24 19:30

Bybitローンチプールに仮想通貨ZKLが登場!参加方法やzkLinkの独自トークンについて解説

2024年7月18日、Bybit(バイビット)は、仮想通貨ZKLをローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。ZKLは、ブロックチェーンの相互運用性と流動性の断片化問題の解決を目指すプラットフォーム「zkLink」の独自トークンです。
update2024.07.23 20:00

Zoomexが現物取引手数料無料キャンペーンを開催!新規ユーザー限定で30日間の手数料が還元

海外取引所のZoomexが、新規ユーザー限定で現物取引手数料無料キャンペーンを開催しました。開催期間は、2024年8月12日午前9時(日本時間)までです。Zoomexの現物取引手数料無料キャンペーンの内容や参加方法、注意点などを解説します。
update2024.07.23 19:30

テザー(USDT)での入金・出金に対応しているFX業者は?チェーンの違いに注意!

テザー(USDT)はトランザクション手数料も安く、送金に対応している海外FX業者や仮想通貨取引所が多いため、海外FX業者への送金にも便利に利用できます。ただし、送金するチェーンを間違えないようにするなど、ビットコインの送金よりも少し注意が必要です。
update2024.07.19 20:30

Bybitローンチプールに仮想通貨A8が登場!参加方法やAncient8の独自トークンについて解説

2024年7月17日、Bybit(バイビット)は、仮想通貨A8をローンチプールの対象銘柄にすると発表しました。A8は、ゲーム特化のレイヤー2ブロックチェーン「Ancient8」の独自トークンです。
update2024.07.19 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル